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カカの天下  作者: ルシカ
256/917

カカの天下256「愛は人をモーモーにします」

「サエちゃんがいなくてさみしー!!」


 会社から帰ってきて早々、妹にこんなことを言われたトメです。


「まだ旅行いってから一日しか経ってないだろが」


 あれだけ格好つけてお祝いをやり遂げても、やっぱお子様はお子様か。


「こんなに私を放ったらかしにして……浮気してやるんだから!」


「単身赴任の夫を持つ奥さんか、おまえは」


「や、どっちかというと私が夫じゃないかな」


 カカとサエちゃんなら……そんなイメージだな。


「そんなに寂しいなら電話でもすればいいだろ」


「その手があったか!!」


「気づかなかったんかい」


「恋はモーモーって言うでしょ」


「盲目ね」


「うるさいな。牛肉食べたいんだよ。モーモー」


 あいあい、わかりましたよ。そりゃモーおいしい牛肉あとで買ってきますよ。


「ん、モーモー違うって前にも注意されたような……いいや私の心はモーモーだし。って、あれ! サエちゃんから写メールきてるじゃん! 写真は……モーモーだ!」


「モーモーうるさいぞー、って本当にモーモーの写真だ」


 わかりやすく言うと牛の写真だ。おじさんかおばさんにでも撮ってもらったのか、サエちゃんとのツーショット写真だな、モーモー。


「二人で仲良く写真だなんて……私が浮気する前にサエちゃんに浮気された!」


「や、浮気も何も。相手は牛だよ?」


「このでっかいおっぱいが決め手なの!?」


「や、確かにでっかいけどさ。牛だよ?」


「それとも美味しそうだから!?」


「や、だからさ。牛だよ?」


「だから言ってるの。牛肉食べたい」


 ……そうですか。


「他の写真も、ほら見て!」


「おー、山猫とのツーショットだな」


「このドロボウ猫!」


「うまいこと言うね」   


「うぅ、いろんな浮気相手との写真が……」


「全部動物じゃん」


「人間だって動物だよ!」


 む、そりゃそうだけどさ。


「これ見て」


「お、サルがコスプレしてる。これは……警官の服か」


「このドロボウ警官!」


 どっちだよ。


「ううう……これは?」


「お、動物園シリーズ終わったな。これは……雷門と一緒に映ってるな。へぇ、行ってきたんだ」


「この横のおっさん達は?」


「雷神と風神の像だな」


「この人たちと浮気してたんだね!」


 おいおい。


「これが本当の電撃結婚!?」


 たしかに雷門だけどさ。


「この雷オヤジめ!」


 たしかに雷神さんはそれっぽいけどさ。


「この風オヤジめ!」


 単なる風邪ひいたオヤジみたいだぞ、それ。


「うううー……サエちゃーん」


 うーむ、カカはサエちゃん中毒だな。しばらく会わないと頭がおかしくなるようだ。麻薬みたいなもんか。


 麻薬な少女、サエ。


 ……なんか怖いキャッチフレーズができてしまった。妙に似合うし。


 とにかく、それは置いといて……麻薬が切れた人を鎮めるにはどうすればいいんだろう。


 麻薬じゃわかりにくいか。たばこに置き換えてみよう。たばこを吸いたくても吸えない人は……


 口に何かを入れる。


「……牛肉買ってくるわ」


「モーモー!!」


 カカはきっとお腹がすいてるから変になったんだ。狂ったようにモーモーうるさいし。これが本当の狂牛病か。食べる前に病気にさせるとは……やるな狂牛病。


 ともあれ、きっとお腹がいっぱいになればいつもの変なカカに戻るさ。


 ……あれ? なんかおかしいな。


 ま、いっか。


 なんか妙にモーモー率が高い話になりましたね。

 珍しくサエちゃんに会えなくなり、カカは随分と不安定に変ですね。まぁ寂しいだけでしょうけど(笑)

 サエちゃんは明日帰ってくるから、もうちょい我慢ねカカ!

 

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