被支配者層の男の生涯未婚率は古代から高かった
初出:令和6年2月13日
日本の少子化の原因としてよく話題になるのが生涯未婚率の上昇だ。
50代以上で30%程度が生涯で1度も結婚していない。
これより若い世代はさらに未婚率が上昇する見通しだ。
日本の少子化問題をどうしたら解決できるのか。
これを真面目に議論していくと長くなり、「どうでもいい話」では扱いきれないシリアスなテーマになる。
だが最近、ユーチューブで面白い動画を見つけた。
おそらく若い独身男性が作ったか、独身男性向けに受けをねらって作ったのか、あるいはその両方かもしれないが、「男は女よりえらい」というプロパガンダで国民を洗脳すれば未婚率が減り、少子化問題は解決するというのだ。
確かに団塊の世代くらいからその上の世代では、普通の人が結婚できて当たり前だった。
彼らが若いころは、男性の方が女性にくらべ経済力があり、「男は女よりえらい」が社会通念としてまかり通っていた感じがする。
そこでこのユーチューバーは、タカビーの女が自分を相手にしてくれるために「男は女よりえらい」プロパガンダ洗脳作戦を思いついたようだが、小生なら「低収入でもいい男はいる。ブスでもいい女はいる」プロパガンダをマスコミに拡散させ、独身男女を洗脳したい。
こうすれば低スペックの独身男女が多数結婚にゴールインしやすくなるのでは。
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ところで男性、女性は3対2ぐらいの割合で生まれてくる。一夫一婦制では男が余る計算だ。
ところが戦争があると男は徴兵に取られ、男の人口は戦死によって激減。男女比が逆転する。
戦後まもなく、適齢期の男性1人に女性トラック1台分と言われ、男性が激モテだった時代がある。特攻隊世代である。
うらやましいように見えるが、よく考えると彼らは特攻隊の生き残りである。よほどの強運の持ち主なのだろう。
実は古代から中世、近世まで、現代を除くすべての時代には、全人口70~90%の被支配者層の男性は、半分近く生涯独身だったのではないか。
一方、女性の場合、美人に生まれればお嫁に行くか、支配者層の妾になるかのいずれかで、一生独身はほぼなかったと思う。
古今東西、王様は正妻、側室の他、ハーレムを囲う。王様より下の身分の諸侯たちは王様には及ばぬものの、正妻の他に妾がいる。
妾の数は社会的ステータスの高さに比例する。
現代社会でも戦前までは、妾を囲っている人を「甲斐性がある」といって賞賛する風潮があった。妾を囲っているのは経済的に豊かで社会的ステータスが高い男だからだ。
愛人がいると「不倫はけしからん」とマスコミが騒ぐのはここ数十年くらいの話だと思う。
だが妾を囲う男性は人口10パーセント以下のエリートだ。
ただでさえ男女の人口比3対2である。エリート男性が妾を囲えば、当然、人口90パーセントの庶民階層の男たちは女にあぶれる。
だから一般の男性は、戦争がある例外的時間を除けば、歴史的に生涯未婚率が高かったのではないか。
歴史的に多くの男性のDNAは生涯未婚でをもって絶滅した。生き残るDNAは支配者層の男性だけ。
そう考えると、現在生きているわれわれは、古代社会で王や領主だった男の落とし胤の子孫かもしれぬ。
以上、だからなんだと言われれば元も子もないが、被支配者階層の独身男性が結婚にあぶれてしまうのは歴史的に普通のことで恥ではない、が結論か。では結婚にあぶれた女性はどう救うのか、と言われれば、そこは自分で考えて下さいとしか言いようがない。
これもまたどうでもいい話である。
(つづく)




