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カカの天下  作者: ルシカ
293/917

カカの天下293「カカ天クエスト Ep2」

 注意:このお話はカカ達がゲームのキャラになりきりながらRPGを進める話です。話の内容はゲームの中ですが、『もしもカカ達が異世界にいたら』みたいな感覚でお楽しみください。

 ステータス

 カカ  ボケ勇者    レベル1 へん

 サエ  悪の魔法使い  レベル1 はらぐろ

 サユカ 手の平の踊り子 レベル1 さびしんぼう

 トメ  ツッコミ    レベル1 つっこみ


 魔王退治(姉の不始末の後片付け)を王様に命じられた勇者だか芸人だかわからない一行は、街の周辺でレベルを上げることになりました。


「結構いい装備もらったからねー、皆ちゃんと装備したー?」


「うん、したよ。私はこんぼう+2を」


「わたしは踊り子だからひのきの棒+3しか装備できなかったわっ」


「私は魔法使いだから、松の木の杖をー」


 強いんだか弱いんだか微妙な装備ばかりです。


「僕はいちおー武闘家みたいなもんらしいから、素手のほうが強いみたいだ。防具だけ装備したよ。旅人の服ツッコミ仕様」


 所々にぶら下がっているミニハリセンのキーホルダーがオシャレな服です。防御力は意外と高いです。


「よーし、とりあえずレベル上げるよ!」


「街の人に話しかけても愚痴ばっかだしねー」


「世の中そんなもんよっ」


 姉のような魔王がいる世界じゃ、そりゃ愚痴も言いたくなるでしょう。


「とりあえず街の周辺にいる魔物、出てこーい!」


 スライムがあらわれた!


「おお、素直に現れた。しかもRPGの最初の敵の定番だ!」


「まずこれに負けることはないだろうけど、僕らはまだ全員レベル1だ。気合いれていこう!」


「はーい」


「はいっ」


 スライムのこうげき!


 サエは5のダメージ。


 サエはしんでしまった。


「え? うそ」


「ええええ!?」


「あははー、魔法使いってHP、ないん、だよねー……がく」


「5もないの!? ああもう、とにかくさっさと倒して生き返らせるよ!」


 カカのこうげき!


 ミス。


 カカの手がすべった。自分の頭に武器をぶつけて15のダメージ。


 カカはしんでしまった。


「いい武器ぶんどったのが仇になった!? てかそんなんありか!?」


 だって勇者の前にボケだもの。


「つ、次はわたしが相手よっ」


 サユカは不思議な踊りを踊った。


 スライムのMPがさがった。元からないけど。


「え、ちょ、こ、今度こそ!」


 サユカは不思議な踊りをもう一度踊った。


 トメのMPが回復した。


「あの、僕MPもともと0なんスけど」


「あーもう! こうなったら殴りかかってやる!」


 サユカのこうげき! ミス。


 スライムのこうげき。


 サユカは5のダメージ。サユカはしんでしまった。


「なんで皆そんなHPないの!?」


 スライムのこうげき!


「げ」


 痛恨の一撃! 即死亡。


「せ、せめてダメージくらい書けよ……がく」




「おお、カカよ。死んでしまうとは情けない!」


 スライム一匹に全滅という事実……嘆く王様の言葉に、一行は返す言葉がありません。


「ホント情けねぇな」


 本当に返す言葉がありません。


「いきなり死ぬなんてバカじゃん?」


 返す言葉が――


「このザコ、クズ、ゴミ」


「それは言い過ぎだよ!」


 さすがにありましたね、返す言葉。


「そう言われても仕方ねーだろ。おら、さっさとレベル上げてこいよ」


 貧弱芸人勇者一行は、半ば追い出される形で城を後にしました。


「うー、次こそは!」


 意気込んで街の外へ出ると、再びスライムがあらわれた!


「よし、サエちゃん魔法だよ!」


「できないよー」


「なんでよっ」


「私ね、攻撃魔法とか回復魔法とかより、補助魔法とかが得意なタイプの魔法使いみたいでさー。レベル1なのに補助魔法なんて大層なもん使えるわけが」


 スライムの攻撃、サエは5のダメージ。


 サエはしんでしまった。


「またかあああ!」


「サユカンの踊りもそうだけど、もしかして私らって基本的にレベルアップしないと役に立たない職ばっかなんじゃ……」


「じゃあ早くレベル――」


 スライムの攻撃、サユカは5のダメージ。


 サユカはしんでしまった。


「上げ、ない、と……がく」


「サユカン!? くそぅ、レベルさえ上がればおまえなんか!」


 スライムのレベルが上がった!


「おまえが上がるのかよ!!」


 スライムは火を吹いた。


「どんだけレベル上がってんだよー!?」


 ツッコミしながらトメはしんでしまった。ボケる間もなくカカもしんでしまった。




「おお! カカよ。もう死んでしまうとは情けない」


「『もう』とか言うな!!」


「せめてボケてから死ねよな。トメはツッコミちゃんとしたのに」


「なんで知ってるの!?」


 勇者だけでなく芸人としても失格だ、という王様の冷たい視線に一行はたじたじです。


 そして再び城を追い出される勇者カカ達。


 果たして、彼女らは最初の難関、レベル上げをすることができるのか!?


 次回、『打倒、鬼(のように強い)スライム! サエの秘策』をお楽しみに。 


 本ゲームにはスライムというどこのゲームでも見る有名な魔物が登場していますが、某ゲームとは一応関係ないのであしからず。

 大抵のRPGにはスライム状の魔物がいますので、そんな類ということで^^;

 ちなみに姿形は読者様のご想像にお任せいたします。身近なRPGのスライムと照らし合わせて考える感じでよろしいかと。

 ……まぁ、大抵のスライムはこんなに強くないのですが(というか主人公はこんなに弱くない、か笑


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