カカの天下125「第一回、カカラジ!」
「こんにちは、留です!」
「こんばんは、香加です!」
「「二人揃ってカカ天です!」」
相変わらず二人揃ってのわりには単にタイトルを略しただけのコンビ名だけど、ともかくカカ天ラジオ、スタートです。
「えー、この番組はネット小説『カカの天下』を盛り上げるため、ぶっちゃけトークや作者の本音などを放送する情報番組ですっ! えー、私たちは本編自体とは関係ないのでお気をつけくださいね」
「適当に名前つけると……カカラジでいいかな? ネットラジオもネトラジとか言うらしいし」
「おう、そんなもんでいいだろう。ではカカラジ、ごゆっくりお聞きくださーい」
適当に音楽を鳴らしてCMに突入。
「これがあれば一日人気者! 額だろうが掌だろうがどこにつけるのも自由! 私たちタケダ医院が提供する『限りなく本物に眼球!』は一玉五百円で販売してまーす! ぜひお近くの眼球専門店でお求めくださいね♪」
CMがあけて。
「はい、改めましてどうも、香加です」
「留でーす」
「ほんとにラジオになっちゃったね」
「そうは言っても小説なのは変わらないがな」
「余計なこと言わない。さ、このラジオに届いたお便りでも紹介していきましょー」
「そんなのあるの?」
「だって所詮は小説だもん。作者があると言ったらあるんだよ」
「ほんと、とことんぶっちゃけたノリでいくのな……」
「さて、カカラジネーム、アキバ系のそこら辺さん。『サユカたんをお持ち帰りしたい』ってなにこれ」
「いたずらですね。ポイしちゃいましょう」
記念すべき一枚目はポイされた。
「さ、次は……カカラジネーム、三回転半ひねりちゃん。『お祭りの話で出てきたお祭り仮面とバナナ仮面はなんだったのですか』という、思いの他ひねりのない質問ですが、留兄?」
「えー、そうですね。バナナ仮面が単なる変態で、お祭り仮面はそれに巻き込まれた可哀想な人です。たーまやー」
「この人が知りたいのはその正体じゃないの?」
「言わなくてもわかるでしょ、普通は」
「そだね。皆さん、大方の予想通りで正解だと思います。はい、どんどんいきましょう。カカラジネーム、正露丸をかじろうさん。遠慮なくかじってください、私はかじりませんが。えー『カカちゃんのお父さんは忍者ということですが、忍者とは具体的にどういうお仕事なのですか』という質問です。留兄?」
「そうですね、いらないお偉いさんとかをこう、サクッとやっちゃう仕事かな」
「わお、デンジャラス」
「しかしそんな仕事はめったにないみたいよ」
「じゃ主な仕事ってなんだろ」
「んー、恵まれない人へのツッコミかな」
「なるほど。それでタケダ君のとことかよく出没するんだね。でもそれお給料でるの?」
「出るよ、政府から」
「政府って太っ腹だね。さ、では次……カカラジネーム。お姉さまの舎弟さん。『警官というポジションにいるのに出番がないのですが、なぜでしょう……』ってこれあの人じゃん」
「なんで出番がないって、そりゃ滅多に警察の世話になることなんてないしなぁ」
「そもそも自分で舎弟とか書いてる時点でダメでしょ」
「結論、下克上でもすりゃ出番増えるぞ。限りなく無理そうだが頑張れ」
「ではお便りコーナーはこのへんで」
CMへ。
『我が街が誇る定食屋! 安い、うまい、何が入ってるかわからないの三拍子が揃ったセイジ食堂はあなたを待ってるぞ! 腹と気力が減ったときはぜひどうぞ! 粋な店長の人生論つきであやしい定食を提供するぜ!』
「はい、では今日のカカラジはそろそろ終了のお時間となってしまいましたー」
「どうだった? 留兄」
「んー、これさ、ぶっちゃけた話し方してるだけで、本編の謎とかについてはあんまりぶっちゃけてないよね」
「だって謎あんまないもん。なのに早々から明かしちゃったらつまんないじゃん」
「こういう発言はほんと限りなくぶっちゃけトークなんだけどなぁ」
「じゃ最後に……最近でてきた『トメ兄恥ずかしい写真集』の一部でも紹介しますか。まず一枚目。風呂上りの素っ裸のまま転んで大また開きで廊下を滑っている――」
カカラジチョップ!
「さ、妙な写真は飛んだところで、また次回お会いしましょう!」
「ちっ……このラジオはタケダ医院とセイジ食堂の提供でお送りしましたー」
「提供しょぼ」