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カカの天下  作者: ルシカ
240/917

カカの天下240「買い物一つで運命決まる」

「今日の夕飯はなーにっかな♪」


「何にしようかね」


 もうお腹がすいているのか、食べ物がたくさんある商店街を歩くカカは楽しそうです。


 そんな元気な妹とは反対に「お腹へった……だるい」と元気のない僕、トメです。


 夕飯の買い物にきた僕ら二人、カカはうきうき、僕はダラダラと商店街を散策します。


 そんなとき、ふとお魚屋さんの張り紙が目に留まりました。


「お、そろそろブリが旬だな」


「ぶりぶり?」


「続けて言うな」


 なんか下品だから。


「今日はブリでいいか?」


「いつでもブリッとするスタンバイはできてるよ」


「だからその表現やめれ」


 なんでかトイレが浮かぶじゃないか。


「すいませーん」


 たくさんブリが並んでるけど、僕は魚の選別なんかできない。だからいいのを選んでもらおうと、手近なお魚屋さんのおっちゃんに声をかけた。


「あいよっ、なんだいにーちゃん」


「えっと――」


「ブリッと一発ください!」


 僕の声を遮ってエライことを言ってくれるカカ。ええかげんにせぇへんとしばくで?


「えっ!? こ、ここでかい? いやぁ、大胆なお嬢ちゃんだなぁ……」


「ノらなくていいですから」


 なんで恥ずかしそうにお尻押さえてんだおっちゃん。


「はっはっは! いやな、似たようなことを言った子供がほかにも二人くらいいたもんで、ついなっ」


 豪快に笑うおっちゃん。


 まさかとは思うけどその二人、最近カカが感染したんじゃないかと疑われてる「サ」がつく二人じゃなかろうな……まさか、ねぇ。


「改めまして、おっちゃん。いいブリくださいな」


「おっちゃん、いいのブリブリしてくださいな」


「カカ、おまえもう黙れ」


「いいじゃねぇかよ! 冗談の一つくらいよ。人が悪いなー、にーちゃん」


「悪いのはこの妹の性格です」


「違うよ、トメ兄の育て方が悪いんだよ」


「んだとぅ」


 そんなこと言われたらちょっと本気で凹むだろうが!


「まぁまぁお二方。このブリに免じて仲直りしねぇか?」


 む、綺麗な切り身。おいしそうだ。


「照り焼きにでもして食いなよ!」


「照り焼き……ちょっと時間かかるんだよなぁ」


「てりてり!」


「蒲焼でもいけるぜぃ!」


「ほー、ブリの蒲焼はしたことないな」


「かばかば! ん、ばやばやのほうがいいかな?」


「じゃ、それをもらおうかな」


「毎度!」


「まいまい!」


 いちいちブリブリみたいに繰り返すカカ。子供かおまえは。


 ……あ、そうか。絶賛子供中だった。


「お」


 切り身を包んでいた魚屋のおっちゃんが、何を思ったのか店頭に並ぶパックを一つ手に取った。お魚屋さんで一旦作ったブリの照り焼きだ。


 そしてそれをカカにも見せるようにして、言った。


「もし照り焼きが食べたかったらよ! これをチンするだけってのもありだぜ!」


「ちんち――」


「やめんか二人とも!!」


 悪ノリする二人に思わずツッコンでしまった。


「おもしろかったからこれおまけなっ!」


 楽しそうに笑いながら、切り身と一緒にブリの照り焼きを袋にいれてくれるおっちゃん。カカもたまには役に立つ。


「じゃーね、ブリブリおじさん!!」


「ぶっ!? あの、お嬢ちゃん? さすがにそのあだ名は――」


 無駄にでっかい声で叫びながら手をふるカカに、さすがのおっちゃんも大慌てだ。


 すまないおっちゃん。あんたはこれからずっとブリブリおじさんだ。 


「――あらカカちゃん。今日はうちで買っていってくれないの?」


 そう、先日レモンを買ったときに名付けられた、この果物屋のおねーさんのように……


「あ、どうもモンモンおねーさん」


「ね、ねぇカカちゃん。いい加減そのあだ名はやめてくれないかしら?」


「や」


 商店街に妙なあだ名が増えていく……


 ま、いいや。僕のせいじゃないし。


 今回はちょーっと下品な話でしたが^^;

 昨日、ブリを食べたんで書いてみました(笑)

 これ読んでブリ食べる気を失くす人出たら……お魚屋さんごめんなさい!!

 ごめんなさいブリブリおじさん!!


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