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カカの天下  作者: ルシカ
221/917

カカの天下221「ピーチクパーチク雛鳥みたいに」

「ただいまー」


「おかえりー、いってきまーす」


「あれ」


 うぅ、僕が帰ってきた早々に家を出て行こうとする妹の姿に寂しさを覚えてしまったトメです。


「出かけるのか」


「うん、今日はサエちゃんちで――」


「皆で食べようと思って甘栗買ってきたのに」


「――遊ぼうかと思ったけど予定変更」


 Uターンしてテッテッテとこちらに近寄ってくるカカ。


 はいはいちゃんとあげるからそんな物ほしそうな目をしないの……可愛いじゃないかコイツ。


 やっぱ子供は食べ物で釣るに限る。


「じゃさっそく用意しよう」


「あ、サエちゃんたちにメールする」


 カカが携帯をピポパポやっている間に僕は居間へと移動。


 甘栗、皮をむいた栗用の皿、むいた皮用の皿という三種の神器をそろえて準備万端! 


「すぐ来るってー」


「ん、じゃ皆来てから食べようか」


「トメ兄、すぐ来るんだよ」


「……はいはい、わかったわかったたくさんあるから先に食べてればいいんだよな。だからそんなモノスゴイ目で見るな」


 アニメだったらでっかい星がキラキラぽんぽん目からでてる勢いだ。


「トメ兄、皮むいて」


「はいはい」


 自分でむけよと言いたいところを、あえてむいてやる僕は本当にいいお兄ちゃんだと思う。思うよな? 誰か思うべし。


「むけたぞ」


「おー、生まれた」


「ヤな表現すんな」


「生まれたての赤ん坊はやわらかくておいしそう」


「どこの鬼だおまえは」


「最近の鬼ごっこはね、こおり鬼がブーム――」


「ん」


 なぜか得意げに語ろうとするカカの鼻先にむいた甘栗をもっていくと、カカは無言で口を開けた。


 ぽい、とその口に甘栗を放りこんでやると、カカは幸せそうにそれを噛み締めた。


「んふー♪」


 赤ん坊は格別の味だとか言い出すかと思ったけど、思いのほか普通の反応だ。そんなにおいしかったのかな。むきむき。


「ほれ」


「あーん」


 ぽい。


「むぐむぐ……んふー♪」


「こんにちは、おじゃましまーす。あ、いいなー」


 サエちゃん登場、したと思ったらテッテケテと僕に寄ってきた。


「あーんー」


 おまえもかい。


「ほれ」


 ぽいっとな。ぱくっとな。


「んー♪」


 何か食べてるときのサエちゃんって本当幸せそうだよなぁ……その表情がなんとも可愛くてコノヤロウって思ってしまう。


「こんにちはっ、あー! い、いいなっ」


 サユカちゃん登場、はいはいこっちきな。


 以下省略。ぽいぱく。


(こ、これって指間接キッスだよねっ!?)


(サユカン、何が嬉しいかよくわからない言葉作ったね)


(指を舐めるのと同じだし、けっこう刺激的なんじゃないかなー)


(さ、サエちゃん大人)


 何をぼそぼそ喋ってるんだろ。むきむき。


 さて、僕も食べるかな。


 ん?


「「「あーん」」」


 ……食べれん。


 でも、まぁ、これはこれで。


 ぽい。


 ぱくっ。


 次はどの子に食べさせようかなー。ちょっと楽しい。


 ……ひょっとして僕って幸せ者なんじゃないだろうか。


 栗を食べれないのは残念だけど。


 ほんと残念だけど!


 ぽい。


 ぱくっ。


「んー♪」


 ま、いいや。


 なんとなくのんびりした話になった……と思います、多分(笑)

 栗食べてるだけですしね。

 なんとなく書いてて和みました。


 トメがうらやましいです。

 ……ほんとに。

 なんかトメだけずるいな。近々こらしめてやろうかな(ぉぃ

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