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どうでもいい話 脱力エッセー  作者: カキヒト・シラズ


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言論の自由 日本人 vs 中国人

初出:令和7年4月6日



 すでに4月1日からSNSの情報規制がこの国でも始まっているはずだが今のところその実感はない。以前と変わらない感じがするのだが、みなさんはいかがだろうか。


 ところで最近SNSで中国や北朝鮮は言論の自由がなく、日本は言論の自由があるという記述を目にした。中国では政府に批判的発言をすると処罰されるが、日本はそうではない。だから日本はいい国だ、という論調である。

 よく聞く話で日本人の多くが同意するかもしれない。

 しかしよく考えてみると中国人自身は、「中国には言論の自由がなく、日本にはある」という命題に同意するだろうか。

 もしかしたら中国は日本と違った形で人民に言論の自由が担保されており、また中国人はわれわれと違った観点から日本には言論の自由がないと思っているのではないか。そんなふうに夢想してみた。


 以前、勤め先の会社が中国の会社と取引しており、中国人と話す機会があった。もちろん仕事関係の話がメインだが、微妙に世間話に話題が飛ぶこともある。

 その中国人によれば、日本と北朝鮮は似たような姉妹国家に見えるという。

 日本人と朝鮮人はどこが共通しているのか。

 実はその中国人に言わせれば、大手マスコミのニュースを何も考えずに真実だと妄信してしまう民族は世界広しと言えども日本人と朝鮮人くらいで、欧米人はもとより中国人はニュースの真偽を疑いながら新聞を読んだりテレビを見たりするとのこと。

 マスコミがニュースを流すと中国では近所に人が集まって、「これはフェイクニュースだ」、「これは政府のプロパガンダだ」というように、いわゆる”井戸端会議”で記事を批判的に分析し合う慣習があるらしい。もちろん政府の役人に聞かれないように注意しなければならないが。

 こうした意味で、中国では井戸端会議に言論の自由がある。

 一方、日本人はマスコミのプロパガンダにすっかり洗脳され、洗脳された頭脳で発言するから、政府にとって”毒”を含んだ言論は出てこない。

 だから日本には実質的な言論の自由がないとのこと。


 旧日本軍の南京大虐殺の歴史を風化させないよう、中国の南京で南京大虐殺記念会館をオープンしたというニュースをテレビで見た数週間後、中国の別の会社からメールが来た。

 南京から日本の東京に人が来るというのだ。

 その会社はうちの製品を複数台購入したお客様で、消耗品を入手したいとのこと。

 本来、5000円程度で販売していたが、突然の来日の勢いに押され、サービスすることにした。

 都内の喫茶店で待ち合わせた。先方は英語を話す中国人の中年のおばさんだった。

 今度、南京にいらっしゃい。再三、おばさんは繰り返した。もちろん外交辞令ではあったろう。

 南京大虐殺館がオープンしたばかりだし、南京の人たちは日本人を嫌っているのではないかと聞いてみると、おばさんはそんなことは全くないと答えた。

「あなたみたいな若くてイケメンでお金持ちが南京の街をブラブラして御覧なさい。南京ギャルにモテモテよ」

 とおばさんが本当にしゃべったかどうかはともかく、小生の貧弱な英語のヒアリングを翻訳するとこうなる。

 当時、小生は30代。今となっては、若い、イケメン、お金持ちの三要素はことごとく奪われた。

 あのころ南京に遊びに行ったら、日本では非モテ男子の小生も、いい思いができたかもしれない。

 それはともかく、南京大虐殺館オープンのニュースでは南京市民は四六時中、日本人に憎悪を抱いているといった感じだが、実際はそうではなさそうだ。


 中国人の大半は日本人が好きでも嫌いでもなく、反日デモがニュースになった日でも、日本のことなど何も考えずに、自分の個人的案件に取り組んで一日を過ごした人が中国人の99%ではないか。

 そんなふうに考える。

 


(つづく) 

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