1話目 バグの俺が地獄ダンジョンへ
僕は今真っ白の部屋でベットに固定されていた。僕が幼い頃からずっとこうだ。時々ベットに貼り付けられて色々な実験をされる。それ以外の時は何もないただ他のバグがいる透明なケースのような部屋に入れられる。なんで、なんでこんな思いをしなきゃいけないんだ。僕がバグだから?バグだからこんな思いをしなきゃいけないの?
「891番を今から処刑する」
え?
「やめろ、やめてくれよ!なんでだよ!バグだからってなんでこんなことされなきゃいけないんだよ!」
「黙れ」
僕はそう言われた。レバーが引かれたときには全身が痙攣して激痛が走って意識がどんどん遠ざかる。
「いた、、、い、、、よ」
俺は弱々しい震えた声でそう誓った。
次は絶対にバグとして生まれないで普通の人間として生まれたい、ぜったいに。
もう何百年ここにいるんだろう。物心がついた頃から施設にいた。理由はわかってる。俺がバグだから。バグというのは世界に約1000人程度しかいない少しおかしな人種だ。みんな1つの施設に送られているらしい。普通の人間とは違ってどこかおかしい。ブロックノイズのようなものが時々体に現れるのだ。そしてバグは魔力を持っていないから普通の人間に勝てるはずもない。しかしバグにもメリットはあった。それは不老だ。施設に送られる理由はおそらくこれだった。不老の原因やそれを他の人間に移植する方法を探されていた。バグの人間は16歳から25歳までの年齢で老いが止まる。年齢はランダムだ。俺はどうやら16歳で止まっているらしい。
「おい!921番!」
俺の番号が呼ばれる。名前があるっていうのに、、、
俺の名前はアステル ユリス。少し女っぽいけどまぁまぁ気に入っている。
「なんでしょうか?」
「お前を地獄の調査隊として連れていく。お前を地獄の最下層にまで落とす。そこでカメラをつける。少しでも死ぬ前に映像を残すんだな」
「え、地獄って、まさかあの世界最恐と言われるダンジョンですか!?」
「そうだ」
俺の顔はみるみる青くなっていた。だって地獄は誰も攻略したことのない世界最恐のダンジョンだ。それに人間が倒せるわけのない化け物がぞろぞろといるところだ。
「痛い!」
足に何かが刺さった。どんどん視界がぼやける。
気づいたら俺は気を失いっていた。
「ん、、、どこだ、、、ここ」
辺りは薄暗くかなり冷える。凛とした空気が漂う。水が滴る音がする。まるで洞窟のようだ。そういえば
地獄の最下層に連れていくって。すると後ろから何かの唸り声が聞こえた。
グルルルル、と。
振り向くとそこには巨大な狼がいた。やつのステータスが頭の上に映し出された。
「レ、レベル999!?」
無理だ、こんなの勝てるわけない。俺はすぐに逃げ出した。足が震える。今すぐにでも逃げ出したい。ここから出たい。普通に生きたいだけなのに、普通の人間として生きてみたいだけなのに、どうしてバグなんかになってしまったんだよ。どうして。そして俺は
走ってる時に気がついた。俺の頭にカメラがある。
いや、そんなことはどうでもいい。そんなことよりすでに追いつかれそうだった。というよりかは弄ばれている。俺は必死に逃げた。何度も転んだ。それでも何度も立ち上がった。しかし運の尽き、行き止まりだ。
「おわっ、、た」
狼が前足を上げた。俺はただそこに岩に背を預け尻餅をつくことしかできなかった。そしてその巨大な前足が振られる。
「え?」
狼の爪は俺の後ろの岩を壊した。俺の背中とくっついているはずの岩だけを。
「す、すり抜けた?」
もう一度前足が振られる。しかしそれが俺に当たることはなかった。それになぜか力が湧いてくる。今ならなんでもできる気がする!
「魔力?なんだろう、手から紫の何かが出てくる。
なんかドロドロしてて気持ち悪いな」
なんかずっと前足を振ってきてるな。なんだか死なないって分かったらこいつが可愛く見えてきた。あ、息を切らしてきた。俺は魔力をうまく制御して紫の槍を作って狼に飛ばしてみた。初めてながらかなり才能がある方だと思う。狼の足に刺さった。足の毛が赤く染まる。
「刺さった。俺今めっちゃ強いんじゃね?」
俺が自分の力に自惚れていると狼が光を放って小さくなった。
「あ、なんかマジで可愛くなった、あとカメラ壊れてるし、それはまぁいいか、それよりこいつの足から血が出てる」
でもねぇ、俺回復魔法のやり方とかわかんないしな、
俺はチビ狼を撫でてみた。すると狼は少し嬉しそうな顔をしていた。
「でもな〜んか違和感あんだよなぁ」
少し狼に違和感があった。それは殺意などではなく本当にどこか変な気がした。まぁ今はいいか。それより
「そういえばステータス見てみよ。はぁ、レベルはエラーか、まぁバグだしおかしくはないか。それより能力欄には何も書いてない。すり抜けは本当にバグみたいなものなのだろう。それに魔法系ではまだ何もできないのか。魔法の練習しないとな」
それから俺はどれくらいだろう。毎日魔力使いすぎて魔力や体力不足で倒れるほどには魔法と体を鍛えていた。確実に毎日成長していた。どんどん能力欄も増えていった。
なんか新しい魔物が俺が体力なくて倒れてるとこを倒そうとしてるけど全部すり抜けるからなぁ、みんな諦めてどっか行くんだよなぁ。あとずっと狼がついてくるな。懐いたのだろうか。そしてすり抜けについて分かったことはおそらく怪我をするほどの物理攻撃や魔法攻撃はすり抜けるが、怪我をしない程度なら普通に当たる。そして俺から自分が怪我をするほどの物理攻撃を仕掛けた場合は普通に俺も怪我をする。
「それにしても今は結構いろんな能力ゲットしたな。最初の方にゲットした農業ってやつ便利だよなぁ」
俺は農業能力で野菜を地面から生やしていた。肩には一応あの狼が乗ってます。そしてこの能力は名の通り農業が、何もなくても魔力さえあればできる。これがなかったら魔物を食べるしかないけど、美味しくなさそうだしな、それに動物も作り出せるから肉にも困らない。しかし動物を作り出すのはかなりの魔力を消費する。そして二つ目の能力は魔力を水に変換できる。どうやら今や今後欲しいと思っている能力が反映されるようだ。多分。これのおかげで水も大丈夫!そして三つ目呪い消去。これはどうやら呪いを消せるらしい。いつか使うことがあるだろう。だって俺の夢はバグとそれを元から認めている人間だけの王国を作る。そしてそれ以外の人間は殺すことだから。そして四つ目の能力が嘘発見器というやつだ。対象人物の目を見たら嘘か本当かがわかる。これは警察などが使うことが多いみたいなのを聞いたことがある。これも使うことができるだろう。そして最後、五つ目の能力は魔力感知。これはみんな持ってると聞いたことがある。名の通り魔力を感知できる。
「狼や、もしかして呪われてたりする?魔力が魔物とは違うんだけど」
そう俺が狼に言うと狼がめっちゃ頷いた。
「マジか、違和感はそう言うことか、今やるからじっとしてて」
俺はそう言って狼の頭に触れた。そして魔力を込める。すると狼が光を放ち出した。そしてその光はどんどん人の形になっていきやがて1人の少女が現れた。その少女は黒色の長い髪のを持っていて綺麗で透き通る青色の目をしていた。しかし何も身に纏っていなかったため俺は目を手で覆ってすぐに後ろを向いた。
「その〜、服を着てもらえませんかね」
「服はどこにあるんだ?」
後ろからは陽気な声が聞こえてきた。
「えーと、どこだろう、あ、とりあえずこれ着て」
そう言って今俺が着ている魔物の毛で作ったコートのようなものを渡した。
「お!ありがとう!」
「ふぅ、それよりも、名前は?」
俺は服を着てくれて安心したので振り向いて名前を聞いた。
「余の名はスティア ミアリス。其方は?」
「俺はアステル ユリス。それよりもあんたもバグだな?」
俺は彼女にブロックノイズのようなものが体に走っているのですぐに気づいた。
「おぉ!わかるか!余はバグだ!ユリスもバグなのか?」
「生憎とね。ミアはどうしてここに?」
「余の名はミアリスだぞ?」
ミアは不思議そうな顔をして聞いた。
「ミアでいいだろ、その方が楽だし」
「・・・分かった!」
ミアは少し何かを考えてから元気よく返事をした。
「それでここにいる理由、、、か。余はバグだからかなり昔からあの施設にいた。そしてある実験をしてたんだ。それは呪いで人間を動物にすると言うものだ。
余は巨大な狼にされた。そこからは何も覚えていない。だけどとても苦しかった。それだけは覚えてる。そして気づいたら足を怪我していて、なんかちっちゃくなってて、四足歩行になってて、前を見たら其方がいた。ということだ。だからユリスは命の恩人なのだ!感謝しているぞ!ユリス!」
話してる時のミアはどこか寂しげな目をしていた。
もしかしたら俺より酷い待遇に遭ってきたのかもしれない。それにしても見た目とキャラが少しあってない気がするが、、、もしかすると何千年前から生きていたりしていたのだろうか。考えるのはやめだ。俺は本題に入ることにした。
「俺は世界に復讐する。バグだからって嫌悪するような、ましてや差別をするようなやつは全員殺す。ミアはどうする」
「余は其方についてゆく。それに復讐もしたい。二度と経験のしたくないような思いをさせてきて、まるで玩具のように弄びよって、絶対に許さない、絶対に殺したい」
「なら魔力を授けよう」
「え?」
ミアは素っ頓狂な返事をした。俺はそう言ってミアの胸に手を置いた。
「ちょ、お主どこ触って!って、あれなんだか不思議な力が湧いてくるぞ!」
「それが魔力だ」
俺は手を離してそう言った。
「魔力操作は難しいだろうから何度もやるのみだな。
そして復讐の夢を叶えるために新たな王国をここに作る。バグとそれを元から嫌悪していない善良な人間だけでな」
「ユリスよ!それめちゃくちゃいいではないか!」
「でもその前にミアが能力をゲットしないとな。今日から特訓の毎日だぞ。覚悟はあるな?」
「もちろん。なんだってやってやるさ。復讐のためならば」
こうして俺らは魔法を鍛え上げるのだった。彼らが
今後世界を揺るがすほどの力を手に入れることも知らずに。
投稿頻度は少し低めですが一つ一つ長めなので許してください。すいません。ぜひ次の話も見てくれると嬉しいです!!




