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カカの天下  作者: ルシカ
162/917

カカの天下162「土用のうなぎは進化する」

「ただいまー、買い物いくぞカカ」


「ん」


 トコトコと寄ってくるカカを待ち、出発トメです。


 夏休みで暇を持て余しているカカは、最近よく買い物に一緒についてくる。


「知ってるか、カカ。今日は土用の丑だぞ」


「ん、なんだっけそれ」


「とあるモノを食べて夏バテにそなえようって日だ。さて問題です、何を食べるでしょうか?」


「土曜日生まれの牛?」


 難しい注文するなぁ。


「違う違う、うなぎだよ」


 土用の丑にうなぎを食べる。その由来は江戸時代あたりのこと、売れなくて困ってるうなぎ屋さんが『本日、土用の丑の日』と看板を出したら売れまくった、というところから来ているらしい。つまり元は商売根性から始まった説なわけだ。実際に栄養豊富だろうから別にいいんだろうけど。


 そんなウンチクを語っているうちにスーパーに到着。


 やはり目に付くのはうなぎ。うなぎオニギリやうな丼など、これでもかーというくらいに並べられている。


「うなぎのぼりって言葉があるね」


 いきなりなんだコイツは。


「あるけど、それが?」


「こいのぼりって言葉もあるね」


「……あるけど」


「こいは滝をのぼったら龍になるんだったよね。じゃ、うなぎは何になるの?」


 また奇抜な質問を。カカの頭は一体どうなってるんだろうか。おもしろいなぁ。


「うなぎ、か……うなぎ……にょろにょろ……うーん」


「あ、わかった」


「へ?」


 カカを見ると、我が妹はスーパーの一角に目を留めていた。


 そこにある商品は、うなぎの蒲焼。


「かばやき……うなぎはカバになるんだね!」


「壮絶な進化を遂げたな、おい」


「つまり……おたまじゃくし→どじょう→うなぎ→カバって感じに育つわけだ、うなぎは」


「それはいくらなんでも壮絶すぎるぞ」


 たしかに見た目は似てるけどさ、カバ以外は。


 と、そこでいきなり肩を叩かれた。


 振り返ってみると、なんとそこにはカカの担任、テンカ先生が買い物カゴを持って立っていた。


「お、テンカせんせ」


「よっ、トメカカ」


「テンカ先生もカバ食べるんですか?」


 カカの脈絡のない質問に、テンカ先生は小首を傾げる。


「何を言いたいのかよくわからんが、カバはともかくバカは大好物だぞ」


 うまいこと言うなこの人も。


「ほら、うなぎの蒲焼」


「あぁなるほど。それでカバか。相変わらずだなカカ」


「いや、それほどでも」


「ほめられてないぞ」


「ほめてるんだが?」


 さいですか。


「ところでよ、トメ。いつ飲みにいく?」


「あー、そうだね。今週末の休みはカカたちを海に連れてかなきゃなんないし……来週かな」


「わかった。また連絡する。じゃオレはオレで買い物するから、またな」


「おー」


 ひらひら手をふってテンカ先生を見送る。


 くいくい、と引かれるシャツのすそ。


「ね、トメ兄。テンカ先生と仲いいね」


「ん、まぁな。話やすいし」


「……対策を練らねば。サユカンのためにも」


「……? カカ、どした」


「なんでもない。いいから早くカバ焼き買お」


「そんなものは売ってないがな」


「んじゃバカ焼きでいいよ」


「バカ、か。じゃカカを焼けばいいのか」


「それじゃカカ焼きだよ。じゃなくて誰がバカだ!?」


「テストで算数が30点だったどっかの誰かさん」


「……さて、カバ焼きはどこかなっと」


「逃げたな、バカ」


「バカって言うな!」


「じゃバカカ」


「つなげるな!!」


 そんなこんなでうなぎの蒲焼を買って帰り、おいしくいただきましたとさ。


 この夏も頑張ってのりきりましょー!


 本当は昨日とかに載せたかったんだけど……スイカ割り大会が続いてたので遅れて載せました土用の丑。

 ちゃんと昨日は流行にのって(?)うなぎ食べました。

 皆さんも夏バテしないように頑張りましょー^^

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