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カカの天下  作者: ルシカ
195/917

カカの天下195「元気の出る食べ物は?」

「ただいまー」


 どうも、トメです。


 仕事から帰ってきたのですが……ハテ。


 カカは先に帰ってきてるはずなのに返事がありません。ただのしかばねにでもなってるんでしょうか。


「おーい、ただいまー?」


 言いながら居間を覗くと、そこには……


「疲れたよ……パトラッシュ」


 なんかしかばねになりたそうにグッタリしてる妹の姿が。隣には不法侵入常習犯の猫が丸まっている。


「とりあえずカカ、おまえが話しかけてるのは総理大臣だぞ」


 昔あった「パトラッシュ、もう疲れたよ」のセリフが超有名な某アニメのお犬様じゃないぞ。


「じゃー……疲れたよ……パトラッシュ総理大臣」


 ハーフですかその猫。


「で、なにがそんなに疲れたんだ? 大人数とケンカでもしたのか?」


「そんな三分で終わることで疲れるわけないでしょー」


 三分ですか。カップラーメンですか。


 そういやしばらく食べてないなぁカップラーメン。


「久々に授業聞いてたらさー、なんか疲れて疲れて……パトラッシュになっちゃうよ」


「おまえがなるのか」


「私、これからパトラッシュカカねー」


「略してパカか」


「……それはやめて」


「んじゃカカラッシュ」


「……そんな必殺技っぽい呼び方もちょっと」


 わがままな。


 そういえば夏の初めもこんなダルダルだったなこいつ。涼しくなってきたところで夏バテでもきたのかな。


「じゃ、今日は栄養のあるもの食べて元気だすか!」


「なに食べるの?」


「栄養があると言えば……」


「すっぽんのぢ」


 ぢ……ぢ!?


「や、血だろうが。ぢを食べるってなんなのさ」


 お尻が病気なすっぽん探して食べるんか。めんど!


「じゃ、イモリのグロ焼き」


「黒焼きだろ! グロ焼きってなんぞや!」


 グロイ焼き方……想像したくない……


「最近さ、濁点をつけるのがマイブームなの」


 変なブームだ。多分今日だけのブームだな。


 しかし、濁点をつけても変な意味にならない、なおかつ栄養のあるものと言ったら……あ、そうだ。


「マムシ酒はどうだ! 精力ばっちりつくぞ」


「小学生に何飲ます気さ」


 ……それもそっか。


「まぁマムシ酒はもちろん、今並べたのはちょっと子供には刺激が強すぎるから却下だな」


「刺激が強いって?」


「元気になりすぎるってこと」


「空が飛べるくらい?」


「あー、そうだなー。飛べるかもなー」


 僕は超適当に答えた。でもカカはマジメに捉えたらしく、ガバッと身を起こして目を輝かせた。


「飲む! すっぽんっぽんの血とかどこに売ってるの!?」


「変質者の血か? それなら夜に散歩すれば適当に見つかるんじゃ」


「違ったすっぽんの血!」


 ……いま考えてみると、すっぽんって高いんだよな、たしか。


「よし元気になったな。じゃこの話はなかったことに」


「元気ない! すごく元気でない! だからすっぽんの血!」


 そんな威勢よく言われても。


 ……あ。


「ちょっと心当たりあるかも」


「ほんと!?」


「ああ。今度聞いてみるから今日のところは普通のお肉で我慢しな。ちょっといい肉買ってきてやるから」


「むぅ……うん。約束だよ? やぶったらトメ兄の血を吸うからね」


「吸血鬼かおまえは」




 ……そう、心当たりとは他でもない。


 この間「この人、吸血鬼か?」と思ってしまった人のことだ。


 冗談で思いついたんだけど、もともとお金持ちな家だしすっぽんみたいな高級品があってもおかしくないだろう。そう思って聞いてみると……


「ありますよー」


「……マジであるんすか」


「じゃー今度おすそ分けしますねー、すっぽん」


 本当に吸血鬼じゃないですよね、サカイさん?


 近々、すっぽんぽん編をやります。

 違った、すっぽん編だ。

 なんだスッポンポン編って。


 失礼しました^^;

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