2話目 新たな王国
「見ろユリス!余はこんなこともできるようになったぞ!」
そう言ってミアは新たなつやつやな石の壁を作り出した。
「おぉ!すごいな。じゃあそんなスーパーウルトラ最強ミアちゃんに城造りを任せようかな」
するとミアは胸にえっへんと言わんばかりに拳を当てて言った。
「余に任せるが良い!余が最高の城を作ってやろう!」
「任せたぞ」
「あぁ!」
それから百日くらい経った。俺らは少し絶望していた。なぜなら、、、
「これ本当に終わるのか?」
「いつかは終わるさ、俺らは不老なんだから何日経ってもいいだろ」
そう。俺らはいまだに王国の設計図を書いていた。
「でも余はこんなことをしていてもユリスと一緒なら余は幸せだ!」
ミアは俺に笑顔を見せた。
「そっか、俺も幸せだよ。でもなるべく早く完成させてあの計画を実行しよう」
「だな!」
それから何百日、いや何千日経っただろう。
「やっと完成だな」
「あぁ!余のおかげだな!しかし最初の頃と比べたら緑も増えて城ができて街もできて。あとはみんなをここに連れてくるだけだ!」
そこには自然が広がり、ミアが擬似的な太陽のようなものを作ってくれて、朝もあれば夜もある。中身のない家や店もあって、そして城がある。それにこの景色を一言で言えば絶景だ。
「だな、本当に協力してくれて感謝しかないよ。ありがとう。ミア」
ミアは少し頬を赤らめて俺の目を見てから完成した城を見て言った。
「感謝をしたいのは余も同じだ。あの時助けてくれて、こんなに楽しく幸せな日々を送らせてくれて、ありがとう」
俺は頷いた。そして俺も城の方向を向いて言う。
「2人で城へ行こう」
「2人で少しの間は城を独占してしまおうではないか!」
ミアが歩き始める前に俺の手を握る。ミアの手は冷たかったのに心が暖まるような暖かさがあった。俺は
そっと握り返す。そして2人で緑の上を歩く。日の光を浴びながら。城へ向かって。
城の中で優雅に食事をしていた。俺らは肉とか魚とか高価な料理を並べて食べるような人ではなかったので米の中に魚を入れて作ったおにぎり。まぁ人によっては贅沢なのかもしれないけど。俺らは今ベットの上でおにぎりを食べていた。はっきり言って超絶ニートのようだ。ニートは幸せだなぁ。
「なぁミア」
「なんだ?」
「俺らって一度でも喧嘩したことあったっけ」
俺はそんな聞く必要があるのかもわからない質問をした。
「あるわけなかろう。余とユリスは互いを認め合い互いの意見を尊重し、意見を反対をされてもそれを受け入れる。そんな理想的な関係を築けている。良いことではないか!」
ミアは笑顔で俺の方を見ていた。ミアの顔を見ているとつい俺の顔が緩んでしまう。
「それはそうかもな、喧嘩をするほど仲がいいっていう言葉があるらしいんだが、それはどうやら違ったみたいだな。喧嘩をするのは意見がぶつかったからじゃない、きっとお互いの不を認め合えなかったり妥協できなかったり、わがままがあるせいでそうなってるんだろう。だからと言って我慢はしちゃいけないけど」
するとミアが少し不安気に聞いてきた。
「ユリスは余に妥協をしているのか?」
俺は素直に答える。
「いいや、ミアの幸せは俺の幸せ、ミアの理想は俺の理想、俺は本心でそう思ってる。だから妥協もしてないしわがままを言ったりもしない、というかわがまま言うような状況がないんだよ。俺は今が幸せ。何一つ文句のない生活」
「では、私と2人でここで一緒にずっと暮らすのはダメなのか?」
「ダメだ。必ずバグのみんなを救い出して復讐する。それにさ2人の時間がなくなるわけでもないし、復讐が終わったらまたここで2人でゆっくりすればいいよ。外は騒がしくなるかもだけどね」
「ふふ、そうだな!その答えを待っていたぞ!ユリスよ!では始めよう。バグ略奪計画を」
「あぁ、作戦は前も言った通りミアにはここで待っていてもらう。俺がミアの転移魔法陣でここに送り込んだバグが混乱しないように、そしてみんなをまとめて欲しい」
「でも私は反対だ、どうしてユリスだけがそんな危険な目に遭わなければならないんだ」
「俺は死なない。それにすぐ終わるさ。それじゃあ俺を地上まで転移してくれ。30分後に戻ってくる」
「・・・絶対に生きて帰るのだぞ!」
「分かってる。んじゃまたね〜」
俺は手を振りながらミアが作った転移できる魔法陣に足を踏み入れる。すると目の前が真っ白になり戻った頃には地上にいた。木々が斜めにたくさん生えている。どうやら山に転移したらしい。ちなみに転移魔法陣は俺でも魔法陣の場所を移動だけならすることができるから施設に入った後にまたそこに移動させるつもりだ。
俺は仮面をかぶる。理由はまだ正体を明かす時ではないからだ。
山を降りるとすぐに人里に出た。
「絶対まだつけない方がいいやつやん」
俺は魔力でバグの表示を隠した。魔力というのは本当に便利だ。不可能を可能にしてくれる。
俺は少し歩いて施設に着いた。人気のない路地裏のさらによくわからないような場所にある。どうして場所を知ってるかって?それは幼い頃に一度だけ連れてこられてるからね。なぜかわからないけど覚えていけないと思った。俺は仮面をつけて扉に触れた。
「鍵が閉まってるな。なら力づくでいくしかないな」
俺は扉を蹴り飛ばした。中には警備員がたくさんいた。皆が一斉にこちらへ向かってくる。どうやら話す気もなさそうだ。俺は今は殺す気はないのですぐにバグの連中をミアのところへ送ることを優先する。足に力を入れて踏み切る。空気を切るような音がした。我ながらかなりの速度が出せている気がする。俺はバグの連中のところに行く。長い廊下を渡っていると一つの巨大な部屋を見つけた。どうやらそこにみんながまとめられているみたいだった。
「これはありがたい」
俺はガラスを殴って壊した。ガラスは粉々に散る。そしてすぐさま魔法陣をここに移動する。部屋の床全体を魔法陣でいっぱいにする。
「なんだ」
「え?」
「おい!何が起きてるんだ!」
そんなことをバグの奴らが言ってるうちにみんなはテレポートした。
「俺も行くとするか」
後ろから警備員が迫ってきていたので俺もテレポートした。
「ユリスは大丈夫かなぁ、心配だなぁ」
余は今みんなが来ても大丈夫なようにひらけた草原にいた。心配だなとか1人で考えていると、、、
「うわあああああ!!」
急に1000人くらいの人数のバグがテレポートしてきた。そしてすぐにユリスもテレポートしてきた。
「いやぁ、ごめんごめん、みんなまとめて送っちゃった」
俺は高台に立ち混乱しているみんなに言う。
「ごっほん!バグの諸君!ここはバグしかいないバグだけの王国だ。ここは実験もない!差別もない!だからあのさ、一旦静かにしてくれ!」
俺がそう言うとみんなが少し静かになった。
俺は今がチャンスだと思い続けて言う。
「ここではみんなの家があり、店があり、食べ物がある。そして今からみんなを1人ずつ家に届けるから並んでくれ!細かいことは全て家の中にある紙に書いてある。ミア、テレポート。お願いできるか?」
「任せろ!終わったらご褒美をお願いするぞ!」
「わかった」
俺らはそうして約1000人。細かく言えば俺らを含めず1058人の人数を家に届けてくれた。届け終わるとミアが魔力不足で倒れた。
「ミア、俺の魔力を」
俺はミアに魔力を送る。
「助かったぞ!ユリスよ!」
「助かったのはこっちの方だ。本当にありがとう。
ご褒美は何がいい?」
「余はユリスにいっぱい褒めて欲しいぞ!」
「ミアは偉いよ。本当に凄いと思う。ただでさえテレポートは体力を使うのにそれを1000人以上の数を連続でやるのはミア以外にはできないことだ。本当に凄いし頑張ったと思うよ」
「褒められるというのは実に嬉しいものだな」
ミアは少し頬を赤らめながら嬉しそうにそう口にした。
それから1週間が経った。
「ユリス様、ミアリス様。食事の時間です」
「あぁ、ありがとう」
俺はそう言って王座から立ち上がる。ミアも同じく立ち上がる。俺らはこの王国の王になった。赤色のカーペットを歩く。周りには何十人ものメイドが、、、
こうなった経緯を話そう。
まずみんなを集めた次の日。俺とミアが王ということを伝えた。そしてみんなはあの施設から逃がしてくれたからか俺らのことをかなり慕っていた。そして復讐のためにみんなに魔力を送った。そうすることでみんなが魔法を使えるようになった。あの時は本当に死ぬかと思ったよ。魔力が一瞬で消えるからさ。
そしてみんなが魔法を使えると気付いてからさらに俺らは慕われるようになった。そして一カ月後には運動能力テストや魔法テストを行うつもりだ。そしてその中から優秀なものを選んで戦争を行う。まぁそれはまだ先の話だからいいとして俺らはメイドというものを募集してみた。すると約100件ほどきてしまって、、、かなり謙遜した書き方をしたのにこれだけ集まるとは。そしてその中からも厳選して50名のメイドを雇った。それ以外の人は魔法の訓練をさせていた。
まぁそんな感じだ。あと魔法の訓練については俺が全員を教えることは無理なのでまずは独学をさせていた。食料は俺が少し頑張れば大量に手に入るからそこまで食料は問題ではなかった。というかみんなが俺らの言うことを聞いてくれるから問題なんてなかった。
俺らは料理を食べる席に座る。俺とミアはもちろん隣同士だ。そして料理が出される。
「こちらは茜が作ったものとお聞きしました。ご自慢の一品だとのことです。どうぞお食べください」
「そうか。ありがとう。それじゃあいただきます」
俺はその料理を口に運んだ。すると目を見開くほどに美味かった。
「美味しいな。これ」
「これは美味しいぞ!ユリスよ!」
「でもなんか少しだけ俺のやつとミアのやつ違うね」
「みたいだな。余の方にはお肉が入っておる。しかしユリスの料理には肉が入っておらぬ」
「ま、いいや。うまいし」
俺らがもぐもぐ食べていると茜が走ってやってきた。
「ユリス様申し訳ございません!!」
いきなり茜が頭を床につけて謝罪をしてきた。
「え、なにが?」
「私としたことがユリス様の料理にお肉を入れ忘れてしまいました。どんな罰則でも受け入れます」
マジでどうでもいいー。
「別にうまいしいいよ」
俺は席を立って茜の前に立って言う。
「ほら顔をあげて。ミスは誰にだってあるんだし仕方ないよ。それに肉が入ってなくてもめちゃくちゃ美味しいから安心して」
「ユリス様」
茜は頬を赤くして顔をあげた。茜の脳内はこうなっていた。ユリス様かっこいいユリス様素敵ユリス様大好きユリス様優しいユリス様イケメンユリス様ユリス様ユリス様ユリス様!!!!と。
「また茜の料理を食べさせてね」
「はい!!」
茜は満面の笑みで強く返事をした。
席に戻りミアの方を見ると頬をぷくっとふぐのように膨らませて可愛く睨まれた。
「あ、あははははー」




