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カカの天下  作者: ルシカ
126/917

カカの天下126「カカとしりとり、レベル2」

「雨だなぁ」


「雨だねぇ」


 こんにちは、トメです。


 季節はすっかり梅雨、天気は激しく雨ざあざあで外出る気が起きません。


「あ、そういやさっき、郵便受けにチラシはいってたよ」


「へー、なんて書いてあった?」


「わざわざ雨が多い時期に活動する物好きなドロボウいるから気をつけてーって交番から」


 なぜだろう、特に理由はないけど思ってしまう。


 シュー君、お疲れ様。仕事に、というか出番を増やそうとする涙ぐましい努力に……


 や、あくまで理由はないよ? なんとなく思っただけだから。


「にしても暇だね」


「またしりとりでもするか?」


 居間のテーブルで二人して漫画を読んでいた僕らは顔も上げずに話している。だるだるである。


「んじゃ、しりとりの『り』からね。人名で」


「人名? それしかダメなのか」


「普通のじゃつまんないでしょ」


「それもそうか、んじゃ僕からいこう」


 リンカーン? ってンがつくし。んー……


「リンダ」


「誰それ」


「リンダリンダ〜♪ っていう歌あるから、そのリンダで」


 多分どっかにいると思うし、いいっしょ。


「わかった。『ダ』か……だ、だ……ダンディ佐島」


「誰だよそれ」


「ほら、トメ兄がいつも文句言ってる人」


 ああ、たまに僕がカカに愚痴っている同じ職場のムカツクじーさんか。全然ダンディじゃないが……まぁいいか。


「じゃあ『ま』だな。そういうのが許されるなら……魔法使い福沢諭吉」


「あの人魔法使いなの?」


「おう、だって諭吉さんがいっぱいいれば何でも手に入るんだぞ。まさに魔法」


「なるほど」


 お、納得した。さすが我が妹。諭吉の偉大さをわかってるね。もっと諭吉ほしい。


「じゃ『ち』ね……ち、ち……散っちゃった花子」


「だから誰だよそれ」


「うちの学校のトイレの花子さん、散っちゃったの」


 そうか、散ったのか。


 詳しく聞いたら負けなんだろうなぁ。


「じゃ『こ』ね。こ、こ、こ……コケコッコー大島」


「……誰?」


「うちの同僚。朝の挨拶がコケコッコーなんだよ」


「変な人もいるんだねぇ」


 おまえが言うな。


「じゃあ『ま』ね。ま、まー……マント柿島」


「今度は誰だ?」


「うちのクラスの子。いつもマントしてるの」


 嘘くせー。


「で、また『ま』か?」


「こないだの仕返し」


 そういえばずーっと前にやったときは僕がこうやって一つの文字繰り返してたんだよなぁ……


「ま……まー」


 どう言えばおもしろいかなー。


 あ、おもしろいかは置いといて浮かんだ単語が一つ。


「負けるなタケダ」


「へぇ。何と勝負してるの」


「なんだろ……愛?」


「ふーん……ところでタケダって誰?」


 本当に頑張れタケダ。


 カカはやらないがな。




 まぁ、そんな感じで梅雨を過ごしてます。


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