表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
カカの天下  作者: ルシカ
119/917

カカの天下119「違いのわかる妹」

「トメ兄、ちょと教えてほしいんだけど」


「なんだカカ」


 こんちわ、カカです。


 ふとした疑問が浮かんだので、お風呂場で頭をもっしゃもっしゃ洗っているトメ兄に質問タイムです。


「トメ兄さ、太った?」


「人のセクシーな背中を見てなんたる言い草だ。ていうか戸を閉めろ」


 トメ兄は私に背を向けて頭を洗っている形。うーん、お尻のあたりがセクシーかな?


 あれ、そういえばセクシーってなに。セクハラの親戚かな。


「でさ、セクハラトメ兄」


「セクハラしとるのはおまえじゃ、たわけ」


「やっぱちょっと太ったよ」


「……まじで?」


 頭をもっしゃもっしゃする手を止め、深刻そうに尋ねてくるトメ兄。薄々自分でも感づいていたのかもしれない。




 トメ兄はお風呂からあがり、ビールを飲もうとして……やめた。


 私は廊下から覗いてにやりと笑った。


 トメ兄は悔しそうな顔をしてた。




 朝。ごはんを作っている最中のトメ兄。


 卵焼きに砂糖を入れようとして……やめた。


 私はわざと物音をたててこっちを振り向かせた。


 にやりと笑ってやった。


 トメ兄は口をひくひくさせた。




 夕方。夕食の買い物に付き合った。


 トメ兄は自分のお菓子はいらないというので、その分私のをこれでもかと買い物籠に入れてやった。


 にやりと笑ってやった。


 トメ兄は目元をぴくぴくさせた。




 家に帰ってから。夕飯もあまり食べなかったトメ兄の目の前でチョコバーを食べてやった。


 それはもうにやにやしながら食べてやった。


 トメ兄は私の肩をもみもみした。痛い。




 翌日、私は朝からおかわり三杯もしてやった。


 ひたすらニヤニヤしながら食べてやった。


 トメ兄は私の頭をぶんぶんさせた。目が回る。



 

 そんなやりとりがしばらく続いて……


「どうトメ兄、やせた?」


「んー……体重は減ったんだけど……どうだろ」


 私はトメ兄のお尻を触った。


「うん、やせた」


「なぜわかる」


「お尻のわかる女だから」


「……なんというか、ツッコミ辛いなぁそのボケ」


「本気だよ? 私が何人のお尻を触ってきたと思ってるの」


「クラス全員とか?」


「学校全員だよ」


「変質者かおまえはっ!?」


「トメ兄、冗談にいちいち腹立ててるからお腹出るんだよ?」


「関係ないわっ」


 まぁ、実際お尻がやせたのはわかったけどね。


 でも、お尻やせるってことはお尻の運動したのかなトメ兄。


 なにしたんだろ。 

 

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ