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『インタビュー』初稿(ブンバーメモ)

◆令嬢xは実在した!!


記『この度は独占インタビューを快く引き受けてくださり、ありがとうございます』


令嬢x『おほほほ。よろしくお願いします』


記『では改めてうかがいます。あなたが令嬢xですか?』


令嬢x『虚像と誇張と誤報が入り交じっていますが、あなたがたがそう信じるのでしたら、あなたがたのなかではそれが真実なのでしょう?』


記『先程の令嬢xについてのご感想はー』


X嬢『私は創作の中の『令嬢x』について回答しただけです』


◆運命の出会いは婚約破棄と共に!?


記『ミッツ先生を愛されてるのですか?』


X嬢『師弟としての縁はありますが、恋愛感情は今のところはございません』


記『では、まず不登校、家出について』


令嬢x『ええ、こちらは家の事情で、登校を控えていただけで、(わたくし)の判断というわけではありません。気分転換に家を空けることにもありましたが、ほとんど夕方前に帰宅しています。当然外出時は護衛をつけております』


記『ミッツ先生との出会いについて、詳しくお聞かせ願いますか?』


令嬢x『婚約破棄されて落ち込んでいたところを元気付けてもらいました』


記『M先生はなんと?』


令嬢x『暇なら工房に来ないかと彼に誘われて』


記『その時は一人だったとお聞きしていますが』


令嬢x『婚約破棄直後は一人の時間が欲しかったのです』


記『約一週間後でしょうか。川辺で、デートをされたようですが』


令嬢x『川を眺めながら、『さようなら私の王子さま』と別れを告げただけです。王子への想いを振り切るために必要な儀式でした。彼は嘆く私にそっと付き添ってくれただけです』


◆王子は過去の人!?現在の本命は!?


記『今は王子のことをどう思っています?愛してらっしゃいますか?』


令嬢x『完全に吹っ切れました。王子とのことはもう遠い過去の話です』


記『慰めてくれたミッツ先生については?恋愛感情は?男性としては見ていない?』


令嬢x『殿方は殿方でしょう。でも覇気が足りません。世界をまたにかける気概がないと』


記『眼中にないと?』


令嬢x『育てがいはあると思ってますけれど』


記『つまりは庇護欲をそそられると』


令嬢x『そういうのでは、ありません(と頬を赤らめるのであった)』


◆M氏の意外な職業!?


記『彼の職業についてはどう思ってられますか?』


令嬢x『どう、とは?』


記『ピンクの作家であることについては?』


令嬢x『先ほど記者様からお伺いこと、この段になっては、なぜもう少し早く打ち明けてくれなかった・・・とは思いますが。ええ、この後じっっくり問い詰めさせていただきます』


記『弟子、と言っていましたが、あなたも小説を?』


令嬢x『本日このときまで、まったく知りようがありませんでした。副業のことは...じかにお目にかかれたのでよしとしましょう』


M氏『珍獣を見る目でじろじろ観察しないでくれるか(当日M氏も同席。ここまでほとんど言葉を発していないことからも力関係がうかがえる)』


令嬢x『あら失礼。気を悪くされたのでしたらごめんあそばせ』


記『今後の付き合いを変えるつもりは?』


令嬢x『お付き合いを変えるつもりはありませんが、多少は態度がー関係が変わってしまうかもしれません』


◆今後について


記『学校はどうされるおつもりで?』


令嬢x『卒業までの課題、試験は全て終了しています』←オフレコ希望


令嬢x『勉学に励みつつ卒業までの間、しばらくは自分のしたいことをする予定です』


記『公爵令嬢としての役目は放棄するので?』


令嬢x『もちろん、わたくしの役目を忘れた訳ではありません。折り紙をこの世界の一大産業にのしあげて見せますわ。

 この貴重な時間、見識を広げることに費やす予定です。あわせて寄付なども行います。孤児院への支援は、お金だけでなく、別の方面からも支援し、一人一人が無事大人になって生活していける社会を築いていけたらと思います』


記『ご結婚のご予定は?』


令嬢x『それは親が決めることですので。もちろん折り紙は結婚後も続けていきたいと思っていますわ』


記『折り紙はエレナ嬢にとって何ですか?』


令嬢x『すべてですわ!』


記『あの...ではM氏は?』


令嬢x『師匠ですわ!』


記『もうちょっと具体的に』


令嬢x『あれは...私が婚約破棄にうちひしがれていたとき、美しい紙細工をプレゼントしていただきましたの。それは今では私の宝物です』


記『見せていただくことは?』


令嬢x『私が作ったものでしたら、こちらに。彼からいただいたものは家に保管しています』


記『とても美しい花ですね。』


令嬢x『はじめての作品で不出来ですが(エレナ嬢かわいらしくはにかむ)』


(挿画)


記『それは、二人の間に咲いた小さな恋の花だった』


◆王子と令嬢について


記『あと、レーコ嬢をいじめていたと』


記『王子に50回ほど、レーコ嬢に30回ほど口頭注意しましたが、さすがにそのあたりで私も疲れてしまい、割りきった対応をとっていました。新学期のパーティーで婚約破棄されたのは予想外でしたが』


記『取り巻きに命令して嫌がらせしていたとか』


令嬢x『そのような事実はございません』


記『本日はインタビューに応じていただきありがとうございました』


令嬢x『次の機会がありましたら、もう少しお手柔らかにお願いしますわ』


◆◆◆


 きんちょーした~。途中自分で何を言っているかわからなかったが、折り紙への愛だけ伝えられたはずだ。


「もうちょっときっぱり熱愛疑惑否定しろよ! 

『育てがい』ってなんだよ。俺はおまえのペットじゃねえぞ」


 いつもは『君』と呼ばれることが多いのに『おまえ』になっている。これは怒らせてしまったか?


「あら、ごめんなさい」


「今回はちゃんと完成した記事を読んでいただいてから、発刊させていただきますので」


「そう願いたいですわ」


「もう全部刷っちゃった後に持ってきても販売は止まらないよ。そんなことしたら新聞社大損」


「っぐ」


「純情なお嬢ちゃんがせっかく鵜呑みにしてくれたのに、ひどいじゃありませんか。旦那?」


 ミツヒロは行儀悪くブンバーに「んべっ」と舌を出す。


「今回、イーブンではありませんよね?」


 なんせ、第三王子との婚約回避と同時に嫁ぎ先の候補まで消し飛んだ。


「まあ、そうですかな...。」


「ちょっと考えますので、」


「ええ、どうぞ。今のうちにメモに眼を通してください」


「やっぱりちゃんと折り紙作家の弟子に直してください」


「いや、そこは折り紙作家って書いたら一発で身ばれだろう。副業の方の弟子でいいんじゃないか?」


「折り紙が本業で、作家の方が副業でしょう?」


 あんな小説が本業だなんて・・・なんかやるせない。


「収入的には、一番割りがいいのが皿洗いだな。その場で飯作ってくれるし。次が、小説で、一番最後が折り紙。今は小説と折り紙がちょい逆転しかけ中?」


「もう『週刊ピンク作家の弟子』でもこっちは構わないんですがね・・・」


「全然違います!」


「あとは、そちらが伏せたい情報を伏せ、お話の流れを整えれば、ゲラが上がる前になんとか、記事をお見せすることが叶います。まあ、お嬢さんが領地に飛ばされないことを祈るばかりです」


「飛ばされたら?」


「どちらにしろ、インタビュー記事は出させていただきますよ。こちらとしては次のインタビューができなくて残念ではありますが」


 (まだインタビューする気なんかい!!)



「孤児うんぬんとか、具体的なことは決まってるの?」


「あんなのはただの定型文ですわ」


「んー。実現しない選挙公約か~。そーだろーと思った。ちゃんと次回のゲラまでに具体的なこと考えとかないと。ブンバーのことだから、今回突っ込まなかったのは次回のネタにするためだからね」


なぜだか、とってもがっかりされたような気がした。



(貴族らしいこと。やっぱり孤児院への支援が一番てっとり早いかしら)

インタビュー中の雑談部分カット版。会話アリだと、読みにくく感じたので。次回メモ裏。

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