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カカの天下  作者: ルシカ
202/917

カカの天下202「カカと言葉、レベル3」

「私達って何族なんだろう……」


 あいかわらずいきなりワケのワカランことを言う妹だ。


 トメです。夕飯時です。居間で食べながらテレビ見てます。


「ほら、テレビにうつってるじゃん。ラーメン族って」


「……あぁ」


「じゃ、私達って何族?」


「何族ってそりゃ……何族かな」


 日本人か、いや『何族』って聞いてるからこれじゃないし……


「や、そもそも何族とかに分類されないんじゃないかな、僕らは」


「えー、分類してよ」


 んなこと言われてもなぁ。


「そもそもどんな部族が世の中にあるのか知らないし」


「えっと、例えば……裸族とか」


「たまーに近所で捕まるな」


 ヘンタイ族とも呼ぶが。


「あと……海賊?」


「そんなに悪じゃないぞ僕らは」


「姉は?」


「どっちかと言うと山賊に近くないか? イメージが」


 我ながらいい例えだ。


「じゃ、貴族」


「そんなにお金もってないしなぁ」


「お金持ちといえばサカイさん」


「あれはオタク族とか引きこもり族って呼ぶんだ」


 密かに吸血鬼族の疑いもかかっている。


「じゃあじゃあ、金属!」


 もう族じゃないし。


「金属ほどかたくないだろ、僕ら」


「トメ兄は頭固いとおもうよ」


「やかましい。おまえが柔らかすぎるんだ」


 発想が柔軟すぎるから変なこと思いつくんだ。良いことなのやら悪いことなのやら。


「けいぞくは力なり」


「それ単なるスローガン」


 『ぞく』ってつけばなんでもいいんか。


「ゾクゾク!!」


「何を震えてるんだカカ」


「寒いときの効果音」


 さいですか。


「あとは、あとは、んーっと……あ、家族は!?」


「おー、それでいいじゃん」


 やっと会話の主旨が戻った。


「やー、自分でもなかなかうまいこと言ったなぁと」


「いつもは発想が暴走しまくって終わるのに、綺麗にまとまったな」


「そっか。私達は暴走族だ!」


 ……あぁ、ほんとその通りですよ。


「はいはい、カカは暴走ばっか。暴走族ってことで決定! 満足したか?」


「うん、満族」


「字が違う」


「なんでわかったの?」


「勘だ」


 僕らって不毛な会話ばっかしてるよな……暇つぶしにはなるけどさ。


「趣味が妹との会話なんだし、仕方ないよ」


「だから心の呟きに返答すんなっての。誰に似たんだ」


「忍者のお父さんじゃない?」


「……なるほど」


 ここ数年、カカに姿見せてないんだけどなぁ。親はなくとも子は育ち、似るものなのか。


「おりゃー、暴走」


「すんな!」


 や、姉のほうが似てるなこいつは。


 レベル三、と書いた割にレベルが下がっている気がするのはなぜでしょう。

 ……あ、難しい言葉使ってないからか^^;


 まぁ、細かいことはキニシナイ方向で(笑

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