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カカの天下  作者: ルシカ
274/917

カカの天下274「スーパーランニング」

「ほうほう、ここが」


 ざっ、と仁王立ちして新装開店したスーパーを見据える私の名はカカ!


「なんだかんだと引きずられてきたものの……何買うのよ、カカすけ」


「や、特に買いたいものはないんだけど」


 トメ兄は「なんでわざわざそんな遠いところに行かなきゃならんの。新装開店でも単なるスーパーだろ」とか言って、一緒にきてくれないんだもん。


 そんなこと言いつつニンジン安いとかあれば来るんだろうけどね。あいにくそんな広告はなかったみたい。残念。


 というわけで、サユカンを引き連れてきたわけです。サエちゃんは用事あるって言うし。


「とにかく、どんなもんか覗いてみようよ」


「まぁ、どうせ暇だからいいけどさ……」


「そんな渋々な顔して、実は誘われて嬉しいくせに」


「面倒なだけよっ、こんなの!」


「じゃー今度から誘わないよ」


「どうぞご勝手に!」


「りょーかい。ふむふむ……お菓子コーナーは面白いの、ないなぁ」


「確かにいいものないわね」


「お肉コーナー見ても面白くないし」


「普通よね」


「お刺身コーナーは。あ、イカおいしそう」


「でも結構高いわね……で、あの、本当にもう誘ってくれないの?」


 フィィィィッシュ!!


「やだなー! そんなわけないじゃんうりうりうり!」


「うあああぁぁそんなに頬をこすりつけるな摩擦で燃えたらどうするううう!!」


「私はもう萌えてるよーうりうりうり!」


「意味わからんわーっ!!」


 そんな感じできゃいきゃい騒いでいると……ふと目に留まった商品が。


 サユカンにうりうりするのをやめて、その商品を手に取る。


 サユカンも寄ってきてそれを見る。


 『とっても美味しい白湯スープ。30グラム入り』


「白湯……サユ、スープ」


「なんでこっちを見るのよっ」


 じり。


 じり、じり。


「サーユカン♪ スープ飲ませてー」


「どっから何を飲もうとしてるのよっ!!」


「30グラムでいいからさー!」


「どこから30グラム取るのよー!?」


 どどどどどどどどどどどどど!


 サユカンスープを求めて追っかけまわしていると……サユカンが足を止めた。


 そして手に取った商品は、『たっぷりカカオ入りチョコレート!』


「たっぷり、カカオ」


 じり。


「たっぷり、カカを!」


 じりじり。


「たっぷりよこしなさーいっ!!」


「何をか知らないけどたっぷりはヤだー!!」


 どどどどどどどどどどどどど!


 今度は追っかけまわされていると……ふと目に留まった看板を見て、私たちは足を止めた。


「サユカン、これ」


「ええ……」


 『食べまくり天下コーナー!』


「食べまくる、テンカ先生?」


「コーナーってことは……いっぱいいるわけ? 食べまくるテンカ先生が」


 わらわらと商品を食い荒らすテンカ先生×100が私とサユカンの脳裏に思い浮かぶ。


「ま、まさか、ねえ?」


「まっさかーっ」


「何してんだてめぇら、こんなところで」


 びくっ。


 おそるおそる、振り返ると、そこには……


「た、食べられるうううううううう!!」


「の、飲まれるううううううううう!!」


 どどどどどどどどどどどどど!!


「……え。なんで?」


 ぽつんと置いてかれたテンカ先生の呟いた声は聞こえなかった。


 恐るべし、スーパーマーケット!




「おかえりカカ、いらっしゃいサユカちゃん。新しいスーパーどうだった?」


「食べられる!」


「飲まれます!」


「……そりゃ確かに新しいスーパーだ。新種発見だな」


 みんなも商品化されないように気をつけよう。


 今日の子供はよく走りますね。

 寒いですからね、そんなときは走るに限ります。


 それはともかく、商品に自分の名前が入ってること、たまにありますよね。それがあだ名になったりすることも。今日はそんな一角を書いてみました。

 白湯缶、なんていうのがあればカンペキなんですけどねぇ。

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