表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
74/81

出会い 01




「鳥かね?」


「鳥です」


俺とピノはカオル君と会った後、博士の工房に来ていた。博士と師匠はダムガンの製作に没頭しており港にある工房で住んでいる状況だ。


「ほう、カオルとかいう子供はノエル村出身か、家族構成は父親と子の2人家族じゃな、」


タブレットに書かれてあるカオル君の情報を見ながら師匠は話しを続ける


「ノエル村には千年前に吸血王ルドランクを倒した英雄の1人が余生を過ごしたと聞いているからのう、その末裔やもしれんなカオル少年は」


そんな訳はない、タブレットの情報は全て偽物、情報や記憶の改ざんなど超高次元体にとっては児戯にも等しい。


「大きな鳥が襲ってくるとなれば、空中戦になりそうだね、飛行タイプのダムガンとなればアレかな」


博士が腕を組んで考えている



『大丈夫よ!空中戦ならわたしに任せなさいな!』


モニターの向こうからエレムミーネの声がする、なんとダムガンF91のテストパイロットをやっているのだ。


「あんた調子にのってるけどさ、実戦は甘くないんだからね、アニメならあんたは一瞬で死ぬキャラよ、柿崎よ!」


ピノは最近、超時効要塞マグロスを観始めた、特に劇場版の夢おぼえてますか、がお気に入りなのだ。


『わたしが殺られる?このエルフ王族の天才王女であるわたしがやられるなんてあるわけないでしょう、メスガキ妖精さん、あははは』


画面の向こうでダムガンF91に乗り、飛びまわっているエレムミーネは完全に舞い上がっていた


「ああ、あんたはヤラれないわね〜、ヤルほうだったわ〜、なんせ睡眠姦だからね!」


『う、うるさいわね!悔しかったらあなたも上がって来なさいな大妖精なんでしょ!?』


「ぐぬぬぬ、博士〜早くあたし専用のダムガンを作ってよ〜」


「ピノくんは福太郎くんの相棒なんだろう?福太郎くんが乗るダムガンが君のダムガンでもあるのさ」


「そうね!あたしは福太郎の相棒なんだからメインヒロインだったわね!」


位置的にはマスコットキャラなんだけどな


「それにしても上手いもんだな」


俺はエレムミーネの操縦を見て言った


「今のダムガンシリーズの操縦系統は全てが魔力によって反応しているからね、魔力の使い方や魔力量に秀でている者ほど操縦が上手くできるのさ」


「わしと博士達が生み出した地球科学と魔法技術のハイブリッドはダムガンのみにあらず、宇宙戦艦とか作りはじめたからのう、今度見せてやるからな愛弟子よ期待しておけ」


宇宙戦艦ときたか、すでに地球の科学は宇宙に進出しているが太陽系外までは及んでいないらしい、もしかするとワープとか開発していたら活動範囲が凄いことになるぞ


「アカギね!宇宙空母アカギを作ってるんでしょ!」


ピノが興奮している


「まあ今は超高次元体への対応が優先だからね、アカギはまだ先の話さ」


そう、優先すべきは超高次元体なのだ、あれから出現しないが安心なんてできないからな


「ところで俺が言っていた機体はできてますか?」


「うむ完成までもう少しじゃ」


「なかなかに難しい注文だったけどね、ピノくんも気にいると思うよ」


「言ってたアレができてるの?どこなのさ!」


俺達はその機体がある場所まで案内される


そこには新しい俺の乗る機体が立っていた。





新しい機体は後日完成してから乗ることになった


「カッコよかったわね」


「そうだな、俺はあの機体が好きなんだよ、作中でも強かったし」


「光の翼とか再現できるんでしょ!激アツじゃん」


「興奮するよな、アレはカッコ良すぎるからな」



新しい機体を見て満足した俺とピノは駅前に帰ってきていた、もう日が暮れていい時間帯になっている


「エレったら調子に乗り過ぎて魔力疲れでヘトヘトになってたわね、いい気味よ」


「慣れないとああなるからな、いい勉強になっただろうな」


そんなことを言いながらホテルの部屋に帰ってくると、なんと先客が待っていた



「おっつー、おかえみー!待ってたよ〜」


「おかえりなさい、勝手に入ってしまいましたが、私は先にこの部屋に侵入していた新菜ちゃんを叱りにきただけですので」


ソファーで寝転がる女子高生アンドロイドの新菜と、それの上でスタンガンをバチバチさせている詩織が部屋に居た。


「すぐにこの頭がおかしい娘は回収するので安心してください」


「そんな軍用スタンガンなんて使うの止めようよ〜、うちが壊れちゃうじゃんか〜」


スタンガンを当てようとする詩織の腕を掴んで回避しようとしている新菜、俺はそれを見て回れ右をした


「今日は別のホテルにするか」


「そうね、たまにはいいのかもね」


そう言いながら出ていこうとすると


「待って、まつちえ!本当に大事なお話があるんだよ〜」


「そうですね、冗談はここまでにしましょうか」


2人はじゃれ合いを止めてソファーにちゃんとした姿勢で座りなおした。


「大事な話?」


「そうだよ〜」


俺とピノはこの女子高生アンドロイド2人組の話とやらを聞くことにした。


「じつはね〜、日本人がもう1人増えることになったんだよ〜」


「はい?」


日本人が増える?


「はい、日本人の女の子です、皆さんも知ってるはずです」


「あたしらの知り合いなの?」


「知り合いというか〜、見たことがあるんじゃないかな」


「?」


誰のことだろう?


「書写山研究所です」


『!』


俺とピノは顔を見合わせた


カプセルの中で眠っていた人工的に作られた人間。



「目覚めたの?魂とかないのに!」



「うん、ちゃんと生きてるよ〜」


「明日でいいので、その女の子に会ってあげてもらえませんか?」


「どうするの福太郎?」


「まあ別にいいんじゃないかな」


「ありがとうございます、明日迎えに来ます」


「ええ〜!泊まればいいじゃない?遺伝子も、アキャーー!!!」


バリバリバリ、と軍用スタンガンが新菜に炸裂した。


「それでは福太郎さん、ピノさん、おやすみなさい」


詩織はピクピクと痙攣している新菜を担いで部屋から出ていった。


「博士は何も言ってなかったんだけどな」


「あたし電話で聞いてみるわ!」


ピノが博士に電話をかけている間に俺は風呂に入ろうとバスルームに行くと


「これに入れと?」


すでにお湯が張られてたのはいいが、甘ったるい入浴剤が大量に入っていた、バラの花びらと一緒に。


なにをしたいんだ新菜は?


仕方がないので入ってみると思いのほか良かったのは意外だった、何事も試してみるものだと1つ学んだ。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ