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どうでもいい話 脱力エッセー  作者: カキヒト・シラズ


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識字率と憲法の理解率

初出:令和6年10月16日


 世の中には専門家だけが知っていればいいような専門知識もあるかもしれないが、反対に一般大衆がもれなく習得すべき知識もある。

 たとえば母国語の識字率という概念がある。

 現代の日本では識字率はほぼ100%に近いとされる。他の先進国もほぼ同様だろう。ところがこれは現代の話であって、近代、中世、古代というように昔にさかのぼるほど識字率は減っていく。

 日本的にも世界的にも、昔は文字が読み書きできるのは一部の知識階層であり、人口の大半を占める一般大衆が文盲だった時代は長かった。

 それが民主主義の勃興とともに教育によって識字率を100%に近づけるべきだという考えが出てきた。

 私は同様に憲法または立憲の概念について、識字率なみに一般大衆にその理解を広げることを提言したい。これもまた真の民主主義社会の実現に不可欠だと思うからだ。

 

 あなたは憲法(constitution)とは何かご存じだろうか。憲法と法律の違いは何か、その本質を理解しているだろうか。

 実は私自身、お恥ずかしい話だが長い間知らなかった。それが十年ぐらい前、故・犬丸勝子氏のツイートで初めてその本質に気がついた。

「みんな知らないかもしれないが、憲法は為政者から国民を守るもの。(逆に普通の法律は為政者が国民を縛るもの)」

 一字一句覚えてないが、このような内容だったと思う。

 犬丸氏は不正選挙の撲滅を訴え、複数回参議院選挙などに出馬されたが、当選する前に他界された。


 学校の歴史の教科書では世界最初の憲法(constitution)は英国のマグナカルタだと書いてある。

 それまで法や掟とは、支配者が作り、被支配者が守るものだった。そして支配者は自由に法を破ることが許された。

 ところがマグナカルタは諸侯たちが王様に対して出した新しいタイプの法、被支配者が支配者を制限する法、つまり憲法だった。

 王様も憲法に従わなばならず、諸侯に対する王様の横暴を制限する機能が憲法にはあった。

 これにより諸侯の人権はある程度保証されたことになる。だがマグナカルタでは一般大衆の人権は保障されていなかった。


 一方、アメリカ独立の合衆国憲法やフランス革命のフランス憲法では、民主主義を標榜し、国民の基本的人権を謳っている。これにより、憲法は一般大衆の人権を保障したものになっている。


 民主主義を謳った憲法とは、為政者が人民の人権を不当に踏みにじらないよう、為政者の権力乱用を制限するツールと言える。

 また立憲という言葉があるが、これは憲法のこうした性質を強調した思想だ。


 かつて私がFBで上記のような憲法の話を書いたら、「そんなことお前よりよく知ってるよ」といったマウントを取るようなコメントが相次いだ。

 中には弁護士をやってるという人が詳しい解説を始めた。


 だが私が問題としているのは、あなた自身が憲法や立憲を正しく理解しているかどうかではない。

 ましてや弁護士のような法律の専門家だけが知っていれば問題解決という話ではない。

 識字率同様、国民のほぼ100%がこうした考えを理解しているかどうかが問題だと思うのだ。

 もし、上記の考えを知らない人が数パーセントでもいたら、教育にも問題があると思う。

 ただしマグナカルタのようなトリビアは知らなくてもいい。

 

 憲法は為政者が人民の人権を不当に踏みにじらないよう、為政者の権力乱用を制限するツール。


 こうした考えを国民のほぼ100%が理解しているよう、教育を周知徹底させるべきだ。

 そしてそれこそが民主主義社会に必須の国民教育だと思う。


(つづく)



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