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はじめに
初出:令和6年1月30日
どうでもいい話を書きたくなった。
筆者が肩の力を抜いてどうでもいいことを書き、それを読者が肩の力を抜いて読み始め、つまらなくなったら途中で読むのをやめる。そういうエッセーも一興か。
最近、ユーチューブで環境音楽の動画を流すことが多い。
音楽を聴いているのではない。他の作業をやるためのBGMとして音楽をただ流している。
吉田健一の「金沢」という小説をご存じだろうか。
リタイアした悠々自適の一人暮らしの老人が金沢に移り住み、毎日何をするわけでもなく、ただ平凡で単調な日常を延々と過ごす。そういう私小説だ。
死ぬまでの時間つぶしをする老人といったところか。
「金沢」はさながらBGM小説のようなものだ。小説を読みながら他の作業はできないが、この小説は環境音楽に似ている。
側にあった方がいいが、今自分の主たる関心事ではないアート作品。
そういうエッセーの連作を書きたくなった。




