大切な人をなくした僕へ
僕の人生の分岐点、いや終着点ともいえる出来事。それは親友の自殺である。僕はこの出来事をこれから背負って生きていかなければならない。しかし背負っていくには僕には重過ぎるのである。これからどうしていけばいいのか分からなくなる。何をしていても「親友が自殺した」ことが後から後からついてくるのである。
「新しい趣味を見つけた。」しかし親友は自殺した
「知人が結婚した。」しかし親友は自殺した
「面白い本を読んだ。」しかし親友は自殺した
「いい曲に出会えた。」しかし親友は自殺した
「彼女ができた。」しかし親友は自殺した
もはや呪いである。これから生きていく僕には重過ぎる呪い。何をしても消えることのない。僕が置いてきた、あの日の僕。まだ呪いを背負っていない頃の僕にはもう戻れない。多分、笑顔すらも嘘に感じてしまう日々をこれから送るであろう。
笑顔も自分も置いてきてしまったあの日。
今、僕は何をしてどんな顔で生きているのでしょうか。
いつかまた、会える日が来るのなら。そのときはまた本当の笑顔で語り合おう。
話せなくなった悲しみ。
気が付けなかった後悔。
表現できない感情。
いつも通りの日常。
死人に口なし、聞く耳もなし。
さて明日はどうやって生きようか。