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姫路大病院 02




「はあ〜〜生き返ったわマジで・・」


「ほんと最高のお湯だったわねー」


「極楽だったわー」


姫路大病院の10階は丸ごと温泉施設だった、俺、ピノ、エレムミーネは風呂上がりにマッサージチェアでのんびりとしている。


「めちゃくちゃ広かったな露天風呂、広いし豪華だし、露天風呂から見る姫路城は最高だったよ」


「お風呂で泳げるなんて素晴らしいことよね」


エレムミーネは露天風呂で泳いだらしい


「まったく子供みたいなことしてるんじゃないわよ」


いやピノもキャアキャア言いながら泳いでただろ・・


俺が温泉に浸かってたらピノも入ってきた、エレムミーネは流石に女湯に行ったけどね



「凄かったでしょう、当院の温泉施設は」


いつの間にか院長さんが俺の隣のマッサージチェアに座っている


「開設したのはつい最近ですから知らない人も多いと思うんですよね、宣伝してもらってもいいですか?」


「いいけど別に病院に温泉なんて作る必要あったのか?」


温泉なら別の建物でも建てればいいのに


「あくまでこの温泉は医療施設の一環なんです、湯治ですよ湯治、それにここに登って来るエレベーターで人間さんの身体をスキャンして異常がないかを監視することもできますしね〜」


「そんな機能付いてんの?あのエレベーター」


この10階にくるには1階にある専用エレベーターからしか来れない、監視か、なるほどなそういうことか


「そういうことなんですよ〜」


ここは未来の街なのだ、俺達が気づかないだけで何処にでも監視の目はあるのだろうな


「さて福太郎さんの身体に異常はなさそうですし、私はお仕事に戻りますね、ああそうそう、退院おめでとうございます、またのご利用お願いしますね」


「病院にはあんまり来たくはないけどな」


「温泉ですよ温泉、入りにきてくださいね」


そう言いながら院長さんは行ってしまった


「俺達も帰るか、早くこのピンクのパジャマから解放されたいからな」


「ええ、似合ってるじゃん」


「悪くないと思うけど?」


マジか、ピンク色でハート柄とか正気じゃないと思うが?

こればっかりはセンスがどうとかではないと思った。


その後、病室で待ってくれてた師匠とフーナと合流して病院から出る、外から見ると本当に大きな病院だ。


「モノレール1本で来れるのもポイントが高いですわね」


姫路駅から東に建っているこの大病院にはこれから沢山の人達が訪れることだろう、エルフには治癒魔法もあることにはあるが魔力の大きさによって回復力が違うし色々と手間が多いのだ、薬草も漢方薬みたいなものだしな。


「さてとホテルに帰るか」


「えっ、わたしたちと暮らさないの?」


「あー、まあ、当分はこのままでいいかと思ってる」


「まあ、福太郎はあたしと一緒だから寂しくないってことよねー、あんたらはさっさとあのデカい家に帰りなさいな」


「お父さま・・・」


しょぼんとするフーナ


「ま、まあ、フーナ1人ぐらいだったら一緒に住んであげてもいいんじゃない」


しょぼくれるフーナを見て焦るピノ


「慌てる者は貰いが少ない、と言うじゃろ?愛弟子もお主らも時間をかけて答えを出せばいい」


わしは博士のとこに行ってくる、と師匠はモノレール乗り場に行ってしまった。


「そうね、わたしたちは家族なんだし、いつか一緒になれるわね」


「いやいや、あんたは福太郎の嫁でもなんでもないでしょうが、ボケてんの?」


「マスコットに言われたくはないわね」


「マスコットにすら負けてるでしょ、あんたのポジション」


やいやいと言い合いをする2人を見て苦笑しているフーナ、まあ、あれだな、これから先の俺達はずっとこのままのような気がする、知らんけどね。








次の日の朝、俺は大手前公園に来ていた。


「ここにゃ!ここで福太郎が死んでたにゃ!」


公園の真ん中でタマコが大声で教えてくれた、お前の横にいる俺は幽霊か?


「お姉さんが見た時はボロボロのボロ雑巾みたいだったわよ、元気になって良かったわ〜」


タマコが言う通りよくぞあの状態で帰ってこれたものだ、次元の壁を切るなんて今の状態の俺ではできないだろう、あの時の俺はなんだったのか、あの感覚は一体・・・


「エルフの男の子が見つけてくれたのよ」


「白髪のエルフの小僧とか珍しかったのにゃ」


「そうか、今度お礼を言っとかないとな」


後で誰だったのか聞いてみるか


「それより朝ごはん食べにいくのにゃ!」


「朝食か、まだ食べてないわね〜」


「それならゴメダ珈琲がおすすめね、あたしゴメダ好きだからさー」


「じゃあゴメダ珈琲に行くか、タマコ、ワンコも俺の奢りだからすきなだけ食べてくれよ」


「やったニャー、いっぱい頼みまくってやるんだにゃ!」


「あんたゴメダを舐めてたら痛い目みるわよ・・・」


そんなことを言いながら公園を出るとパトカーがやって来た

、乗っているのは婦人警官(パチンカス)だった。


「いやー福ちゃん、ピノっち、いきなりで悪いんだけど一緒に来てくれないかなー」


「どうかしたのか?」


俺が問いかけると、


「あーーっ、まあ事件が起きてねー」


「事件ってなにさ?」


「エルフの若者達による強盗事件なんだよ」



『へ?』


俺達は予想もしてなかった事を言われて間抜けな声をだしてしまった。


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