鳥 03
「ものすごい事になっとるのー」
「富士山って山が爆発したんでしょ?勿体無いわよね綺麗な山だったのに・・・」
博士の研究所にやってきたエレムミーネ達は映像を見てびっくりしていた
「お父さまは謎のエネルギー体とやらを見に行くんですか、なんだか危ない予感しかしないんですが・・・」
フーナの心配は当たっていた、こういう時の謎とかつくものにマトモなものはないのだ
「まあいいわ、わたしもダムガンでいくから」
「そうじゃのう、サポートは必要じゃろな、わしも行くわい、フーナはここで待機じゃ」
「り、了解ですわ」
「うむ、そう言うと思ってゼータとF91の発進準備はすんでいるが、ふむ、、しかし、いや・・・」
ダムガンで出撃しようとする2人に博士は少し考える様子をみせた
「どうしたんじゃ博士」
「いや、まあ、アンドロイドの私が言うのもなんだが、嫌な予感がするんだ、予感なんだがね・・・」
「わたしも嫌な予感はしてるわよ、死亡フラグ?そういったのがね、だから無理はしないわよ」
「無理はしないか、それも死亡フラグでよくあるパターンなんだがね、できるかぎりダムガンに乗って死なないようにはしてあるんだが・・・」
「大丈夫じゃよ、わしと博士の作ったあの装備があるからの!」
博士が作ったダムガンシリーズにはとある装備が搭載されている、それは魔法と科学が合わさり出来た奇跡をおこす装備だった。
「安全性はアニメ版を遥かに凌駕しておる、行くぞい!!」
「行くわよ!福太郎がまってるわ!」
2人はΖダムガンとダムガンF91に乗り込むと勢いよく飛び出した
「乗れエレムミーネよ」
飛行形態に変形したΖダムガンの上にダムガンF91が乗っかる
「オッケーよ、全開で飛ばしてよねテレサさま!」
「しがみついとれよ!」
テレサはΖダムガンの馬力ハンドルを全開に押し込む、Ζダムガンはそれに応えるようにとてつもないスピードで飛ぶのであった。
福太郎は富士山跡地から離れた場所にいた
現在の富士山の跡地は煙などで視界不良で全然見えない状態だったのだ
「もっと近づきたいけど・・・」
センサーでとらえている謎のエネルギー体を警戒して遠くから観測しているが正体が分かるほどの情報が手に入らない、偵察用のドローンはソレを捉えることもできずに全部墜落したのだ、原因は不明
「それにしても凄い魔力を感じるわね、巨大すぎて感覚が麻痺しちゃうわー」
「ふあー、アレはヤバいねお兄ちゃん、てぃあなはもっと離れたほうがいいと思うけど・・・」
「過去イチで不味い状況だな」
正直いって自分に備わっている危機感知能力の鳴り方が魔王と闘った時よりも激しい、しかしほっておくことはできない、アレがなんなのか確認だけでもしておかないと手遅れになる可能性だってあるのだ
「もう少し距離をとって観察するか、警戒態勢MAXでな」
「いっそのこと突撃するのもありかもよ」
「ピノちゃん、コンテニューはできないんだよ」
はやまった行動は死を早めるだけ、臆病者は長生きする、安全第一だ、目覚めたばかりの幼女を死なせたくはないからな、そう思いもっと距離をとろうとした時
ズヒョオオオオオオオオオオオオオオオオオオオーーーーーーーーーーーーーーーーー
猛烈な風が富士山跡地から吹いてきた
「風が!」
周囲のものを全て吹き飛ばすほどの突風により福太郎の乗るダムガンも富士山周辺を覆っていた煙たちとともに弾き飛ばされそうになる
「げっ!なによアレ!?」
風のおかげで視界がひらけて富士山跡地が見えてきた
「あんなに綺麗だったのに・・・」
富士山は完全に消滅してまるで隕石でも落ちたかのようなクレーターができていた、そしてそのクレーターの上には大きくて黒い物がある
『アレはゲートじゃ!』
福太郎の後方まで飛んできて停止したΖダムガンから師匠が叫んだ
「アレがゲートですって?あんな大きなものが?」
ピノは驚愕する、富士山跡地にできたクレーターの上にある黒くて巨大なゲートの大きさは千メートルを超えていたからだ
「福太郎お兄ちゃん!これがゲートだったら、この大きさに見合うだけの者が現れちゃうよ!!」
8歳児の輝空奈が叫ぶ
「そ、そうだな、このゲートを使う奴が向こう側にいるってことだからな」
『このゲートがどこに繋がっているのかすら分からないんだから危なすぎるわよ!福太郎も距離をもっととりなさいな!』
後方で待機しているエレムミーネが言う通りに福太郎は後退して距離をとり後方の2機と並ぶ
『縦1050メートル、横1050メートルの円形のゲートだね、これを作りだしたものがいる、これは自然発生的なものではない、信じられないが・・・解析不能だ』
博士の声は少し震えていた
『愛弟子よ、ゲートの向こう側から気持ちの悪い波動を感じるじゃろ?いるぞ向こう側に笑えないものがのう』
『わたしにも感じるわ、気持ちの悪い視線を、男達のいやらしい視線を何倍にもしたような不愉快な感じをね!』
師匠とエレムミーネが言う通り、さっきからソレはゲートの向こうからコチラを見ていた、舌なめずりをしながら
《餌、餌だ、芳醇な香り、上質な餌の香り・・・》
頭に響く気持ちの悪い声
「来るよ!福太郎お兄ちゃん!」
輝空奈が言うと同時にゲートが歪みだす
ミシ、ミシ、ミシミシミシミシ!
歪んだゲートからソレは姿を現し始める、
最初にクチバシ、
そして頭から首へ、
次に胴体、
しかしなかなか胴体が出てこない、つっかえて出られないのだ、直径千メートルもある巨大なゲートですらソイツには狭いのである。
《グギョギョギョギョギョーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー》
奇怪な声を上げながらソレは無理やりゲートから出ようとする、ミシミシとさらにゲートが軋む音がする
メキョッ!ビキビキッ!!
ゲートの周囲の空間がひび割れる
《グケケケケケケケケーーーーーッ!!》
クチバシを大きく開けて笑い声を上げながらソイツは勢いよくゲートを粉々にしながら飛び出てきた
「うぷっ、気持ち悪い」
ピノが口を押さえて呻く
師匠も低く呟く
『鳥、鳥なのか、なんという姿じゃ・・・』
ソレは黒くくすんだ紫色をしていた、千メートルを有に超える大きさのソレはカラスに似た姿をしている、飛び出てきた鳥は富士山跡のクレーターの上に降り立つ
ギョロギョロと黒紫の顔にある白い目玉を動かしながら巨大な翼を広げた
『なんなのよ、こんなものが居るなんて、それも目の前に』
顔を青くしたエレムミーネは少し涙目になっていた、これまで福太郎達は異世界アストランタンで巨大な生物と何度も出会ってきた、この鳥よりも大きいドラゴンと戦ったこともある、だが、この鳥の魔力はそれらとは比べものにならないぐらいに強力だ。
《餌、》
そう呟いた鳥は福太郎達を見た
《美味そうな魔力、上質な餌》
ベロリと赤い舌がクチバシから涎とともにベロン垂れていた
「餌って、てぃあな達のことかな・・・」
か細い声で輝空奈は呟く
《食べる、餌、いい匂いの餌、喰らう》
鳥からのプレッシャーが大きくなった
『福太郎くん!攻撃が来る!気をつけるんだ!』
博士の声と同時に空が光った
ドッシャアアアアアアアアーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!
極太の光の束が空から鳥へと降り注いだのだ、博士の言った攻撃とは宇宙からの、月の兎達から鳥に対しての攻撃だったのだ。
その光の束は巨大な鳥を飲み込み大地を蒸発させていく
「す、すげえ!」
福太郎はその光景をみながら凄いとしか言えなかった。




