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月面のウサギ達



超高次元体が粒子状に消えていくのを月から観ている者達がいた。


「これは倒したのでしょうか」


「まだわからん」


「記録では超高次元体は3種類だったはず」


「残りの2体が現れる可能性がある、か」


「出てきたらおしまいね、だってもう戦えないっしょ」


「予備を作らせておくべきだったか?」


月面に存在する都市〔ムンウォーク〕

22世紀後半、人類は月の地中に巨大な空洞を発見する、その空洞を利用し都市が作られた、それがムンウォークである。


かつてムンウォークは超高次元体に破壊されつくされたが、現在はアンドロイド達により再生され、宇宙港として使われている。

その都市の中心にある司令室に月に居るアンドロイドの代表達が集まっていた。


巨大なスクリーンに映しだされている姫路の光景を見て、アンドロイド達は意見を出し合う



そんな中、アンドロイド達のトップである初姫は黙って超高次元体が完全に消えるのを確認していた。


「消滅しました」


代表の1人がそう言うと


おおーーーっ


と皆が感嘆の声をあげた


「あの超高次元体を倒すとは!」


「これは大幅に計画を変える必要がでてきましたねえ」


「魔法、魔力を利用した科学兵器の研究開発が必要ですぞ」


「即急にな!」



次から次へと意見が出る中

初姫が始めて口を開く


「まずは私達の仲間を増産しましょう」


初姫が発言すると他のアンドロイド達はぴたりと話すのを止めた


「作る端から姫路へと送りなさい」


それを聞き初姫の側に居る美人秘書風アンドロイドの市子が問う


「数は?」


「一万体」


一万体?ざわつくアンドロイドの代表達


「これから起こることを考えれば少いわ」


「直ちに生産を開始させます、型番はどうしましょう?」


「DX」


「・・・・かしこまりました」


生産を担当している者が早足で部屋から出ていく



「さて皆さん、予想通り超高次元体が再度現れました、これで超高次元体の目的が知的生命体の排除だとほぼ確定しましたね」


初姫はにこやかに笑いながら


「目的が分かればやりようはいくらでもあります」


そもそも知的生命体が居なければ超高次元体が地球に来ることはないのだが、それをアンドロイド達は望んではいない、それどころか・・・


「市子さん、これから何をすればいいのか説明を」


「まずは超高次元体に対抗する兵器の開発、その為には異世界製の資源が必要かと」


「そうですね、エルフを迎えるゲートが開いたら私達の仲間も何人かついて行かせましょう」


「それがいいかと、あと・・・」



「福太郎っちの精子の確保とか最優先っしょ」



アンドロイドの中でギャルの姿をした者が言った

彼女はQX-001 新菜という最新式アンドロイド


「やっと新鮮な人間のサンプルが手にはいるんだから絞りとらないとダメッしょ」


「・・・新菜、下品ですよ」


市子が睨む


「地球人の精子はウチらが1番欲しかったもんじゃん、福太郎っちが生きてるうちだとおもうけど?」


人類滅亡後の世界で、奇跡的に地球人の細胞が発見された、ただし1人分のみ、その細胞から人工的に卵子や精子を作り出し生まれたのが書写山研究所で眠る幼女である、あの魂のない女の子。

だが成功してたとしても同じ遺伝子を持つ者しかできないのだ、それは生物としての滅びを意味している。


「福太郎っちの精子さえあればエルフの細胞をいじって地球人を増やせるじゃん、人類の未来は明るいねえ」


笑う新菜


「それは新菜さんに任せます」


「いいの?姫様」


「地球に降りてください」


「りょーーーかい!」


新菜はピシッと敬礼して司令室から出ていった。



「まったく、最新式といえどあの性格はどうにかならんのか?」


「あれでQX式の代表なのだから堪らないわね」


「ギャルの必要あったのかな・・」



「良かったのですか姫様、福太郎さんに嫌われたら計画に支障がでますが?」


「かまわないでしょう、あの子の言っていることは間違ってませんし、ただし」


「ただし?」


「強制的な行動はやめるようにと」


「伝えておきます」



福太郎の知らない場所でそのような話が進んでいく、



「あとわたくしも近々姫路に行きましょう」


「お供いたします姫様」


「少し遅くなりましたが挨拶しにいきましょうね」


スクリーンの中で仲間と談笑している福太郎を見ながら、どのような出会い方にしましょうか?悩みますね、と笑うのであった。



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