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カカの天下  作者: ルシカ
184/917

カカの天下184「敵は多い、がんばれタケダ」

 久しぶりだな、タケダだ!


 え、忘れたって? 失敬だな君は!


 失敬だな!


 ほんと失敬だな!


 ……もう忘れないでね?


 カカ君の恋人――ぐほぁ!!

 

 い、いま……四方八方から石が飛んできたのはなんなんだ……うぅ、嘘ついてスイマセン、カカ君と恋人になりたいと思ってる男、タケダです……


 今は夏休み! 小学生にとって様々な思い出を作る絶好のチャンス期間なのだ!


 しかし……しかし! 俺はカカ君たちとそんなに親しくない!


 だから幾度となくあったであろうイベントにも全く参加させてもらえないのだ!


 笑いたければ笑え!


「あはは!」


「ばっかみてー!」


「ホントに笑うなああああああ!!」


 男心は複雑なのだ!


「む? なんだ貴様ら、はるか以前に登場した俺の部下AとBではないか」


 かなーり前のことだが、カカ君に近づこうと家に押しかけたときに一緒についてきた男子たちだ。そのときはカカ君のお姉さんに腕立ていじめをくらって逃げ出したのだが……


「あ、あのさ……いいかげん俺らの名前を」


「トメさんがそう呼んでたんだ。カカ君の家族の言葉に俺が逆らうわけにはいかん。言いなりだ」


「堂々と情けないこと言うね……」


「で、前のサッカーのときに久々にいくつかセリフもらっただけのチョイ役が俺になんの用だ」


「……いろいろとツッコミをいれたいところではありますが、まぁいいです」


「タケダさ、カカちゃんたちと仲良くなりたいんだよな」


「まぁ、そうだが」


 恥ずかしそうにもじもじする部下AとB。キモい。


「だったらさ、またぶつかってみないか?」


「ぶつかる? 登校中にぶつかって肘でもくらわすのか」


「そんなアホなことしませんよタケダ君。単純に話しかけるんです」


「あっちは三人、こっちも三人。グループ付き合いにはちょうどいいだろ?」


 ふむぅ……なるほど。今までだと俺対カカサエサユカ、一対三だったからなぁ。


 ああ、ちなみに言葉使いが荒いほうが部下Aで丁寧なほうがBだ。どうでもいいが。


「しかし、カカ君は俺のものだぞ?」


「おぅ、カカはタケダに譲る。俺はサユカちゃんをいただく」


「ぼ、僕はサエちゃんを……」


 おぉ、本当に三対三になった! というかカカ君から乗り換えたのかコイツら……ライバルが減るのはいいんだが……


「これってあれですよね、合コンって言うんですよね」


「む? 何の略だそれは」


「ゴーゴー根性、とかじゃないか?」


 GoGo根性! 略してGo根か。なるほど。いい言葉だ。


「さぁ、三人でぶつかってみようじゃないか! ゴーゴー根性!」


「が、がんばろう! ごーごー」


「そうだな……やってみるか! 最近名前を呼んでもらえるほど親しくなったんだし、世界は俺を中心に動いていると言っても過言ではない!」


「それ、あんま親しくなった感じしないなぁ」


「なんだと! カカ君が人の名前を呼ぶなんてスゴイことじゃないか!」


「確かになぁ」


「ボクなんか呼ばれたことないし」


「俺なんか視界に入ったことも……」


 ……ん?


「何度も名前言ったのに……『あんた』で片付けられるんだよなぁ」


「あー、それ俺も俺も」


「だよなぁ、名前覚えてもらえるだけで羨ましいよ」


「ほんとだよ……あーうらやまし」


「コノヤロウ……」


 ……あれ? なんか増えてません?


 なんか、部下がAからZを越えてません?


 わかりやすく言おう。


 俺はいつのまにか、うちの小学校の男子に囲まれていた。


「な、なんだ君らは!?」


「カカちゃんファンクラブだ!!」


「……ぇえ!?」


 いつのまにそんなものが……俺もいれろ!


「そしてタケダ! おまえはカカちゃんに近づく最要注意人物だ!」


 ……ぇ? 要注意? 近づくって……名前を覚えられただけで!?


 カカ君はそんなにビッグだったのか!


 さすがだ!


 惚れ直した!!


「だから俺たちはおまえ、いやおまえたちに釘を刺しにきた……余計なことをするな! さもなくばこの釘で刺す!」


 ホントに刺すのかよ!?


「し、しかしなぜ俺たちの作戦が漏れたんだ」


「それはなタケダ、おまえは常に見張られているからだ!」


 うそぉ!?


 もしかして、さっきどこからか飛んできた石もこいつらか……


「まさか貴様ら、そうやってカカ君も監視したり」


「そんなことはしない! 犯罪だろうが!」


「え……俺を監視するのはいいのか」


「それは合法だ!」


 どこの法だ!?


「いいか、おまえはいつも見張られている。そのことを忘れるな、ではさらばだ」


 そう言って去っていくファンクラブのリーダーっぽい人とその取り巻き。


 それを呆然と見送りながら、俺は呟いた。


「カカ君……君はほんと遠い人なんだなぁ」


「が、がんばりましょうタケダ君!」


「そ、そうだ! なんか偉そうに人数集めてたけど所詮は小学生の集まりだ!」


 俺らもなー。


 いや、それでも頑張るぞ!


 学校が始まってからな!


 今ヘタに動くと釘で刺されそうだし……


 恐ろしいことに気がつきました。

 この話には……女の子が出てない!!!

 つまらないですね(ぉぃ


 今度から気をつけます。

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