第X集 「あ」から始まる熟語 厳選版
鴉軋 「ああつ」
轆轤ろくろや舟の櫓ろ、門の扉などを開閉するときに出る音。ぎしぎし。
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曖曖 「あいあい」
薄暗くて、はっきりとしないさま。また、おぼろにかすんでいるさま。
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噫噎 「あいえつ」
胸がつかえてむせぶ。
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愛燄 「あいえん」
燃え盛る炎のように愛欲が盛んなこと。
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娃鬟 「あいかん」
美人。
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噫気 「あいき」
① 吐き出す息。呼気。また転じて、風。
② 胃から逆流して口外に出るガス。また、そのガスを出すこと。げっぷ。おくび。
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齞脣 「あいくち」
くちびるが開いて、歯が現れること。また、そういう癖のあること。
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噫欠 「あいけん」
おくびとあくび。
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哇咬 「あいこう」
①音が繁くて細かなこと。
②淫猥な音楽。
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愛狎 「あいこう」
近寄って親しくすること。
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靉靆 「あいたい」
① 雲や霞などがたなびいているさま。
② 気持ちや表情などの晴れ晴れしないさま。陰気なさま。
③ 眼鏡。
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欸乃 「あいだい」
①舟の櫓のきしる音。また、船に棹さすときにかける声。転じて、船人の歌う歌。船頭歌。船歌。棹歌。あいない。
②木こりの歌う歌。
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埃氛 「あいふん」
ほこりっぽい空気。また、俗世間のよごれた空気。
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鞋韈 「あいべつ」
靴と靴下。
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愛悋 「あいりん」
惜しいと思うこと。
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閼伽 「あか」
①仏に手向ける水。閼伽水。閼伽の水。
②仏前に供える水を入れる器。閼伽坏。閼伽器。
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丫鬟 「あかん」
あげまきに結んだ髪。転じて、頭をあげまきにした幼女。また、年少の侍女、腰元、婢。
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齷齪 「あくせく」
細かいことを気にして、落ち着かないさま。目先のことにとらわれて、気持ちがせかせかするさま。
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渥眄 「あくべん」
手厚くもてなすこと。行き届いたもてなしをすること。優遇。
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丫髻 「あけい」
髪を左右に分けて頭上に結った女の子のまげ。
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婀娜 「あだ」
① 女性の色っぽくなまめかしいさま。「―な年増」
② 美しくたおやかなさま。
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晏起 「あんき」
朝遅く起きること。朝寝。
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晏如 「あんじょ」
安らかで落ち着いているさま。晏然。
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案牘 「あんとく」
調査を要する書類。特に公文書。
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唖唖 「ああ」
① 烏の鳴く声。
② 小児がかたことでしゃべる声。
③ あきれたように口をつぐんでいるさま。口をきかないさま。黙っているさま。
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遏悪 「あくあく」
悪い行いを禁止したりとどめたりすること。
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黭黮 「あんたん」
① 暗い曇り空のさま。
② 暗いこと。
③ 顕著でないこと。
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黯黕 「あんたん」
① 分かりにくい、はっきりしない。
② 薄暗く、はっきりと分からないこと。
③ 混ざりあって統一された、区別のつかないもの。
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安㬮 「あんだん」
あたたかいさま。
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黭幽 「あんゆう」
真っ黒なこと。
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皧皧 「あいあい」
真っ白く光るさま。
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靉霼 「あいき」
雲のさま。また、はっきりしないさま。明らかでないさま。
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鱫鱜 「あいきょう」
① 魚の名。アユの年を越したもの。
② 子持ちアユの塩漬け。子持ちでない場合は、塩鮎という。
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靉靅 「あいひ」
空などが暗いさま。
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錏鍜 「あか」
しころ。かぶとの左右や後方に垂らし、首すじを守る防具。
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喔唷 「あくいく」
(意外なことに驚いたときに発する言葉)おやおや。まあ。
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齷齱 「あくさく」
こせこせするさま。
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阿㸙 「あしゃ」
うばの夫。
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鼃吹 「あすい」
大言壮語。
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挖掘 「あっくつ」
掘り出す、掘り起こす。探り出す。
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齃岳 「あつがく」
鼻が高い。
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阿防 「あぼう」
地獄の獄卒。牛頭で、胴と手は人、脚は牛に似ており、山を抜くほど力が強い。羅刹のように暴悪という。阿防羅刹。
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阿爺 「あや」
父を親しんでいう称。阿父。
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黭黭 「あんあん」
真っ暗なさま。
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韽韽 「あんあん」
かすかな声音の形容。
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黯蔚 「あんい」
薄暗いさま。
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晏駕 「あんが」
天子の死ぬこと。崩御。
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按甲 「あんこう」
甲冑を外すこと。
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