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カカの天下  作者: ルシカ
147/917

カカの天下147「ハンカチ合戦」

「今日はどこかよってくー?」


「わたしは特に用事はないけど」


「あ、私は商店街よりたい」


 よってけよってけカカです。


 今日も今日とてサエちゃんとサユカンと学校帰りの私です。仲良きことはかしましきかな。あれ、なんか違ったっけ。


「カカすけ、何か買いたいもんでもあるの?」


「うん、ハンカチ買いたいの。昨日、ダメにしちゃったから」


「カカちゃんのことだから、間違って食べちゃったんでしょー」


「あはは、カカすけらしいバカだねっ」


「食べたのはトメ兄だよ」


 ……お二人さん、しばし絶句。ハトが豆鉄砲くらってクルッポー。


「トメお兄さん、いつからツッコミからボケに転職したの?」


「トメさんがやると……そんなことでも可愛く思えるのはなんでだろう……」


 そらあんたからすりゃトメ兄関係ならなんでもいいからでしょう。


「いやね、昨日の夕飯どきにさ、台所にぐつぐつ煮だっている鍋があったのね」


 トメ兄の主食がハンカチとか思われてもこま……らないけど、まぁ一応説明しておこう。


「それで私、急にあったかいおしぼりが恋しくなって」


「ほんと急だな」


「カカちゃんらしいねー」


「それで、その鍋にハンカチいれればおしぼりになるかと思ったんだけど……それ、お湯じゃなくて料理だったのね。それでハンカチの甘辛煮のできあがり」


 それで取り出すのも面倒だったんで放っておいたら、夕飯のときに見事トメ兄が食べてしまったというわけだ。もちろん吐き出したけど。


 ちなみに真っ先に私が疑われたけど、姉のせいにしておいたのでOKだぜぃ。


「トメさん……わたしのハンカチも食べてくれるかなぁ」


「サユカちゃんって、トメお兄さんのこととなるとポジティブにも程があるねー」


「ポジティブっていうか、エキサイティングっていうか、恋はもーもーというか。モーモー。牛肉コロッケ食べたいな」


「それを言うなら盲目だ」


「む、この声はテレパシートメ兄!?」


 弾かれたように辺り見回す、が、やはりその姿は見つけられない。


「くそぅ……いつか、いつか必ず!」


「トメさん……ふへ」


「ねーねー、カカちゃんもサユカちゃんも変な世界いってないで戻ってきてよー。私さびしー」




 と、そんなこんなで商店街の雑貨屋さんについた。


「さて、どんなハンカチがいいかな……そだ。サエちゃんサユカン。私に似合いそうなの選んでみて」


「りょかいっ」


「まかせてー」


 そして数分後、二人が持ってきたハンカチは、


「なんで二人とも赤色?」


 二人は顔を見合わせて、シュッシュ、とボクシングの真似をしながら同時に言った。


「「血の色」」


「おまえらそこになおれ」


 説教中。


 終了。




「じゃ、今度はサエちゃんに似合うハンカチ選んでみようか」


 そして数分後、私とサユカンが持ってきたハンカチは、


「なんで二人とも黒色なのー?」


 私とサユカンは顔を見合わせて、胸をさすりながら同時に言った。


「「サエちゃんの心の色」」


「おまえらそこになおれー♪」


 とことん説教中。


 やっと終了。




「じゃ、今度はサユカンに似合うハンカチを選んでみようか」


 そして数分後、私とサエちゃんが持ってきたハンカチは、


「……なんで二人とも、も、桃色?」


 私とサエちゃんは顔を見合わせて、同時に笑った。


「「にへへへへ♪」」


「君ら、そこになおりやがれ」


 それはもう説教中。


 なにはともあれ終了。




「で、結局何色のハンカチ買ったのさカカすけ」


「無難に白色」


「それがあと何日で赤く染まるか、楽しみだねー」


「や、これ武器じゃないんだけど……」


「それを拳にまいて殴るんじゃないの?」


「……あんたら、私をなんだと思ってるの」


 二人は顔を見合わせて、同時に言った。


「「とにかく血の色」」


「とにかくそこになおれ」


 もういいだろうってくらい説教中。


 いいかげんに本当に終了。


 ともあれ、お買い物は楽しいなぁ。


 ティッシュとハンカチは大人になってからでも、いや、大人だからこそ持ち歩きましょう。意外と役に立ちますよねー。

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