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どうでもいい話 脱力エッセー  作者: カキヒト・シラズ


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初代天皇は三人いる?

初出:令和6年5月14日


 クイズ問題。日本の初代天皇陛下は誰でしょう。

 学校の教科書には初代天皇は神武天皇と書いてある。だから正解は神武天皇のはず。

 ほとんどの方はそう回答したのではないだろうか。

 しかしならが、初代天皇は天武天皇だと言ったら信じるだろうか。


 実は天武天皇以前の天皇、たとえば先代の天智天皇は、おそらく生前、天皇と呼ばれたことは一回もなかったし、自分が天皇だとは知らなかったし、そもそも天皇という言葉を知らなかったと思われる。

 天智天皇以前の天皇は、スメラミコト、ミカド、オオキミ、内裏などと呼ばれることはあっても、天皇とは呼ばれなかった。

 そもそも「皇帝」という称号を考案したのは秦の始皇帝であることは周知の通りだが、実は「天皇」という称号は唐の高祖、つまり唐の初代皇帝(天皇)が考案した用語だ。

 中国の歴史の中で「皇帝」は王朝が変わってもよく使用されたが、「天皇」は流行らなかったようだ。

 ところで天武天皇の時代、大和朝廷が唐に正式な外交文書を出すとき、元首の称号を唐をまねて「天皇」とすることにしたようだ。それ以前には「天皇」という言葉が日本になかった。

 本国中国では流行らなかった「天皇」という称号は、結果的に日本では末永く採用された。

 

 歴史作家にしてユーチューバーの加治将一氏によれば、実質的に初代天皇は明治天皇だと説く。

 天武天皇以降、「天皇」という語はあったが、一般の国民が「天皇」という語を知ったのは明治天皇以降だからだ。

 テレビや映画で時代劇を見ていると、「ミカド」という言葉はよく出てくるが、「天皇」という言葉は出てこない。江戸時代の町人や百姓はミカドなら知ってるが天皇は知らなかったかもしれない。

 ところであなたは「sovereign」という語をご存じか。おそらく日本人の50%以上が知らない言葉ではないか。

 以前、英語版Wikipediaで日本の「sovereign」は天皇だという記述があった。

 同様に江戸時代以前は一般大衆のほとんどは「天皇」の語を知らなかった。これは一部の学者や官僚が使う外交の専門用語であり、現代の「sovereign」のようなものだ。

 それが明治以降、政府は国民に広く「天皇」という語を普及させたのだ。


 ところで陰謀論マニアには加治将一氏と聞いてピンとくるだろう。

 その著「幕末 維新の暗号」で、本物の明治天皇は暗殺され、大室寅之祐という男が成りすましたことが書いてある。

 大室寅之祐も南朝の末裔だから、成りすましとはいえ、ぎりぎりセーフだろうと唱える陰謀論派内右翼もいるようだ。

 いずれにせよ、成りすまし陰謀論も含めて、初代天皇は明治天皇という考え方もある。


 以上、初代天皇は神武天皇だけでなく、天武天皇説、明治天皇説があることを説明した。

 だから何だと言われれば、返答のしようがない「どうでもいい話」ではある。

 他にもいろいろ書きたいことはあるが、気力と体力が持続しないので、とりあえず今回はここで筆を置く。


(つづく)

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