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プロローグ①

 “全寮制の男子校”


 なんとまあ「何かが起こりそうな感」満載な言葉でしょう

 しかもそこがただの男子校じゃなく、「良家の子弟ばかりが通う男子校」だったならなおのこと


 良家の子弟を別の言い方をするなら、箱入り娘の男性版な「箱入り息子」といったところ

 良く言うなら、大きなお屋敷の中で両親やお仕えの者たちに囲まれて大切に育てられたサラブレッド

 逆に悪く言うなら、外の世界を知らない


 そんな外の世界を知らない純真無垢(むく)な子たちが、初めて出()う外の世界が“全寮制の男子校”であったなら……

 そしてそこがもし「いろいろなタイプの美形(ぞろ)いの場」であったなら……


 もう、何かが起こらない方がおかしいじゃない


 そしていま、私、ジャンヌ……じゃなかった。ここではジャン。ジャン・ド・モンテルミエ。ここ聖ガスパール学園の一年生。精神はともかく身体年齢は12才。一人称も「私」じゃなく「僕」。その僕の目の先で、その「何か」が起ころうとしていた


 僕の目の先には学園のふたつの校舎を結ぶ渡り廊下が延びていた。下校時間はとっくに過ぎて、生徒はほとんど残っていない。がらんとした長い渡り廊下に窓から差し込む夕陽が灰色の壁を赤く染めていた。まるで燃え上がる情熱の道のよう。まるで、この美しい瞬間を永遠に忘れないために、時間が止まったかのようだった

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