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カカの天下  作者: ルシカ
28/917

カカの天下28「変な歌は好きですか」

 一部の人にしかわからないネタを書いてしまいました。

 完全に個人的趣味で書きました、ごめんなさい笑

 レンタルCDというものがありますね。


 まぁ説明するまでもないでしょう。低価格でたくさんのCDが聞ける便利なシステムです。うちの妹カカは結構その手の店を利用してCDを借りてくるのですが……


 今日、たまたまそのレンタル品が居間に放置してあったので、あいつはどんな曲聞くのかなーと興味本位で開いてみた。


 適当にCDをとりだしてラベルを見てみる。


「なんだこれ」


 あまりに変な歌手と曲名に、僕の頭の中はハテナマークで埋まってしまった。


 だってさ。


 歌手:最強の部活。


 曲名:鉈で殴ろう。


 これ、おかしいでしょ? 


 なんか一部だけがわかるネタっぽい気もするけど。


 僕は見なかったことにして、他のCDを取り出してみた。


 歌手:警察に捕まったやつら。


 曲名:警察が捕まれ。


 ……えーと、なんだこのコメントしかねるものは。


 や、確かに最近警察の不祥事が目立ってるけどさ。それにしたって警察に恨み持ってるからって警察捕まれって……まっ正直にも程がある。僕はそんなん好きだ。えーと、他にはないのか?


 歌手:ニート。


 曲名:働いたら負けかなと思っている。


 ……うむ、いまどきならこんな歌あってもおかしくないような気がする、なんとなく。でも世間のニートさん達、本当の負けは人生を無為にすることだぞ。だから仕事しろとは言わんがなんか頑張ったらどうかなーと思う。


 僕か? 僕は妹と遊ぶことを頑張ってる。ああ頑張ってるさ、羨ましいか。


 ――さて、とりあえずまともな曲がないことはわかった。


 あいつは一体どんな育ち方をしたんだろう。親の顔を見てみたいもんだ。って親はいま家にいないから僕が親代わりなわけで。ってことは僕のせい?


 僕が何をしたというのか。


 ツッコミしかしてないな。


 ……ダメじゃん。


「ただいまー」


 お、カカが帰ってきた。


 ここは一つ、もっとちゃんとした曲を聴きなさいと注意してやるべきだろう。


「おーい、カ」


「嘘だ、嘘だ、嘘だ♪」


 なんか歌ってる!


「おはぎを食べれば中に針、外に出れば車にひかれ、皆祟られ狂ってく♪」


 ひたすら楽しそうにひたすら妙な歌詞を歌っている我が妹よ……おまえも狂ってるように見えるぞ。いつものことだけど。


「気にいらなきゃバットで殴れ、大きな鉈で頭をかち割れ♪ パックリン♪」


 パックリンとか言うな。可愛いのが逆にえぐい。


「殴れ殴れ殴れー裏切り者を鉈で殴り倒すのよーせっかく埋めた死体を、晒さないでほしかったのにー♪ だって賞味期限がきれたナマモノって――」


「か、カカ!」


「お、トメ兄。君の賞味期限は大丈夫かい?」


「なんのだ!? じゃなくて、なんだその歌は!」


「どうでもいいけどいまオトメ兄みたいに聞こえたね。オトメ、乙女……トメ兄が乙女。似合わな。賞味期限切れてるっぽいよね」


「やかまし! そんなことよりなんだ、その教育上不適切な歌は」


「世間で流行ってるやつ」


「うそつけ!」


「えー。賞味期限ヤバイの流行ってるじゃん」

 

 それは普通に社会問題だけどさぁ。


「あのなぁ、もっと普通の歌を聴きなさい」


「普通って何? そんな枠にはめるから人間小さくなるんだよ」


「何様だおまえは」


「お子様だけど」


 しばらくそんな感じでカカと言い合っていたけど。


 どうしても聞いてみろとうるさいので試しにその曲、鉈で殴ろう、を聞いてみると……意外といい曲だったので僕もダビングしてしまった。実はこの曲、そういった陰惨な運命から逃れようとする曲で、三番あたりの歌詞で救われるのだ。


 変な曲、と頭から決め付けるもんじゃないね。


 カカは変だけど。




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