それは悪意ではなく
千匹のアルテマ人から放たれる黒い光の糸は何万という数になった、それを防ぐ?無理だろ
ドシュシューーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!
(逃げる一択!無差別テレポート!)
シュッ!
鼻先まで攻撃が迫ったところでテレポートが間に合った
〚逃げたか〛
福太郎が居た場所はアルテマ人が放った『悲母の糸 弱』で焼けただれていた
〚惑星の裏側か、次元は跳べないのだな、未熟な〛
超高次元体があのような下等生物を気にするなど、上位高位次元体にアレがなれるはずがないだろうに私達ですら指先ほども届かなかったのにだ。
〚予定変更だ、いたぶり殺してやろう〛
そしてアルテマ人も跳ぶ、福太郎の逃げた場所へと。
「殺風景な場所だな」
テレポートで跳んだ先はやはり赤い大地と赤い空が延々と広がっていた、ここが奴らの母星なのか?文明の欠片すらないんだが
「千匹か、殺すか」
俺は無限倉庫から籠手を出して装備した、姫路で作った特注製だ、これで少しは楽ができる
「来る!」
俺は前に飛んだ、そこにテレポートしてきたアルテマ人が現れる、それをビームソードで首を切り落とす。
「次!」
横に飛ぶとまたアルテマ人が現れる、ソレの首を落とす。
「もう一丁!」
俺には妖精の目という能力がある、ピノと契約した時に手に入れた『少し先が視える』という目だ
バシン!
ビシュ!
テレポートしてくるアルテマ人の場所を妖精の目で視て攻撃する、転移してきて無防備な相手の首を狙うという汚い攻撃だが、多人数で殺そうとする相手に遠慮する必要などないのだ。
「恨むなよ、アルテマ人さん!」
一斉にテレポートしてくるアルテマ人を無差別に殺していく、だが数が多いから反撃がくる
〚無駄だ下等生物よ〛
黒い光の糸が飛んでくる、俺は魔力を籠手に流すと左右に虹色のシールドが現れて弾き返してくれる。
「無駄なのはそっちさ」
〚忌々しい◼️◼️◼️◼️が〛
また◼️◼️◼️◼️か、この虹色のエネルギーのことだろうがコイツラは使えないのか?確かにコイツラからは魔力の欠片すら感じない。別の黒いナニカが感じられるだけだ。
ズシヤーーババババババババババ、シュゴアアアアーーーーーーーーー!
辺りを埋め尽くすアルテマ人の攻撃、黒い糸や黒いエネルギーの塊、そして巨大な黒い刃、俺はそれらを交わし弾き返しながら確実に切り殺していく
〚相性が悪すぎるのか?私達の『衣』をいとも簡単に切り裂くとは・・・〛
見つけた、アレが大将だな、黒い人型の顔に赤い口、他が白い口なのにあの一体だけが違う
「狙いたいが、無理か!」
攻撃が激しすぎるのだ、ダメージは無いが防いだ時の衝撃で吹き飛ばされるから前に進めない。
(仕切り直しだな)
シュッ!!
俺は隙を見てテレポートを使った
そしてまた奴等のいる場所の反対側に出る
(追ってくるんだろ?)
奴等がテレポートしてくるのを待つ、残りは700匹ほどといったところだろう
「!?」
嫌な予感がした、だからその場から大きく飛んだ
バシュ!!
ヴァギュ!!!
ババババババババババ!!!!!
足元から、俺の立っていた大地から黒く太いエネルギーの柱が突き抜けてきたのだ
「こんなことを、正気か?」
星の裏側から一直線に俺を狙った攻撃だ、次から次へと大地から生えてくる黒い柱
「数が多すぎる、かわせない!!」
バギン!
かわせずマトモに食らって吹き飛ばされる、もちろん虹色のシールドが防いでくれるが衝撃は大きい
バカン!
ボカン!!
ドガゴン!!!
交わしきれずに何回も吹き飛ばされる、足元から何万本の攻撃なのだ地雷原でサッカーをしてるようなものなのだから
「ゲホ!」
血反吐を吐く、不味いなダメージが、死ぬぞ!?
「分かったよ、今から殺しに行ってやる・・・」
シュッ!
腹をくくる、テレポートして奴等の居る場所へと跳んだ。
・・・・
まあそうだよな、罠だ
ゴオオオオオオ!!!!!
アルテマ人の居る場所に出たら頭上に大きな黒い燃え盛る太陽のようなエネルギーの塊、直径10キロメートルはあるだろう
〚きひゃはははは!〛
アルテマ人は宇宙に居た、そこからの攻撃だったのだ
テレポートは連続で使えない、次まで数秒かかる、その数秒が問題なのだ、黒い太陽はすでに大地に落ちてきてるのだから、俺を中心にな!
「ぐおおー熱い熱い!!重い!痛いーーーーっ」
惑星ごと燃え潰すこの攻撃を受けてまだ生きていること自体が異常、防御全フリ!全開の虹色のシールドで全身を守る、だけど限度がある
「こ、これは・・・・」
死ぬな・・・
アルテマ人の頭領は遥か遠くからソレを観ていた
〚未練は無い、さらばだ母なる星よ・・〛
全宇宙を支配して輝かしい文明を誇っていたアルテマ星、かつては宇宙から見る母星は美しく青く光り輝いていた、だが今は赤く荒れ果て死んだ星
〚いや、死んだのではないな、殺されたのだ〛
超高次元体によって蹂躙されたこの中位次元帯00000089の運命はすでになかったのだ、いつかは上位へと至るのを信じて屈辱と共に生き延びた千人の仲間達、しかし無駄だった。
〚お前達、これまで付き合わせてすまなかった、終わりにしよう〛
この地球人を殺して超高次元体に挑もう、そこが私達の死に場所になる
ズオオオオオオオオーーーーーーーーー
『時極の太陽』により崩壊していく母星を見ながら最後の舞台は地球、あの超高次元体の王が居るのだ、このような機会はもうないだろう。
〚さあ行こうか〛
『どこにだ?』
声がした、あの下等生物の声だ
シュアアアアアアアアアアアア
崩壊するアルテマ星から虹色の太い柱が伸びる
〚バカな!〛
その虹色の柱は瞬く間に崩壊する母星を包み込み破裂した、全てを吹き飛ばしたのだ
ゴオガガガガガガガガガガガガーー!!
大量の星の欠片が宇宙で観ていたアルテマ人へと超高速で降りかかる、防ぐ、が防げない者は潰されて死んだ。
そして見た
母星があった場所にいる虹色に輝く人間を
ボロボロだった、血だらけで両腕はだらんと力無く垂れ下がっている、だが
『・・・なんかしらんけど、悪いな、今から皆殺しだ』
頭に響いてくる下等生物だった者の声
皆殺し?
〚ああ、そうなるのだな〛
アルテマ人の頭領はそう思った
そして予感は当たる
アルテマ人の滅びの時がきたのだった




