さよなら異世界 01
あれから5時間後、俺達は大手前公園に集合していた
「ぐふ、ぐふふふ、どういう仕組みなんだろうねえ〜」
白衣を着た女性型アンドロイドさんが転移装置を見ながら気持ちの悪い声をだしている、
彼女はMAN-ZX-008 陽子さんだ
「姉さん、触れないほうがいいとおもうが」
「わかってる、見てるだけだから、妹よ」
博士とは姉妹機らしくてお互いに姉、妹と呼び合っている
「それじゃあ起動させるからね〜」
エルフ3人組が転移装置を起動させた
ブォーーンという音と共に直径5メートルほどのゲートが現れる
「ふほおーーーーーっ」
ゲートを見て拳をブンブンしながら興奮する陽子さん
「博士、教授ってめっちゃ変わり者だね」
ピノが博士の耳元でささやく
ちなみに陽子さんは皆から教授と呼ばれている
「姉さんはこういった未知の現象に目がないのだよ、だから今回の異世界行きの話が来た時は飛び上がって喜んでいたよ」
「変人だね」
「少し変わってるだけで悪い人ではないんだよ」
常に両手を白衣のポケットに突っ込んでて、さらに猫背、顔は博士に似てて綺麗なんだけど髪はボサボサ、なんでこうも個性的なのか?アンドロイドの幹部はアニメのキャラを参考にして製作されてるのだろうか?
「いやー異世界に行けるなんて思わんかったわー、美人アンドロイド異世界にイクッ、なんてエロい同人誌のネタにでもありそうやな〜」
「触手で吊られたらどうです?異世界なんだからリアルでありえますよ、ちゃんと記録して皆で笑いながら観てあげますから」
「触手もだけど、服だけを溶かす都合のいいモンスターとか居るかもよ、ボタン連打で服を溶かせ!でも結局下着だけ残っちゃうパターン、あっボタンは押しっぱなしでいいから、ほんとに連打したら周りから失笑されるからー」
異世界行きのアンドロイド達、ナナ、トワ、パチンカス、博士、教授の5人を見てるとアニメにもでてくる感情の無い人型美少女アンドロイドがフィクションだと思い知らされる。
「それでは皆さん私達の世界アストランタンへまいりましょう」
「うむ、ではわしが最初に行くとしよう」
1番手に師匠がゲートに入って行く、
「じゃあ次はわたしがいくわ」
続いてエレムミーネ、そしてフーナが
「わたくしは最後に行きますので、皆様お先にどうぞですわ」
「くふふふ、この一歩は異世界人にはなんてことないがアンドロイドにとっては記念すべき瞬間、よ、よ、陽子いきま〜すうぅぅ!」
いつの間にか現れたドローンが教授を撮影し始める。
教授はゆっくりとゲートに近づきカメラにむかってポーズをとりはじめた、記録に残さないと、とか言いながら
「後がつかえてるんだから早くいきたまえ姉さん」
ドンッ!
イラっとした顔で博士が教授をおもいっきり突き飛ばした
「妹よ〜図ったな〜〜」
そんな声を聞きながら博士もゲートへ入っていった
「そんならウチらもいきますか」
と残りの3人も行く
「それじゃー俺達も行くか」
「あっ福太郎さん・・」
ゲートに入ろうとする俺にフーナが話しかけてきた
どうしたのかとフーナを見るとなんだか下を向きながら
「今度でよろしいので、2人きりで話をさせてもらえませんか?大事なお話しがありますの・・・」
「話?まあいいけど」
「よ、よろしくお願いしますわー」
ぺこりとお辞儀をしてフーナは顔を真っ赤にしながらゲートに飛び込んでいった
「なんだ?」
「福太郎、またフラグでもたてたの?」
「そんな覚えないわ!」
彼女に対してはなんかそんな感情がわかないのだ、異性としてより兄弟みたいな感覚がする
「あたしがいるから2人きりで話なんてできるわけないんだけどねえ〜」
「お前っていったいなんなの?」
「あたしは福太郎の半身です」
ちっちゃいなー俺の半身
俺の頭にしがみついて離れないメスガキ妖精をつれて異世界へのゲートをくぐるのだった




