表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

46/53

2-10 遊園地の紹介

 さて、ここでちょっと今回の作戦の舞台になる「遊園地」の紹介をしておくわね


 前に言ったの覚えてる?

 この世界の遊園地は前世のテーマパークなんかと比べものにならないくらい小さいって

 それを聞いてあなた方の頭の中にはいろんな「小さな遊園地」の姿が思い浮かんでいると思うけど

 実はその想像のどれにもないと思う「ある特徴」が今回の遊園地にはあるの


 それが「移動遊園地」


 多分聞いたことのない人の方が多いでしょうね

 遊園地が移動するってどういうことか

 別に浮島のようなものにって動いているわけじゃないの

 そうね、前世の日本で一番似ているのっていったら「サーカス」かしら


 簡単にいうと「常設じゃない」、つまり「ずっとそこにあり続けるわけじゃない」ってこと

 ある場所である期間だけやったら、全部撤収してまた別の場所へ

 そうやって国中をめぐってる

 それが移動遊園地


 そんな移動遊園地をなぜわざわざ選んだのか


 まず第1の理由は「近いから」

 いまその移動遊園地が開かれている場所が、学園からそんなに遠くないの


 私たちは寮住まい

 門限があるのよね

 だからいくら休日だからって、そうそう遠くに遊びにいくわけにはいかない

 特に今回はこの国の第三王子でもあるアルバート会長がいるのよ

 門限に遅れたりしたら、こっちの責任問題になりかねないわ


 そして第2の理由は「私がよく知っているから」

 実はこの移動遊園地、私は何度も行ったことがあって

 どこに何があるのか、完璧に把握はあくしているのよね


 えっ? そんなとこにいつ行ってたのかって?

 やだなあ。この世界で、なわけないじゃない

 行ったのはゲーム『うるわしの君たちへ』の中で

 もちろんただ遊びに行きたかったからじゃないよ

 行った理由はもちろん「攻略対象者を攻略する手段」として


 前に挙げた「ふたりっきり」と「ドキドキ」だけど

 実はゲームでは散々利用してきて実績豊富

 リアルでの経験がないっていうのは間違いのない事実だけど

 でもここはゲームの世界

 ゲームでの経験があるから大丈夫でしょ


 どこに何があるかすみからすみまで頭の中に入ってるから

 まだ遊園地に着いてもいないいまの時点で

 どのアトラクションにどの順番で乗るか

 さらにはお弁当を食べるベンチだってもう決めてあるの


 だいたいその移動遊園地がいま学園の近くに来ていることだって

 ゲームの知識で知っていたんだよね

 決して偶然都合よく来ていたわけじゃないの


 すべては私の手の中

 ふたりにはわたしの手の中で踊ってもらいます

 いかにもこの世界の影の支配者にふさわしいシチュエーションだわ

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ