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カカの天下  作者: ルシカ
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カカの天下124「返信カレー」

 こんばんは、お風呂上りのカカです。


 湯上りたまご肌です。ゆでたまごです。


 最近携帯を買ってもらったので、今日はメールをいろいろと送ってみようと思います。


 さて……誰に送ろうかな。布団にごろごろしながら携帯スイッチオン。


 やっぱ最初は親友のサエちゃんだよね。


 えっと、なんて送ろう……そうだ。


『こんばんはーサエちゃん♪ 今日の宿題やった? なんか難しいよねー国語って』


 こんな感じでいいかな。


 ちなみに私は宿題に目を通しただけでやってないんだけどね。


 お、返ってきた。


『こんばんは。第二次世界大戦で織田信長の子孫がどう思っていたか、なんてわかんないよねー。わ、宿題見せてくれてありがとう♪』


 ……あれ? なんか話が三歩くらい先にいっちゃったような。


 まぁいいや。そんなとこも好き。


 次は、サユカちゃんか。


『トメ兄がいま入浴中』


 ……お、返って来るのはや。


『だからどうしたっ!』


 んー……そうだ。これでいこ。


『写メとったら見る?』


 わ、ホントめっちゃ返信はやい。


『見る』


 文章だとわっかりやすいなーサユカン。これはこれで可愛いけど、からかいがいないなー。


 次は姉に送ってみよう。んーと、なんて送ろう。


『焼き鮭を焼くと何になると思う?』


 適当でいいや。ぽちっとな。


 ん、返信。みんな返すのはやいなー。


 どれどれ。


『あたしもヤキが回ったな』


 ……意味がわからない。まぁ、姉だし。


 次は……あ、そうだ。先生のも聞いたんだった。


 宿題の文句でも言ってみようか。


『宿題むずかしすぎですよー。大体、織田信長の子孫なんて本当にいたんですか?』


 ぽちっとな。


 ……なかなか返ってこない。忙しいのかな先生って。


 お、返ってきた。


『いたさ。オレのじーさんだ』


 アンタが子孫かよ。というか女教師なのにオレとか言っていいのだろうか。


『じーさんには散々昔話聞かされてうざい思いしたからな。おまえらも味わえ』


 なんちゅう教師だ。


 さて、あとは……登録件数まだ少ないんだよね。


 残るはトメ兄、か。


 なんて書こうかなー。でも同じ家に住んでるのにメールってあんま意味ないよね。


 意味のあるメール……ご飯何? って聞くのは嫌だなぁ。夕飯呼ばれたときの楽しみ減るし。


 意味……意味……あー、わかんない。


 そのまま送っちゃえ。


『意味がわかんない』


 ぽちっとな。


 そういやお風呂あがったのかなトメ兄。


 お、返ってきた。


『辞書ひけ』


 ごもっとも。


 んー、あとは……そうだ、カンで適当なアドレス書いて送ってみよう。


 で、文章は……


『カレーは好きですか?』


 ポチッとな。


 ……すぐに返って来ないとこをみると、どうやら無事送れたみたい。


 あ、返ってきた。


 どきどき。


『大好きです! 私はいつも三食カレーですよっ』


 ふ、普通の文章だ。


 見ず知らずの人から来たメールによく返したなこの人。送った私が言うのもなんだけど。


『じゃあ、焼き鮭を焼くと何になると思います?』


 ぽちっとな。


 返ってきた。


『焼き鮭焼きカレーですねっ』


 焼きカレーって何。


 よほどカレー好きなんだなーこの人。面白いから登録しとこ。


 えーっと、名前は……『カレー人』でいいや。


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