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どうでもいい話 脱力エッセー  作者: カキヒト・シラズ


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出勤偽装会社 vs 退職代行会社 昭和の常識はモームリか

初出:令和7年9月18日



 中国で最近、出勤偽装会社という新サービスを提供する企業が登場したらしい。

 現在、失業中で職がない人が、あたかも会社に出勤しているかに偽装するサービスだ。

 出勤偽装会社の会員は毎日、同社のオフィスに通勤する。

 オフィスにはデスクと椅子があり、PCも置いてある。

 傍から見れば会社員だが実は失業者で出勤偽装会社の会員だ。会員は会費を払って会社員を偽装できる。

 失業者だと世間体が悪い。だから隣近所には働いているように見せかける。

 実は老人の年金がそこそこ支給されるので、親もしくは祖父母の年金で養ってもらっているニートが中国には多数いるようだ。

 この企業、ある程度成功したら日本にも進出するだろうか。

 いずれにせよ、日本にもニーズはありそうだ。


 一方、日本には退職代行会社がある。一番有名なのはモームリ社だろうか。

 社員が会社を辞めたい場合、自分から上司にその旨伝えるには精神的なプレッシャーがある。

 そこでモームリ社など退職代行会社を利用して、自分ではなく退職代行会社が退職したい意向を会社に伝え、諸手続きを済ませてくれるというサービスだ。

 もちろん、その分、退職代行会社に支払う料金が発生するが。


 どちらも年寄りの小生からすれば、おかしな時代になったものだという感慨を禁じ得ない。

 しかし翻って、80年代末のバブル時代にもおかしなサービスを提供する会社はあった。



1. バブル時代にあったナンパ代行企業


 学生時代、小生の下宿の近所に”アタックエイジェンシー”という会社の看板が、立っていた。企業名なのか業種名なのか、記憶が定かではない。何をする会社かは、看板に書いてあった。

 要するにナンパ代行企業なのだ。


 「職場や学校で気になる異性や通勤通学途中でよく会う気になる異性に自分から声をかけづらい方、当社が声をかけ、彼/彼女とあなたとの仲を取り持ちます」


 上記のような文章が看板に書いてあったと思う。現在、その会社はどうなっているのかはわからない。



2.昭和にパワハラの語はなかった


 中国の出勤偽装会社にせよ、退職代行会社にせよ、被雇用者サイドの利害、人権、もしくはわがままをサポートする企業と言える。

 昭和の時代には雇用者サイドの利害、人権、もしくはわがままを最大限にサポートしてきたのかもしれない。

 そこで平成を経て令和の現在、今度は被雇用者サイドのサポートを強化すべきという潮流が生まれ、こうした中、出勤偽装サービスや退職代行サービスが出現したと考えることもできる。


 パワハラという言葉も概念も昭和にはなかった。

 これは昭和には企業のパワハラ問題がなかったのかというとその真逆。

 会社の上司が部下にパワハラをするのが当たり前で悪いことではない、というのが昭和の常識だったと思う。



3.まとめとして


 出勤偽装サービスも退職代行サービスも今後発展していくのかどうかは、今後の推移を見ないとなんともいえない。

 しかしながら、被雇用者サイドの人権を守る、もしくは雇用者サイドの横暴を規制する、という方向へ社会がシフトしてくれることを望む次第。

 こう書くとSNSでは、企業の生産性を優先しないと経済が滅びるというような反論が来るが、ここへ来て日本の企業のやり方が実は効率の悪いシステムであったことが露呈してきている。


 バブル時代は、企業の朝礼や、強制的な飲み会の慣習こそ、日本企業が成功した秘訣だと多くの論者が唱えたものだが、これは全部嘘だろう。

 つくづく日本人は頭が悪いと思ってしまう今日この頃である。


(つづく)


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― 新着の感想 ―
面白いテーマだったのに尻つぼみが残念。 「3.まとめとして」の前に、昭和の野蛮さとか、共感を呼ぶ事例を入れると説得力が増したのでは? また、個人的には結論に至るひねりが欲しかった。 「つくづく日本人は…
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