3話 バグの選抜
俺は国民みんなを集める。理由は戦争をする仲間を集めたかったからだ。正直100人程度でいいかなと思っている。俺はみんなに向かって言う。
「お前ら!俺らバグは数々の酷い扱いを受けてきた!この世界から嫌われていた!差別されていた!もしも俺らが世界より強くなったら!あいつらはどんな顔をするんだろうなぁ」
俺は不敵な笑みを浮かべた。そして続けて言う。
「楽しみではないか?俺は世界へ戦争を始める。付いてくる勇気ある者はいるか!!」
すると
「「「「うおおおおおお!!!」」」」
その場がどっと沸いた。凄いな、ほとんどの人が手を上げて叫び出した。その目には嘘偽りはない。
「やったな!ユリス!」
「あぁ!」
俺は手を上げて広げていた手を握りしめる。すると皆が察してくれたようでその場が静寂に包まれる。
「30日後に選抜試験をする!そして選ばれし100名を戦争に連れて行く!それでは30日後にまた会おう」
俺はそう言ってその場を立ち去る。
国民の復讐の想い、王への尊敬の想いはただ強くなるばかりだった。
「ユリス様!お風呂に入られるのですね!お背中流します!」
「えっ」
俺が困惑していると次々に獣の目を隠し、平然を装うメイドたちがやってくる。
「ずるいです!私もお背中流します!」
「私も!」
「ユリス様!どうするんですか!」
「えー、いや普通に1人で入りたいわ。あと絶対に覗いたり入ったりするなよ。これは命令だ」
俺が少し強く言うとメイドたちは顔を合わせて目を獣からメイドに戻して言った。はい!と。なぜかみんなはがっかりしていた。
そんな中1人物陰でユリスがメイドに惚れないか監視している者がいたとさ。
俺は風呂を上がった。風呂は心地よいものだ。
「30日後。楽しみだなぁ」
俺は1人でどれくらいの強者が現れるか期待していた。
ドサッ!となるほど俺は倒れるようにベットに落ちてゆく。するとミアがやってきた。とは言っても部屋は共同なので戻ってきたが正解だろう。
「ユリスよ!」
「なんだ?」
ミアは俺に指を刺して言った。
「決闘を挑もう!」
「なぜだ?」
「私はユリスの実力を知りたい」
「いつやんの?」
「今からだ!」
「いや俺風呂上がりっす。パスで」
俺がそう言って寝ようとミアが言った。
「では仕方ないな!明日でいいぞ!あ、私が風呂に入ってる間に1人で寝るではないぞ!一緒に寝たいからな!」
そう言ってミアは急いで部屋を出ていった。
「・・・寝てーーー」
俺はただ1人呟くのだった。
ーーー18日前
「やっぱりすり抜ける。これじゃあ戦争を起こしても何も面白くない」
俺は自分の体がすり抜けてしまうことに悩んでいた。もちろんこれは絶対に死なないチート特性だ。でも俺はそんなの好きじゃなかった。痛みだって成長につながる。それに痛みのない戦争なんて楽しくない。特性は自分の体の性質だ。だからまずは自分の体について知ろう。そしたらもしかしたらすり抜けを制御、もしくは無くすことができる。俺はミアと王国を作りながら自分の体についても調べていた。すり抜ける細かな条件や魔力を体に流して細かいところまで知る。そしたらわかったことがある。それは心臓の中に何かおかしなブロックノイズの塊があった。その数は2つ。
1つはバグの原因。そしてもう1つはすり抜ける原因と考えていいだろう。俺はバグの方は消さずにすり抜けてしまう特性の方を消すことにした。
「、、、消したはいいけど、わからんな」
あ、そうだ!
「ミア!一発なんか軽傷程度の魔法を打ってみて!」
するとミアは驚いた顔をして言った。
「いやだ!それに魔法を打ってもすり抜けるだけだろう!」
「違うよ。すり抜けなくなったかもしれない。だから確認したくて」
「まぁそういうことなら」
そう言ってミアは俺に魔力弾を撃った。その魔力弾は瞬きをする間に腹を凹ませた。
「うぐっ!」
俺はそのまま吹っ飛ばされて壁を凹ませてから地面に落っこちた。めちゃくちゃ痛い。お腹がズキズキするし息もしずらい。でも俺の顔は笑ってると思う。
「ユリスよ!!大丈夫か!?」
俺は搾り出すように声を出して言う。
「大丈夫。でも少し寝かせて」
俺はそう言って目を閉じた。
「え、死んだ!?嘘だと言ってくれ!ユリス!ユリスーー!!」
「寝るっつてんだろ!!」
俺は思わず起き上がって言ってしまった。
「あ、生きてた」
まぁこんなことがあって今は特性をうまく扱えるようになった。つまりは能力に変わったと言っても過言ではない。そして俺とミアは今まさに空中で向き合っていた。広い高原で。草や葉を風が揺るがす。そして風を感じる間もなく二人の戦いが始まる。
ユリスは幾つもの槍を魔力で作り出しミアへ向けた。
その槍はミアに飛び込んだ。ミアは壁を作り出して槍を受け止めた。しかし壁がヒビを入れて割れ始めた。そしてそのまま槍は壁を突き破る。ミアは地面を蹴り上げ宙を舞う。しかし追撃するように槍は襲ってくる。
「数が多すぎるぞ」
ミアは魔力で自分の周りに透明なバリアを作った。
槍はミアの近くに行くたびにミアの周りで弾かれる。
「バリアか、ならこれはどうだ」
ユリスはそう言いバリアの周りに紫色のまるで魂のように浮いている爆弾を作り出す。
「爆弾?そんなもの通用せぬぞ!」
ミアがそう言い放った。するとユリスが指を鳴らした。その瞬間爆弾が全てバリアの中にワープした。
「え、」
ドカン!と言う激しい爆発音が鳴る。それと同時に灰色の煙が立つ。ユリスが煙が消えるのを待っていた。
完全に油断していた俺の肩に手が乗っかる。
「余の勝ちだ」
「あぁ、俺の負けだ」
そう言ってユリスは両手を上げた。
「それにしてもミアは強すぎるだろ」
俺は地面に降りながらそう言う。
「それはユリスもだ。なぜ本気を出さなかった!
あの槍で余のバリアなど裕に貫通できるだろう!」
まぁ確かに壊すことはできたけど、、、
「それには理由がある。まず俺らは回復魔法を持っていない。それにミアを傷つけたくない」
「それだとまるで余が避けられないと言っているようなものではないか!」
「避けれないさ。絶対にね」
むうー、と言いたげな顔をしながら言った。
「それは、そうかも知れないけど、それでも本気でやるのがマナーというものではないか!」
「お互い本気を出したらこんな王国一瞬で消し飛んじゃうだろ」
「・・・確かに」
全く本当にミアは俺らの強さをまだあまり理解してない。そのため何回も同じようなことを言った気がする。
試験会場では熱気がすごかった。
「なんだこれ、みんなやる気ありすぎだろ」
俺らはみんなを見渡しながら話していた。
「それだけ本気だと言うことだろう!良いことではないか!」
「だな、、、それじゃあまた後で。50人を選ぶんだぞ」
「わかっておる!余がこの目でしっかりと選別してやろうではないか!」
そう言って俺らは別々の広い部屋に行く。俺が待っていると1人の男が入ってきた。メイドたちがしっかりとみんなを並ばせて順番に部屋に入れてくれているのだ。ほんと優秀なメイドたちだ。
「かかってこい」
俺はそう言って手招きをした。
「で、でも、、、」
「脱落になりたいのか?」
俺がそう言うとその男は目を変えて言った。
「いえ!僕は必ずあいつらに!この世界に復讐してやります!」
そう言って剣を魔法で作り出し、うおおお!と叫びながらこちらへ迫ってくる。
「はぁ、遅い」
俺はそう言ってそいつの背後に回った。本気でやったらこいつらが遅く見えるのは当然だ。しかし今の俺は10パーほどに力をおさえている。それでこの遅さなら脱落だろう。
「え、何が起こって、、、」
「残念ながら脱落だ。あまりにも遅い。見返したいなら次会った時には俺に背後を取られないくらい強くなれ」
俺がそいつにそう言うとその人は言った。
「僕の名前はマイクです!必ずあなたに勝てるようになって見せます!」
「おう。頑張れ」
そいつはその部屋を出て行った。
「これをあと何人やればいいんだ」
俺はその後も何十人も何百人もやった。強い者もいれば弱い者もいる。見込みのある奴もいた。必死もがいてがむしゃらにきた奴もいたっけな、でもそんがやつはすぐ死ぬだけだから脱落だ。
「そろそろ幹部くらいに強い奴が出てこないかなー」
俺がそんなことを言っていると1人の女性が入ってきた。
「あなたちっちゃいわね。私と大して身長変わらないじゃない」
確かに大差はなかった。でも俺だって170はきっとある。多分。うん。あると思う。
※ユリスの身長は165です※
「でも、俺は16歳だし、、、」
「それもそうね。それより、私の魔術受け切れるかしら?」
そう言うとその女は木の幹のような物を俺の足元から生やした。そしてその幹は俺の足にぐるぐると絡みついた。
「おぉ!」
俺は少し気分が高揚していた。この人は強い!
俺は制限を50パーまで下げて足を幹から力技で無理やり脱出した。するとその瞬間幹が横から飛んできて俺に直撃した。俺はそれを腕一本で止めて見せた。
「な、この国の王なだけあるわね。本当にクソ強い
じゃない。じゃあ遠慮はいらないわね!」
すると急に体全身が石のように動かなくなった。
見ると体中に幹を巻き付けられていた。俺が力技で脱出しようとしたが流石にキツかった。すると急に葉っぱの刃が顔のところに飛んできた。俺はそれをすっとかわした。
「その状態で避けれるとか、ほんとどうかしてるわ」
「うっ!」
するといきなり幹の締め付けがかなり強くなった。体が押しつぶされそうだ。仕方ない。俺は刀を作り出して幹を切り落とした。
「ふぅ、かなり痛かったぜ」
「油断大敵!」
するとその女が一気に距離を縮めてきた。俺が飛んできた拳を止めると後ろから幹が飛んできた。それを俺は刀で切り裂いた。しかしその量が多すぎる。こんな量を出しておきながら普通に対面できるとか本当にこの人はすごい。これは幹部入りだな。
俺は実力を知れたのでそいつの後ろに回って肩を叩いた。
「なっ!」
「強いね。お前の名前は?」
するとその女は諦めたかのように力を抜いた。幹も同時に全て跡形もなく消える。
「私の名前はファーリア。私は合格かしら?」
「合格どころが幹部入りだな。これからよろしく。ソフィア」
「こちらこそ。それにしてもタメ口でも怒らないのね。心のお広い王様だこと」
「別に敬語なんてどうでもいい。強ければね。弱い奴が敬語を使わないのは違うと思うけど、、、」
「実力主義ってことね」
「まぁそうなるな」
新しい幹部ができた。とても嬉しいです!




