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鳥 02




さて世界一周とか言ったけど、さすがに幼女にはキツイだろうと思い日本縦断にしておくことにした。


「この辺りは大阪という西日本最大の都市があった場所なんだけどな・・・」


「街の面影なんて少しも残ってないわね〜」


沢山の湖が大阪があった場所にできていた


『超高次元体が作ったクレーターに水が流れ込んで出来た湖たちだよ、大都市はだいたいそんなふうだね』


博士が通信で教えてくれた


「ふへー、綺麗な湖だね〜」


青く澄んだ湖、たくさんの野鳥たちがいる、あれってコウノトリじゃね?


輝空奈にさっそく日本の大自然を見せてあげられた


「こうなる前は二千万人ほど人間が暮らしてたらしいわよ、信じられないけどね」


モニターに西暦2200年代の大都市大阪の画像が映しだされた、とてつもない大都市だった。


「あれだな、こんな狭い土地にに二千万人とか正気じゃないよな・・・」


天をつかんとばかりに建てられた沢山の超高層ビルを見て疑問に思う、こうまでしてここに暮らす意味はあったのだろうかと・・・


「きっとあれよ、客の入ってないガラガラのパチンコ店よりも客が大勢いるパチンコ店のほうが良いように見えるから入っちゃう現象と一緒ね!」


「・・・まあ、そんなもんだろうな」


人が居る場所に人が集まるのは生き物としての習性なんだろう、それが良いか悪いかは分からんが、まあ西暦2200年代は地方にも人はけっこう住んでいたようだから良いということにしておこう。


そして東へ海沿いに飛んでいく


「ふはあ〜綺麗な山だ〜」


「富士山だな」


「これがアニメで有名な富士山ね」


日本の誇り富士山は西暦2501年でも健在だった。


「結局富士山は噴火とかしなかったんだな」


よく富士山が噴火したら?とかテレビでやってたのにな


「富士山、富士山かあ〜」


全周囲モニターに映されている富士山は山頂を雪で白く化粧されて美しく、輝空奈の心を掴んでいた、じつは俺もじかに見るのは始めてなので嬉しい


「すごい綺麗な山よね、もっと近くに寄ってみましょうよ」


「こういうのは遠くから眺めるから綺麗なんだよ」


俺達は富士山が綺麗に見える距離を保ちながらゆっくりと静岡から山梨側へと移動する、いちばん綺麗に見える場所はどこなのかを決定するためである


「富士山って静岡県が1番でしょ?山梨県とか関係ないじゃん」


「お前、山梨県民に聞かれたら標本にされるぞ」


「どこから見ても綺麗だよ、富士山は」


輝空奈の言う通り、富士山はどこから見ても綺麗だし、どこから見えても嬉しい存在なのだ、今度はエルフ達にも見せてやろう


ビーー、ビーー!


いきなりのブザー音と共に、モニターに日本地図が表示される、地震がきたらしくて各地の震度が日本地図に表記されていた


「おっ、地震か?」


「この世界って地震多いよね〜」


見てみると富士山の周りがとくに高い、震度6とか地上にいたらヤバいくらいだ、しかもまだ揺れ続けているみたいで木が倒れたり地割れができたりと凄いことになっている。


「ふわぁー、富士山が揺れているよ!」


モニター越しでもわかるくらいに富士山が揺れていた


え?富士山ヤバくないか?


「噴火するんじゃないの!!このタイミングで?すごすぎない!!」


ピノが興奮して騒いでいる、それぐらいに富士山は揺れていた、外部音声をいれると、地鳴りのような音が続いていた、ブルブルブルとバイブでも仕込んであるかのように富士山が震えている。



『福太郎くん、富士山の地下に巨大なエネルギーを感知した、これはマグマではない!!離れたほうがいい!!』



博士の声がすると同時に俺はペダルを踏みこみ富士山から離れる


ドッゴーーーーーーーーオオンンン!!


富士山が破裂した

爆発ではなくて破裂だ!


富士山だったものが飛んでいく、岩や土砂や樹木、そして溶岩の塊などが辺り一面に広がっていく



「福太郎、福太郎!!」


「お兄ちゃん、海!海があるよ!」


フルパワーで南に飛んでいる俺達の前方に海が見えてきた、駿河湾だ、そして後方には地獄のような風景、陸津波のように富士山の残骸が追ってくる


「海中遊泳よ!ダムガンでダイビングといきましょう!」


「了解!!」


ダムガンで駿河湾に突っ込む、海底を沿って全開で進む


バシャバシャバシャバシャバシャバシャバシャバシャバシャバシャバシャバシャバシャバシャバシャバシャバシャバシャバシャバシャバシャバシャ!!!


土砂や瓦礫が駿河湾に降り注ぐ

そんなものは無視してどこまでも潜航していく

このダムガンV2は水深一万メートル以上は潜れる、博士はマリアナ海溝ぐらいは余裕だと言っていた、駿河湾の水深は深いらしいが全然平気だ


「凄いことになってるわね・・・」


「ふわぁー、地獄絵図だーー」


モニターには衛星から映されている富士山周辺が表示されていた


静岡、山梨、長野を飲み干した富士山の残骸、そして大火災、秋の終わり、冬の始まりで乾燥した森林は燃え上がってその炎はどこまでも広がっていく


『姫路のほうまで岩石が飛んできたよ、シールドで防いだが、これは大災害だ、しかも富士山があった場所にはいまだに巨大なエネルギーの塊が存在している、正体は不明、粉塵のせいで確認できない、悪い予感がする、気をつけるんだ』


飛んでくるものが無くなるのを確認してダムガンを浮上させていく、海面上に出た俺達が見たものは真っ赤に燃え上がる陸地、それを覆う砂塵と火山灰


「さっきまでの綺麗な風景が嘘みたいだわ・・・」


「ふわぁ〜自然って恐いね・・・」


ピノと輝空奈は目を丸くしていた


「ビフォーアフターが極端すぎるな・・・」


とんでもないタイミングで富士山の最期を目撃してしまった、こんなことある?


「謎のエネルギーの塊とやらを確認して帰るか・・・」


すんなり帰れたらいいんだけど、多分そうはいかないんだろうなと思いながら富士山のあった場所へと向かうのであった。


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