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どうでもいい話 脱力エッセー  作者: カキヒト・シラズ


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新時代の軍事力を妄想する

初出:令和7年2月2日


 新時代の軍事力について妄想してみた。


 ***********


 かつて秦の始皇帝は紀元前に万里の長城を建設した。

 AIによれば厳密にはそれ以前の春秋時代から一部始まり、また今日残っているのは明代に建設されたものも多いとのことだが、いずれにせよ始皇帝が多額の国家予算を費やして万里の長城の建設に尽力したのはまちがいなさそうだ。

 ではなぜ始皇帝は万里の長城を建設したのか。

 今日、万里の長城は中国の貴重な観光資源になっている。つまりディズニーランドのような観光客を呼ぶ建造物だ。

 だとしたら秦の始皇帝はレジャー施設として万里の長城を建設したのか。

 そうではない。

 万里の長城はその時代の最新軍事防衛システムだったのだ。

 騎馬戦や歩兵で戦争していた当時、自国の領地を高い塀で囲んでしまえば、敵国から攻撃されたり、征服されたりする心配はなくなる。

 今日では戦闘爆撃機を用いれば壁を乗り越え、敵国に爆弾を落とすことができ、万里の長城は軍事防衛システムとして役に立たない。

 だが飛行機が発明される以前の時代には有効な軍事防衛システムだったのだ。

 つまり万里の長城は今日で言えば核兵器のようなものだろうか。


 米国では国家予算の40%を軍事費に当てるという。

 北朝鮮は人民が餓死しているのを尻目に国家予算をつぎ込んで、軍事ミサイル開発に余念がない。

 古今東西、国家は多額の予算を投入して最新軍事防衛システムを建設する。

 ところが飛行機の発明で万里の長城は無用の長物になった(観光資源としてはともかく)。

 同様に今日の多額の軍事予算を費やした最新軍事防衛システムが一つの発明によって無用の長物になることはないだろうか。


 コロナウイルスは中国の武漢研究所で人工的に作られた生物兵器だったという話は今日でも陰謀論になっているのだろうか。

 最新のバイオテクノロジーでは個々人のDNAを解析して、特定の人種や個人だけが罹患するウイルスを製造できる。

 こうした技術のノウハウがネットで流れたらどうなるか。

 ウイルスの製造自体は核ミサイルや戦闘機、空母の製造にくらべ、低コストでできるのでは。

 そうだとしたら小国やテロ組織が人工ウイルスで大国の政治家や世界の支配者層をウイルスで攻撃すれば、世界を征服できるかもしれない。

 人工ウイルスを前に核兵器を含めた既存の軍事兵器は役に立たなくなる。


 そう言えば、昔はどこの国の兵隊も甲冑を着て戦争したものだが、今日の兵隊は甲冑は着ない。せいぜい防弾チョッキを着ることがあるぐらいだ。

 今日の戦争では甲冑は無意味なのだろう。


 既存の軍事兵器が無用の長物になったとしたら、そのとき兵士たちはどのようなスタイルになっているのだろうか。


(つづく)

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