浪牙 -弟-
北条泰時の異父弟 水軍の次期当主浪牙の生い立ちです
その昔、北条義時が八島の戦いに備えて島に来た時、大友一族は、源平どちらへも協力を拒みました。
義時は、一族の娘:千波に一目ぼれしました。千波には言い交わした相手がいましたが、
当主:波夜叉(滝夜叉の祖父)は、滝夜叉の素性を隠すため、汐路を義時に差し出しました。
義時は汐路を忘れかねて、彼女を迎えようとしますが、汐路は懐妊していると鎌倉に行くことを拒みました。そして、泰時が生まれました。
喜んだ義時は、汐路に褒美を与えると言います。(義時としては、汐路をそれなりの家の養女にして鎌倉に迎えるつもりでした)汐路は、義時に息子を渡すから自分とも(一族にも)二度とかかわらないでほしいと言い切ります。自分には約束した相手がいる。自分は自分の人生を取り戻す。義時とは二度と会いたくない。
義時が、汐路が自分を厭うのは分かるが、息子には会いたくはないのかと問います。汐路は、義時との事は自分にとっては、災難でしかない。泰時も自分にとっては厭わしいと言い切りました。
義時は、汐路の言葉にショックを受け、泰時を連れて鎌倉に戻ります。
義時は母に愛されない泰時を自分が愛そうと誓います。泰時の立場を強くするために、泰時の母は、平家追討のために命をかけた海女だと噂を流します。(藤原房前の伝説をまねました)
汐路は、恋人と一緒になり息子(浪牙)を生みます。汐路は浪牙が10才の時に亡くなりますが、生前、一言も泰時の事を口にする事はなく。浪牙は異父兄の事を知ったのは両親の死後、当主の浪夜叉からでした。
浪牙の父は、平家出身の浪夜叉の代わりに実質的に水軍をとりしきっていました。
一族の血をひかない水瀬が、浪牙を婿にする事で一族の結束を強める事になっていました。
浪牙と水瀬は年がはなれていたため、婚礼は水瀬が年頃になってからと決められていました。
水瀬、日王・月王は平家の血を引いているためか、非常に美しく、際立っていました。
日王・月王は身元を隠す意味もあって、髪を伸ばして水干姿で暮らしていました。