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1-1 いつもと違う朝

 聖ガスパール学園


 この国、アンセルフ王国の子弟の教育を目的に設立された、全寮制の男子校


 12才で入学し、年限は5年

 前世の日本で言うところの、中学と高校を合わせたってところね


 その教育レベルは高く、近隣の友好国からの留学生も数多く通っている


 では入学するまでの教育はというと、公的な学校はなくて、基本的にそれぞれの貴族の家で家庭教師をつけて行われる

 なのでそれぞれの家の特徴がはっきり出ることになる。武官の家に育った子は武勇に優れていることが多く、文官の家に育った子は算術や各種の学問に通じていることが多い


 ……というのは全部、前世の私が『うるわしの君たちへ』の設定を読んで知ったことなんだけどね

 ※自分の一人称、しゃべる時は「僕」だけど、地の文では「私」にします。だってやっぱり楽なんだもん


 ちなみに女性の場合は学校には通わず、社交界デビューまで、すべてそれぞれの貴族邸内でレディになるための英才教育が行われるの

 それでは他家の子たちとの交流は? と思われるかもしれないけど、幼い頃から母親についてサロンに出入りするので、その点の心配はない


 女性への教育内容は、普通は礼儀作法やマナーなんかばかりで、学問に関しては本当に基本的なものだけという家が多いらしいんだけど

 幸運にもド・モンテルミエ家では、お父さまの方針で私にもお兄さま方と同様な教育を授けてくださったので、すぐに学園に入学するのに十分なレベルに達したわ


 というわけで、なんだかんだで入学式も無事に済んで一週間くらい経ったある朝のこと


 寮から校舎へ向かう道の様子にも、ようやく少し慣れてきたかな、というくらいなんだけど

 そんな私でも普段と違う感じに気づいた

 

 なんか周りの生徒たちが、ちらちらこっちを見て何やらひそひそ話をしているようなのが、やたらと気になるんですけど


 ちょっと! 私、別に変なことした覚えはないからね


 身だしなみはいつも寮の部屋を出る時に、同室のちい兄さまにチェックしてもらっているし

 授業中にトンチンカンなことを言って笑われたりなんかもしていないし

 もちろんケンカなんかのトラブルもゼロ

 どう考えても注目されるはずないのよね


 ところで、私が寮でちい兄さまと同室になったのは、もちろんドミニク理事長の差し金……じゃなく配慮

 私の方から要求したんじゃないよ

 あからさまに要求したわけじゃないけど、まあ理事長からしてみたら、私が「世界地図の件」を知っているというのがこの配慮をした大きな一因ではあるでしょうけどね

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