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カカの天下  作者: ルシカ
235/917

カカの天下235「道徳の授業、野望への道」

「おし、道徳の時間だ。つまり道だ。というわけで、てめーらには将来への道、つまりは夢でも語ってもらおう」


 いきなりだなぁテンカ先生。


 唐突な課題にクラスメイトと一緒にブーイング中のカカです。


「ここで私から一つだけ言わせてもらおう」


 うぉ、どこからともなくデストロイヤー教頭登場。


 何を破壊してくのかな。


「少年少女よ、できる限り大志を抱け。大人になれば、どうせそのような夢など破壊されるのだから!」


「ま、現実知る前に大きい夢見とけってことだな」


 あの……子供の夢をデストロイしてどうするんスか先生方。


 なんかムカつくなぁ。


「では、私はこれで失礼する」


 うーん、デストロイヤーとか言われてるけど父兄の方々には「大変な人格者だ」って評判なんだけどなぁ。「大変な人格の人」って意味なのかなぁ。


「じゃ、とりあえず誰でもいいから発表してみ」


「はいっ」


 お。私みたいにムカついたのか、ニシカワ君が真っ先に手を上げた。


「僕の夢は、家の西に川をつくって本物の西川になることです!」


 地味にでっけー。


「でもよ、西に革でも埋めれば手っ取り早く西革になれるぞ」


「それはニセモノです」


「残念だ」


 なんでさ。


「じゃ次……アヤ」


「来月あたりにデビューすることです」


 さすがクラス一歌がうまいだけはある……けどこれまたでっかいなぁ。来月デスカ。


「じゃ次……えっと、出席番号38番」


 まだ全員の名前覚えてないのかこの先生。


「カレーは世界を救う」


「それだけ?」


「はい」


「……そ、そうか」


 おぉ、珍しくテンカ先生が反応に困ってる。


 ……発言したのが誰なのか、説明するまでもないよね?


「じゃー今度は、サエ」


「先生、私は手を上げてませんよー?」


「や、でもおまえの夢って気になるから」


「私の夢はですねー、お嫁さんです」


「私がもら――!」


「どした、カカ」


「あ、や……なんでも」


 つい取り乱しちゃった。


「まぁいいや。それでサエ。なんだその普通の答えは」


 普通なのが悪いみたいな言い方だなぁ。


「あははー、じゃー世界征服で」


 すんごい方向転換だ。


「私の王国作るのー」


「サエの王国ってぇとあれか、民が全員サエと同じようにニコニコして」


「全員サエちゃんと同じように黒いことするんですね」


「オセロみたいな国だな。表は白くて裏は黒……こえぇ」


 苦笑いするテンカ先生にニッコリと微笑むサエちゃん。裏で何を考えてるかわからない……そこにしびれる憧れる。


「じゃ次はカカに期待しようか」


「期待とか言わないでください」


 しぶしぶ私は立ち上がる。


「私の夢は、私の野望を全部叶えることです」


「……だから、その野望がなんなのか聞いてんだよ」


「野望は野望です。私が生きていく中で思いついたこと全部を叶えることが私の夢です」


「ちなみに今思いつく野望は?」


「巨大化したい」


「……カカの野望が一番でっけぇな」


 その後もテンカ先生は他のクラスメイトの夢を聞いていった。


 そして最後に。


 どうせ叶わないからな、と念を押して授業を終えた。




「――って言ってたんだよ、どうせ夢なんか叶わないって! 先生のセリフじゃないよね!」


「たしかにそんなこと言う先生、他にいないだろうな」


「だから皆ムカついてさ、意地でも夢を叶えてやろうって燃えてるの」


「あぁ、それが狙いじゃないのか?」


「……あ」


 やるな先生。


 まぁ何はともあれ、とりあえずは巨大化だ!


 ……どうやって?


「トメ兄、大きくなるにはどうすればいい?」


「牛乳でも飲めばいいんじゃないの」


「そっか」


 野望叶えるのって結構地味だな。

 夢、大事ですよね。

 いくら難しい夢であっても、一度想ったことがあるなら心のどこかに留めておきたいものです。そうして何かしら諦めずにやっていれば、いつか形にできるかもしれませんしね。人生そこそこ長いですし。

 さすがにサエちゃん王国創設は無理がありそうですけど、サエちゃん町くらいならなんとかできるかもしれませんし(やっぱ無茶?

 このカカ天も何か形になればいいなぁ、なんて思いつつ毎日書いてます(笑)

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