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ハグルマ



「はあ、はあ・・」


死にかけた、まさか自分達の母星ごと消滅させにくるとは、俺ひとりにそこまでするとは、どうしてそこまで?


「まあ、そんなことはもういいや・・」


右腕が死んでるな、左腕はなんとか動く、俺は左腕に魔力を集中させる。



たしかに聞いたのだ、あの時、焼け潰されそうになった時に


『カチリ』


と俺の中から聞こえたのだ。


小さな『歯車』が合わさる音が、

そしてそのハグルマが廻る音が聴こえたんだ


そのハグルマが俺の奥底にあるモノを

今まで固まって動かなかったモノを動かし始めたことを感じる。


「だからお前達を殺すぐらい・・・」




ハシュバシュバシュワーーーーーー


万を超える黒い光の糸が俺へと飛んでくる


だが俺は何もしない、かわしもしない、防ぎもしない、ただそこで立っているだけだ



フワァーー


俺から発生しているであろう虹色の粒子が黒い光の糸を全てかき消してしまう


〚私達の悲母の糸が何の意味もなく消えるとは!〛


「悲母の糸っていうのか、ヤツらの劣化版だな」


だらりと立っているだけの俺にアルテマ人は容赦なく攻撃してくる


黒い悲母の糸

巨大な黒い玉

高速で回る黒いノコギリ


だが俺には届かない、全身から出ている虹色の粒子が全て消してくれるのだから


ああ、今の俺は人間ではない・・のか


「でも気持ちがいいな、宇宙空間は実に居心地がいい」


どこまでも広い宇宙、何も無い闇、静かだ


俺は左腕を下から上へと振り上げた


ピカッ


俺に攻撃していたアルテマ人が居る前方の宇宙が虹色に光り輝く、そして音もなく爆発した。


「残り350・・・」


今ので300匹のアルテマ人が消えた


〚!!〛


「殺しにきたのはそっちなんだ、恨むなよ」


俺は左腕をまた振り下ろそうとした


〚お待ちを!!〛


残りを掃除しようとする寸前、俺の前に現れたのは口が赤いアルテマ人だった。


「命乞いか?」


〚はい!私達はもうあなた様と戦いません〛


「なあ、俺をボロボロにしてくれたくせに負けそうになったら勝手にゲームセットなんてできると思うか?」


〚私共とあなた様は同じ敵を持つ者同士!手を組んだほうが得策だと思います!〛


「はあ?はは、ハハハハ、ハハハハハハハハハハハッ!!」


俺は笑う、笑いが止まらない


こんなのに血を流させられたのか俺は?


「お前らは超高次元体に命乞いをするべきではなかったんだよ、他の生命体と一緒に死ぬべきだったんだ、情けない」


〚私共を侮辱なされるのですか・・〛


「侮辱ではない、真実だ」


そして終わらせる、終わらせてやる。


左腕を大きく振ってやる


〚まっ、て、〛


俺の周りが虹色に染まり爆発した

真っ黒な宇宙空間が虹色に照らされたのだ。


そしてソレがおさまるとまた静かな宇宙になる

そこにはもうアルテマ人はいなかった。



あっ、この感覚はまずい


ハグルマがまたはずれてしまう

また元の人間に戻ってしまう


無限倉庫から聖剣を取り出す

そして魔力を込める、聖剣が見たことのない色に輝いた、今なら切れる!


目の前の何も無い場所を切った


何も無いのに切れてしまう、コレが次元の壁か

手応えは豆腐を切った感覚に似ていた


その瞬間、ハグルマが外れた

意識がなくなる前になんとか次元の切れ間に倒れ込む


大丈夫、ちゃんと帰れるはずさ・・・


そして俺は意識を失った。



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