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やってくる者たち 01



俺が日本に帰って来てから1年が過ぎた。


時に西暦2501年 7月25日


「ねえ見て、氷の上になんか黒いのがいっぱいいるんだけど」


果てしなく続く氷の大地、南極。

俺は今、南極大陸を観光中だ。

日本から南極までダムガンに乗って飛べばあっという間に来れてしまう。


「あれはペンギンだな」


「ペンギン、あれがペンギン!!福太郎、近くでペンギンを見たいから着陸よ!!」


「へいへい」


最近、ダムガンに当たり前のように乗り込んでくるメスガキ妖精のピノのはしゃぎ様にウンザリしながらも、

ダムガンを南極の氷の上に着陸させる。


カシュッ


着陸後、コクピットハッチを開けると、冷たい南極の空気がはいってきた。


暑い寒いも俺には関係ないけど、夏の日本とは違う冷たい南極の空気が頬に心地いい。


今日の南極は晴れており、どこまでも広がる青い空と白い氷の景色がとても美しい。


そして俺はゆっくりと氷の上に飛び降りる。


「福太郎、南極大陸に到達。」


「ピノ様、南極大陸制覇ーー」


制覇はしてない。


俺達は少し離れた所にいるペンギンの群れに近づいていく。

何ペンギンか知らないけど団体様でいるな。


「ふわあー、可愛いいい、まさしく愛玩ペットにふさわしい造形、よし、飼いましょう」


いや飼えないだろう、

飼えないよな?

それにしても本当に可愛いな、群れでいるから可愛さマシマシだわ。触りてえな。


「よし触りましょう!!」


「待て!!」


ピノがペンギンに向けて飛んでいこうとするのを俺は制止する。


「なんでとめるのよ」


「ピノ、お前はペンギンの見た目に騙されている」


「はあ?」


そして俺はピノに真実(嘘)を伝える。



「ペンギンは凶暴な肉食動物なんだ、近づいたら群れに襲われ食われてしまうぞ」


「ウ、ソ、でしょ・・・」


はい嘘です、ペンギンは魚とか食べる可愛い動物です。


「こんなカワイイ姿で、バカな・・・これじゃ魔物じゃないのーーーッ」


「1890年、イギリスの探検家が15人、南極を発見し上陸したのが最初だ。

そしてその日、海岸でペンギンの大きな群れに遭遇した一行は、襲われ、全滅した。

骨すら残らずに食われて、残されたのは無残に切り裂かれた衣服の欠片だけだった。」


その話(大ウソ)を聞いたピノは俺の後ろに隠れてガタガタと震えだした。


「南極条約というのがあってな、南極は危険生物達の住処だから人類の上陸を禁止するというのが決められたんだ。そう、いわゆる人類の禁足地なんだよ」


「ペンギン以外にもヤバいのがいるの!?」


「ああ、うじゃうじゃいるよ」


ウソだけど、と言う前に

ヒィィーーーーッと悲鳴をあげて飛び上がりダムガンのコクピットに逃げ込むピノ。


ヤバ、信じちゃったよ・・・


「まあいいか」


そう言いながら端末のカメラでペンギンを撮影する。

カワイイなーー、こいつら

メスガキ妖精の100倍カワイイよ。


「福太郎、なにしてんのさ!!はやく逃げるわよ!!!」


「全部ウソだよ」


そう言いながらペンギンの撮影を続けてると。


物凄い勢いで飛んできたピノに頭を叩かれた。


その後、ペンギン達と思う存分にたわむれた俺達は

満足し、姫路に帰るのだった。


お腹減ったからね。

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