第X集 「い」から始まる熟語 厳選版
貽厥 「いけつ」
孫。または子孫に遺すはかりごと。
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遺孼 「いげつ」
① 死後に残された妾腹の子。正統ではないが血をひくもの。
② 滅びた家の血統をひくもの。また、残党。余孼。
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岐嶷 「いこよか」
生まれつき、しっかりしていて立派なさま。姿、形がすぐれていて立派なさま。幼少時のさまについていうことが多い。いややか。
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違忤 「いご」
さからうこと。そむくこと。
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倚藉 「いしゃ」
たよること。たのむこと。
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懿鑠 「いしゃく」
うるわしくさかんなこと。
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蝟集 「いしゅう」
ハリネズミの毛のように、一時に一箇所に、多くのものが寄り集まること。
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委蛇 「いだ」
曲がりくねっている様子。
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一揖 「いちゆう」
軽くおじぎをすること。一礼。
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一盞 「いっさん」
① 一つのさかずき。
② 一杯の酒や水。また、それを飲むこと。
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一籌 「いっちゅう」
① 一つの数取り。
② 一つのはかりごと。
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鴪隼 「いつじゅん」
速く飛ぶ隼。
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鷸蚌 「いつぼう」
シギとハマグリ。また、シギとドブガイ。
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囲繞 「いにょう」
① 仏語。右回りに回りを巡って敬礼すること。転じて、法会において、衆僧が尊像の周囲を回って行道すること。右繞三匝。行道。
② 回りをとり囲むこと。古くは、囲まれるものに対する敬意を伴って用いられることが多い。いじょう。
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痿痹 「いひ」
しびれること。また、しびれる病。
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渭浜 「いひん」
中国の渭水の岸。周の大公望が世を避けて釣り糸を垂れていたところ。転じて、釣りをいう。
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帷幔 「いまん」
たれぎぬ。幕。
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欹歟 「いよ」
ああ。
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迤邐 「いり」
連なり続くさま。ななめに進むさま。
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氤氳 「いんうん」
生気・活力が盛んなさま。
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殞殪 「いんえい」
斃れる。
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喑噁 「いんお」
大いに怒るさま。
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湮晦 「いんかい」
うずもれ隠れること。また、姿や才能をくらますこと。
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恁麼 「いんも」
かくある。こんな。そんな。このように。そのように。
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噫嗚 「いお」
なげく。なげきいたむ。
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扆帷 「いい」
布などを垂れ下げて仕切りをつけたものの内側。帳の中。
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逶迤 「いい」
① うねうねと曲がっていること。
② よろよろと歩くこと。また、おそるおそる歩むこと。
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咿唖 「いあ」
① 摩擦や衝突する音。
② 鳥、虫などが鳴く声。
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饐餲 「いあい」
食べ物が腐り台無しになること。
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咿軋 「いあつ」
舟をこぐ音。
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韡韡 「いい」
明るく美しいさま。
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鷕鷕 「いい」
① 雉の鳴き声。
② ため息をつく声。
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咿咿 「いい」
① 嘆き悲しむ、微かな声。
② がちょうやアヒルを呼びかける声。
③ うすら寒いさま。
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韡曄 「いか」
明るく美しいさま。
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韡煒 「いき」
鮮やかで美しいさま。
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鷕気 「いき」
吟唱と慨嘆。
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彧彧 「いくいく」
草木が茂るさま。また、物事の盛んなさま。
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䜡䛙 「いくきく」
香を聞くさま。聞香。
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焴爚 「いくやく」
火の輝くさま。
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慰唁 「いげん」
遺族を訪れ、慰めること。
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蓶扈 「いこ」
花葉があざやかで美しいさま。
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韡煌 「いこう」
明るく美しいさま。
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咿唔 「いご」
読書するときの音。
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扆座 「いざ」
天子が座るための席。玉座。
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䝐子 「いし」
去勢した猪や豚。
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移徙 「いし」
① 移ること。場所をかえること。また、移すこと。
② 転居すること。とのうつり。やうつり。
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鷾鴯 「いじ」
鳥の名。燕。ツバメ科の野鳥。
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葳蕤 「いすい」
草木の花が咲き乱れるさま。
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韋帯 「いたい」
なめし革の帯。無官貧賤の人が着けるもの。転じて、貧賤の人、無官の人をいう。
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一臠 「いちれん」
肉などのひときれ。一片。
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一噱 「いっきゃく」
一笑。
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乙乙 「いついつ」
出にくいさま。
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劮婸 「いつとう」
みだら。
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骫骳 「いは」
曲がる、曲げる、身を屈する。
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帷薄 「いはく」
室内の仕切りとする、たれぎぬと、すだれ。転じて、ねや、閨房。また、男女の関係。
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倚馬 「いば」
馬上。
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意馬 「いば」
心の働きが盛んで静まらないことを、走る馬にたとえていう語。
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痿痹 「いひ」
しびれる病。
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遺美 「いび」
前人ののこした美しく立派なもの。
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慰拊 「いふ」
怒りや不安などを取り除くこと。慰め労わること。
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倚伏 「いふく」
福と禍とが、互いにその原因となり、互いに相手のうちにひそみ合っていること。幸福と不幸はかわるがわる生ずること。
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遺秉 「いへい」
とり残しの稲。
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倚門 「いもん」
門戸に寄り掛かること。門口に立って帰りを待つこと。倚閭。
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咿嚘 「いゆう」
① ため息をついたり、呻き声をあげたり、詠唱したりする声。
② にわとりの声。
③ 不明瞭な人の話し声。
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依様 「いよう」
まねする。手本にする。
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咿呦 「いよう」
鳴き声、さえずり、擦れる音などの形容。
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意乱 「いらん」
心が乱れて訳がわからなくなること。
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夷隆 「いりゅう」
盛衰。
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倚閭 「いりょ」
村の入口の門によりかかって母がわが子の帰りを待ち望むこと。
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意料 「いりょう」
思いはかること。想像すること。また、その内容。
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欭㰳 「いんあ」
ロバの鳴き声。
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淫逸 「いんいつ」
① なまけて遊興にふけること。また、そのさま。
② 男女関係がみだらなこと。また、そのさま。
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愔愔 「いんいん」
① 悩みや問題などがなく落ち着いている様子。穏やかで安らぐ様子。
② 奥深く静かな様子。
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䨸䨸 「いんいん」
雲のさま。
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鼘鼘 「いんいん」
鼓の音。
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濥濥 「いんいん」
動くさま。
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隠晦 「いんかい」
① 隠れくらますこと。また、姿を隠すこと。
② 物事が奥深くてはかりしれないこと。秘められてあること。
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檃栝 「いんかつ」
① 曲がった木材を真っ直ぐにするための装置。
② 「文章や著作物に関して」切ったり書き直したりすること。
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引磬 「いんきん」
仏教の楽器の一つ。椀状の小鐘に柄をつけたもの。読経のときなど、小さい鉄棒で打ち鳴らす。手磬。いんけい。
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讔言 「いんげん」
隠語。
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沃懸 「いかけ」
① 水を注ぎかけて身を清めること。
② 「沃懸地」の略。
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眠蚕 「いこ」
眠りに入った蚕。
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犂底 「いさり」
犂の底で、地面にふれる部分。床。
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弋射 「いずる」
飛んでいる鳥を射るのに、矢に糸をつけて、その体に巻きつく装置のしてあるもの。いぐるみ。
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入穿 「いりほが」
① 和歌、連句などを作るとき、その表現、技巧に凝りすぎて、なにをいおうとしているのかわかりにくくなること。趣向がすぎていやみになること。
② うがちすぎてかえって真実から遠ざかってしまうこと。また、そのさま。いれほが。
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入穿 「いればき」
「裾を入れてはく意から」ふだん着の長着物のままではけるもんぺ。だんぶくろ。ふんごみ。
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咽咽 「いんいん」
鼓の音。
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陰鷙 「いんし」
陰険で凶悪である。
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陰騭 「いんしつ」
天がひそかに民を安んじ定めること。転じて、かくれて善行をほどこすこと。陰徳。
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瘾疹 「いんしん」
蕁麻疹。
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鼘闐 「いんてん」
声が大きいこと。
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允武 「いんぶ」
武徳がまことに盛んであること。
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