新型というモノ達
西暦2501年、新しい姫路駅からはモノレールが走っている、新型姫路モノレールだ
「姫路モノレールか、まさか今になって復活するとは大昔の姫路市長も想像してなかっただろうな」
現在の姫路の街は姫路城を中心にして東西南北に住宅街がある、異世界から来た人達はそこで暮らしていて、その人達の移動手段として姫路モノレールが復活したわけだ。
ちなみに懸垂式モノレールである
「あたしこの乗り物好きなんだよね、遅いけどさ」
ピノは前面の窓にかぶりつきで景色を見ている、同じように数名のエルフの若者が立ったまま車窓を楽しんでいた。
最近増えてきたマニアの人達だろう。
まあ座れよ、席なら空いてるぜ?
「姫路港なんてタクシーなら15分で着くのに、モノレールで右回りしたら50分もかかるからなー、停車駅が多すぎるんだよ」
ちなみに自分で飛んでいけば港まで3分もかからない
「あーっ、左回りとすれ違うよ!」
前から左回りのモノレールが来て俺達が乗っているモノレールとすれ違う
『おーーーっ』
ピノやマニアの人達が小さな歓声を上げた
この人達は将来カメラを買うことだろう、そして新世代の撮り鉄が生まれてしまう未来が見えた。
「モノレールに乗ってきたのかい?」
姫路港にある工房に着いた俺達に博士が、遅いと思っていたよ、と笑いながら言う。
「モノレールは良いものよ、未来に生きてるわ!」
「地下鉄のほうが早いだろう?」
「地下鉄は景色が見えないから嫌い、そのてんモノレールは景色が最高なのよ、24時間乗ってられるわ!」
フンフンと鼻息をあらくして語るピノ
モノレールと地下鉄、さらには路線バスまで走っている、しかも24時間オールナイトで運行してくれて、運賃は無料なのだ、設備も最新でいうことなし。
「さて、来てもらってすぐで悪いが、さっそく新型ダムガンの飛行テストといこうか」
俺達の前には新しいダムガンが2体並んでいる、ZダムガンとダムガンWだ。
「行くわよ福太郎!」
真っ先にダムガンWのコクピットに飛び込んでいくピノを追いかけて俺も乗り込む、新しいコクピットは前の機体よりも広かった。
「シートが変わったな、操作系も前より簡単になっている」
『操作系は異世界の素材を多く使用してある、君の魔力を流せば前の機体より自由に動かせるはずだ』
魔力を流してみると俺の身体がダムガンWと一体化した感覚になる
『シンクロしたようだね、さあ、君の好きなように動かすといい』
そして俺はダムガンWを大空へと舞い上がらせた、その感覚は自分自身が飛んでいるのと変わらない。
「凄いなこれは、前とは比べ物にならないほどの操作感覚だ・・・」
『愛弟子よ、どうじゃ凄いじゃろ?』
師匠の声がするので見てみるとZダムガンに乗り込んで空へと上がってきてた、いつの間に?
『行くぞ愛弟子よ、わしに付いてこい!』
師匠のZダムガンが東へと飛んでいく
「浮かれてるなぁ」
「テレサってダムガンにハマっちゃったからね、ノリノリで開発に参加してたし、アレはもうオタクよ、ダムガンオタク」
あたしと同類ね、と言うピノ、超高次元体との戦闘の後、師匠はダムガンに興味をもったらしくアニメを観始めたのだ、ちょうど神武闘伝ダムガンWを観終わったらしい。
「ダムガンはあたしらのほうが先輩なんだから負けられないよ」
「任務了解」
俺は全開で師匠のZダムガンを追うことにした
その光景を地上から静かに観ている者がいた、白い髪をしたエルフの少年である。
「アレが我らの同胞を消滅させたモノか・・」
【あのような玩具、低次元もいいところですな】
「しかしアレがソレを成したのも事実」
【纏っているのは◼️◼️◼️◼️ですな】
「この次元帯で◼️◼️◼️◼️を見れるとはな」
王は遥か遠くを飛行する2機の人型ロボットを見て笑う。
虹色のエネルギーを機体に纏わせているからだ、それこそが上位次元帯に存在するエネルギー、◼️◼️◼️◼️なのだから。
「◼️◼️◼️◼️ならば我らの〈衣〉を裂くことも可能なのか」
【封印を解けば問題ないのでしょうが・・】
「滅びか、馬鹿馬鹿しい、と笑うのも馬鹿なのだろうな」
だが中位次元帯にこのような者達が現れるとは
「捨てたものではないものだな、下等生物達も」
王は下等生物に少しの可能性を見た、だから
「時間をやることにする、モルモットにそう伝えよ」
【御意】
王は空を舞うように飛ぶモノを見ながら
「ダムガンといったか、少し興味がでてきたな」
なんのことはない子供の玩具、しかし知ることも悪くは無さそうだ、王はダムガンに惹かれるものを感じた。




