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プロローグ⑤

 “アルバート・ド・アンセルフ”


 その名を聞いた瞬間、僕はパッと後ろに下がってひざまずいた


「失礼をいたしました、殿下。知らなかったとはいえ、どうか私めの無礼をお許しください」


 そう、いまアルバート・ド・アンセルフと名乗ったその人は、この聖ガスパール学園の生徒会長であり、かつ

 この国、アンセルフ王国の第三王子


「顔を上げたまえ。それにさっきもこちらの者に言ったがここでは“殿下”と呼ぶな。この学園にいる限りはそのような身分の上下はないものと思わねばならん。して、君の名は」

「はっ。お初にお目にかかります。私の名はジャン=ポール・ド・モンテルミエ。ド・モンテルミエ子爵の三男であります」

「モンテルミエ……。ほう。新入生にド・モンテルミエ子爵の子息がいるとは聞いていたが、君か」

「私のことをご存じなのですか」

「ご存じも何も、生徒会長として新入生のことを知っておくのは当然のことだろう」


 威厳に満ちた声

 さっきの手のひらひとつで取り巻きを制したさまといい、さすがはこの国の第三王子

 カリスマ性は十分

 学園の生徒会長を務めているのも当然と言えるだろう


 ところが一転、殿下……と呼んじゃいけないんだったな、会長は、他人にあまり聞かれたくないかのように、声を落として僕にだけに向けてこう言った


「それに、君の上の兄ふたりについては、私も“よく”知っているからな」


 ドキリとした。さっきまでの威厳とは違う「何か」があった。権威だけで他人を支配するのではない「何か」が

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