勝利からの
俺は超高次元体が消滅するのを確認して、姫路駅前の大手前通りにある幅50メートルの大きな道路に小型戦闘機を着陸させた。
キャノピーを開けて外に出ると大勢のアンドロイドさん達がどこからともなく集まってくる。
「凄いよ!超高次元体に勝てるなんて」
「観ていて興奮したわ!」
「素晴らしい、ブラボー」
「ケガはない?大丈夫?」
などとアンドロイドさん達が話しかけてくる。
「うわわー、これって街中のアンドロイドさん達?」
普段あまり話さないアンドロイドさん達が大勢いるのでピノがビビっていると
「みんなで応援してましたよ」
姫路で1番最初に出会ったアンドロイドのトワ(010)が教えてくれた
「いやー、こんなに興奮するのは出現率1億5千万分の1のプレミアムリーチを見た時以来だよ」
パチンカス・・・
「戦闘シーンはちゃんと撮影したでー、編集して劇場で公開予定やから期待しといてな、ちなみにウチも出演するからなー、過去の回想シーンで福やんと恋人ナナの濡れ場で」
過去を改ざんするな・・・
「愛弟子よ、アンドロイドさんは個性的で面白いのう、仲良くなれそうじゃ」
個性的?
いったいどんなコンセプトで作られたのか?
作るなら、もっとまともな性格でよかったのでは?
俺がそう思っているのは内緒だ
「おつかれ、福太郎くん、ピノくん、テレサくん」
「博士〜~~」
ピノが博士の方へと飛んでいく
「うわ〜ん、ダムガン壊れちゃったよ〜~!」
「悲しむより褒めてやってくれないかい?ダムガンは期待以上の働きをしてくれたんだ、おかげで貴重なデータもとれた、それは新しい力になる」
「新しい?」
「主役機の交代はシリーズの定番だろ?ピノくん」
それを聞いたピノは「ふおおおーーーっ」と興奮して俺の頭にしがみつく
「新型だよ、新型!福太郎はなにがいい?」
「まあ順番でいったらマーク2だろ」
「えー、マーク2?たしかにカッコイイけどー、変形するやつがいいかも!」
ピノがそう言ってると周りのアンドロイドさん達の中からも、私はZかな、いやニューでしょ、オメガが最強だぞ、とか盛り上がりだした、もしかしてアンドロイドさん達はダムガン好きが多いのか?
そんなこんなでワイワイと盛り上がってると公園にいたエレムミーネとフーナがやって来た。
「皆さん大丈夫でしたか、大丈夫そうですね、ご無事でなによりでしたわ」
「ほんと大っきかったよね〜超高次元体、福太郎なら勝てると思ってたけど、それより今度はわたしも連れてってよね!」
「今度があったらな」
今度は確実にあるのだろう
「あんなのが地球には現れたりするんだが、本当に移住するつもりか?」
記録に残っている超高次元体は1体ではなかったからな、残りの奴らが出てくるのは100%に近い
「地球以外に行くとこないからね」
「そうですね、ちょっとでも生き延びる可能性があるのが地球ですから」
「心配するな愛弟子よ、今回の戦闘であやつに魔力が有効的なのはわかったじゃろ、エルフは魔力の高い種族じゃからな役にたつじゃろ?」
地球の科学兵器の威力は凄まじい、それをもってしても傷ひとつ付けられなかったのに、魔力を上乗せするだけで倒せてしまった、超高次元体に対抗するには魔力を扱える存在が必要なのはあきらかだろう
「向こうに帰ったら超高次元体のことはちゃんと伝えるつもりじゃ、その危険性をな、それを承知で移住したい者のみが地球に来ればいいじゃろう」
「この目で超高次元体を見てしまいましたから移住を強制することはできません、アレは危険すぎますから・・」
「そうね、残念だけど向こうに残りたい人が居たなら無理やり連れて来るのはできないわね」
わたしは地球が気に入ったから移住するのは決定してるけどね、とエレムミーネは言う、それでいいのか?王族さん
「それで異世界に行くのはいつ頃になるのかね?」
博士が聞いてくる
「準備は終わっとるからいつでも行けるぞい」
「なら、少し、そうだな5時間ほど待ってほしいんだが」
「いいけれど、なんで?」
「うむ、いろいろ準備が必要になってね」
「準備?」
「うむ、我々も何人かついて行かせて欲しいのだよ異世界に」
姫様の命令でね、と博士は笑いながら肩をすくめた。




