表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
カカの天下  作者: ルシカ
258/917

カカの天下258「お見舞いに行こう!」

「ねーサエすけっ、ホントにいくのー?」


「当たり前だよー。せっかく日曜日なんだし」


 どうもこんにちは、サエです。


 今日は風邪をひいたカカちゃんのお見舞い品を探すため、サユカちゃんと商店街へと来ています。


「旅行のお話もしたいしー」


「そういえば写メに映ってた牛さ、すごいおっぱいだったわねっ……じゃなくて。風邪うつるからこなくていいってカカすけも言ってたし、別に行かなくてもいいんじゃない? カカすけのことだから明日には治ってるって」


「わかんないでしょー。風邪で死ぬ人もいるんだからね。お見舞い行かないままカカちゃんが死んじゃったらどうするのー?」


「そんな大げさな……」


「じゃーもし風邪ひいたのがトメお兄さんだったら?」


「そりゃ行くわよ」


「風邪うつるかもしれないのに?」


「どうぞいくらでもカモンよ」


「ちょっと気になったんだけどー……もしトメお兄さんが死んだら、サユカちゃんどうする?」


「トメさんを殺したヤツを殺して私も死ぬわっ」


「トメお兄さんが病気で死んだ場合は?」


「その病原体をこの世から消してから死ぬわっ」


 サユカちゃんの愛って世間に優しいなー。


「じゃー私やカカちゃんが死んだ場合は?」


「えっ、いや……別に?」


「何もしないのー?」


「しないわね」


「……そうなんだー」


 超がっくり……


「な、なによっ、そこまで落ち込まなくても」


「……そうなんだー」


「ちょ、ちょっとは悲しむかなっ」


「……そうなんだー」


「お線香あげるときに泣いたりしてっ」


「……そうなんだー」


「わ、わかったわよっ、ちゃんと号泣して名前叫んであげるわよっ」


「……そうなんだー」


「ああもうっ! そうね君らが死んだら悲しみのあまり、昨日のカカすけみたいにおかしくなるかもねっ!」


「……そうなんだー」


「そうそうっ、赤色を見たらカカすけ思い出して闘牛みたいに突っ込んでいったりっ! 黒色を見たらサエすけ思い出してブラックホールに吸い寄せられるみたいに突っ込んでいったりするかも――」


「あ、このゼリーおいしそー」


「聞けやっ!!」


「そんなに悲しんでくれるのー?」


「聞くなっ!!」


「どっち?」


「えっと、いやっ、だからっ!」


「答えてよー、ねーねー」


 超ニヤニヤ♪


「楽しいのっ!? わたしをおちょくるのがそんなに楽しいの!?」


 超うん♪


「絶対何もしてやらないんだからっ!」


「いつものジュースはこれだよねー」


「だから聞けやあっ!! あのねぇ――あ、カカすけ風邪ひいてるんだからこっちのビタミン豊富なジュースのほうがいいでしょ」


「あ、そだねー」


「あとね、うちは風邪ひいたときには決まってプリンを食べるのよ。だからゼリーよりプリン買いましょ。あと栄養ドリンクもさ」


「サユカちゃん、なんだかんだ言いつつお見舞いする気満々だねー」


「べ、べつに、知ってること言っただけよっ」


「トメお兄さんが風邪をひいたときとは全然違うお見舞いになるねー。あ、これサユカちゃんと仲良くなる前の話ね」


「むっ、そのときはどんなお見舞いだったの?」


「えっと、たしかー……枕元にレモンと食べかけのお弁当とお線香と、『ご愁傷様』っていうメモを」


「サエすけ……それ変」


「だよねー」


「そういうの変なのはカカすけにやるべきよっ。トメさんにそんなのダメ!」


「じゃレモンとお線香買う? ご愁傷様はどうしよー」


「本当にやらなくていいけどさっ!」




 サユカちゃんで遊びつつ適当なお見舞い品を買い込んで……いざカカちゃんの家にやってきた。


 ピンポンを鳴らしてしばらくすると、パジャマ姿のカカちゃんが顔を出す。


「おぉ、お見舞いだー。いいって言ったのに、ありがとっ」


「カカちゃん! 起きてて大丈夫なの?」


「うん、そこそこ調子は戻ってきたから。トメ兄は買い物中だし」


「トメさんいないのかぁ。じゃ帰ろっかなっ」


「と言いつつさっきまですごい熱心にカカちゃんのお見舞いをねー」


「違うっ! わたしは別に――」


「あれ、サユカン。そのバッグからはみ出てるのって」


「あー! サユカちゃん秘蔵のデンジャーケロリン人形だ!」


「あ、えっと……あはは、なんかもぐりこんでたみたいねっ、いけない子なんだからっ。仕方ないからカカすけに貸してあげるわっ」


「風邪でお布団にいることが多いカカちゃんが寂しいと思って持ってきたんだねー。なんだかんだ言って最初から来る気だったんじゃーん」


「違うわっ! これはケロたんが勝手に!」


「まま、とにかく中に入って。サエちゃんの旅行の話も聞きたいし」


「うんうん、何が聞きたいー?」


「写メに映ってた牛、おっぱいおっきいよね」


「なんで二人ともそこ見るかなー」


「ちょっとっ、聞きなさいってばケロたんは別にっ」


 そんな感じでわいわいと、お見舞いタイムがスタートです。


 ……あれ。


 このお話、なんか続くみたいだよー?


 はい、なにげに続きます。


 そして今日はサユカンDAYです。

 カカとサエちゃんだけ誕生日だったので、出番控えめだったサユカちゃんをいつもよりいじります。

 それだけです。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ