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カカの天下  作者: ルシカ
187/917

カカの天下187「ドリルずるずる」

 どうも、トメです。


「おーい、夕飯だぞ」


 今日も夕飯の用意はばっちし。


 僕の言いつけ通りに夏休みの宿題の計算ドリルをマジメにしているであろうカカの部屋の扉を開けます。


 するとそこには……机に突っ伏している妹の姿が。


「カカ、なにしてんの」


「うー」


「ドリルはどうした?」


「工事現場に置いてきた」


 それドリル違いだから。


「カカ、もしかして全然進んでないのか?」


「このドリルが悪いんだよ。不良品だよ。だってさ、ドリルのくせに進まないんだよ? 工事のドリルはガンガン進むのに」


 うまいこと言うな。


「とりあえず頑張ったのは認めよう」


「ありがたき幸せ……」


「ひとまず休憩しろ。夕飯食べるぞ」


「申しつかまつった……」


「なにその妙な日本語」


「計算に疲れたから日本語重視モードになったの」


 それどっちかというと時代劇モードだぞ。


 そんなやりとりをしながらカカの部屋を出て居間へと移動。カカはちょこんとテーブルにつき、僕は用意した夕飯を台所から運ぶ。


「今日の夕飯なに?」


「そーめん」


「またぁ?」


「しょうがないだろ、サカイさんがお裾分けでくれたのがいっぱいあるんだから」


「秋田県!」


「なんだ突然」


「あきたってこと」


「……あぁ、さいですか」


「そーめんって秋田県の名産だったのかぁ」


「勝手に他県の名産決めるな」


 秋田県さまに失礼だろうが。


 秋田県さまって誰だよ。自分で言っておいてなんだが。


「はぁ……仕方ない。じゃあ今日も秋田県を食べようか」


 でけぇ食事だな。


「「いただきます」」


 二人して合掌。


 すぐにズルズルという音が居間を支配する。ある意味この音も夏の風物詩だよなぁ。


「むぐんぐ……で、カカ。宿題はどれくらい終わった?」


「むぐんぐ……あとね、計算ドリルと絵日記だけ」


「へぇ、結構終わってるじゃないか」


「この二つが強敵なんだよ! だってドリルだよ? ドリルにぶつかって勝てるわけないじゃん」


 そりゃ機械のドリルにぶつかれば誰だって負けるだろうが。


「お姉じゃあるまいし」


 勝てるんか姉。


「だからさ、トメ兄がやってよ」


「なぜに僕が小学生の計算なんぞをやらねばならんのか」


「ふくしゅーが大事って先生も言ってたよー」


「復習にもほどあるだろ……僕もう大人だぞ」


「そんなの関係ないの。私は最近そーめんばっか食べさせられてトメ兄を恨んでるの」


 ん、なんか話が飛んだな。どう繋がってるんだ?


「どういう意味だ?」


「だから、ふくしゅーが大事なんだってば」


「……もしかして、恨みをはらす復讐のことか?」


「そう、復讐が大事。私はそーめんでトメ兄を恨んでる。ずるずる」


「わかりにくいわ」


 しかも恨んでるとか言いつつしっかり食べてるし。


 最近のカカは難しいなぁ。


「とにかく、宿題はちゃんと自分でやれ」


「はーい、ずるずる」


 ずるずる。


 宿題モードでカカはだるだるゆるゆる状態です。

 でもなんだかんだ言いつつきちんと宿題するカカは偉いですね。

 

 まぁ、トメ兄のしつけの賜物でしょうけど(笑)

 姉とか絶対に夏休み中にやらないタイプでしょうしね。

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