表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
カカの天下  作者: ルシカ
156/917

カカの天下156「サユカの任務、買い物編」

 こんにちは、サユカですっ!


 前回の続きなのですが、いま……いま、なんと、わたしの愛しい人、トメさんとデート中なのです!


 ただ単に買い物に来てるだけだけど!


 場所は近所のスーパーだけど!


 二人でお出かけです。デートなのです!


「サユカちゃん、大丈夫? プールの疲れ残ってるだろ?」


「いいえ、大丈夫です!」


「そう? でもなんか鼻息荒いよ?」


「そ、そんなことないですよ! ほほほら、わたし牛肉好きですもん! だから牛みたいに鼻息荒くなるんですよ!」


 うああああ何言ってるのわたし!? 鼻息荒いとか女の子としてそれってどうよどうなのよ!!


「い、今のは忘れてください! 一次の気の迷い大戦ですからっ!」


「第二次があるのか?」


「あるかもしれませんが阻止したい次第です!」


「そ、そうか……がんばれ」


「は、はい……」


 ああ、まずいわ。緊張で頭がおかしくなりそう……トメさんはどう思ってるのかな?


 ちらりと横目でトメさんの顔を見る。


 ……なんか難しい顔してる。わたし、やっぱり変な子だと思われてるのかな。


「……サユカちゃん」


「は、はい!」


「この100円のたまごと200円のたまご、どう違うんだろうね」


「……は」


「買うときいっつも迷うんだよなぁ……たまごのくせに100円も差があるなんて生意気だよな」


「そ、そうですね」


 たまご見て難しい顔してたのかぁ……よかった。なんか言ってることがお母さんみたいだけど。そこも好き。


 ……さて、そろそろカカすけたちと立てた作戦を実行するべきか。


 わたしは二人に渡された紙をポケットから取り出して、トメさんに見えないように開いた。


 まずは……カカすけの作戦からだっ!


 紙にはこう書かれていた。


『水着コーナーに行って選んでもらっちゃえ。試着して悩殺だっ!』


 なるほど! 


 そうと決まれば早速、トメさんをうまく誘導して水着を売ってるところへ!


 水着を売ってるところへ……


 スーパーに水着なんか売ってないよ!!!


「あれ、どしたのサユカちゃん。なんかガッカリした顔して」


「え、あ、あはは。ちょっと急にカカすけのこと思い出しまして」


「あー、わかる」


 なんかすごい納得されてしまった。まぁいいや。


 この作戦は却下。次の作戦に移る!


 わたしはトメさんに見えないように、サエすけからもらった紙を開いた。


 紙にはこう書かれていた。


『手を握れ。腕を組め。そして抱きついて……いやん♪』


 なるほど!


 そうと決まれば早速、トメさんの手をロックオンしてファイヤー!


 ファイヤー…… 


 できるかああああああ!!!


 そんな簡単にそれができれば苦労しないわよっ、ていうか『いやん♪』ってなによ!


 いやん!!


「あれ、どしたのサユカちゃん。なんか赤くなったり青くなったり信号機みたいな顔して」


「え、あ、あはは。ちょっとサエすけのこと思い出しまして」


「あー……いろいろあるんだろうな、やっぱ」


 なんかものすんごく納得されてしまった。どうでもいいけど黄色の顔にはなってなかったみたいね。あ、黄色って普通のときか、まぁいいや。


 それにしても……うぅ、全然うまくいかない……やっぱダメだなぁわたし。


「カカたちはいろいろ注文してたけど、サユカちゃんは何がいい? 買ってあげるよ」


「え、いいんですかっ」


「うん、安いものなら」


「じゃ、ようかんを」


 あ、つい正直に言っちゃった!


 こんな子供っぽくない可愛くないものを……トメさん、呆れてるだろうなぁ、はぁ……


「お、いいねようかん。僕も好きなんだよ、和風なのが」


「ほ、ほんとですかっ!?」


 やったぁ! さすが年寄りくさいトメさん!!


「わたしも和風なの好きなんです、趣味あいますねっ」


「んじゃ今度一緒に緑茶すすりに行こうか」


「は、はいっ!」


 ぃやったぁ♪ 一緒にお茶の約束しちゃった!


 緑茶すすりに、っていうのが少し気になるけど、お茶はお茶だよね、うん♪ 

 

 今日はついてきてよかった! 協力ありがとうカカすけサエすけ!


 ……あれ、あの二人なにか役にたったっけ。


 二人して緑茶をずずっと……トメとサユカはいいジジババコンビになりそうです。

 でもなにげにカカもせんべいとか好きで和風よりなんですよね。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ