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ゲーミングヤンキー〜喧嘩最強の男、少女となりて激走する〜  作者: アスク
第二章 Hurtling Burst -online-〜超高速のその先へ〜
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パイロットと機体と作戦とレース場




 練習試合を終え、宇宙船の中に3人は再び戻ってくる。そして戻ってくるなり口を揃えてこう言うのだ。「グッドゲーム」と。

 どこがグッドゲーム?全員脱落しているが。と、一見するとそう思うかもしれないが、当事者にとって、この試合には有意義なものがある。それは。


「課題が見つかった」


 燕歌が言い出した。残りの二人も頷いた。

最初に脱落した燕歌は語る。ずばり自分の課題は「自衛能力」だと。


「私なりにコンセプトにあった機体を用意したつもりだったが、言われてみれば迎撃されることを考えていなかった」


 まずこのゲームの大前提として、主砲は前方のみを攻撃範囲とする、というものがある。弾を後ろの奴に撃つことはできず、もしそうしたいのなら宙返りしてわざわざ背後を向く必要がある。

 高度な技なので、最初から背後につけて撃ち抜く自分は攻撃に対する耐性などいらないと、燕歌は思っていたのだ……が、しかしどうだろう。今のロックのように、鬱陶しいのだ即刻処理しにかかるプレイヤーだっているのだと、気付かされる。


「考えればすぐわかることだったな。これがもし【サターンサークル】ではなく、【天空横断98】のようなコースの決まってないステージなら尚更、そう言うことが起きていた事だ」


 本戦のレースでどういうコースを走るか、まだ決まってない以上、今の機体性能はあまりにも安定感が低かった。そもそものコンセプトがかなり危ういのにこれでは成立するわけがない。


「アト中途半端に距離が近いノ。考えモノデスネ。逆ニ撃ちヤスカッタデスヨ

「そうか」


 と、レースを振り返る燕歌。そんな燕歌にヒナタが一つ聞いた。


「そういえば燕歌は今回の試合走ってたね。あれはどうやって?」

「自動操縦さ、あれならスタート地点から止まる事なく、レースをジリジリと進めつつも、常に狙撃が行えるのでイイと思ったんだが……反撃が簡単になるのは思わぬ弱点だった」


 スナイパーが前に出たらダメだと少し考えればわかるのに、と、自虐し苦笑する。

 だがこれで燕歌のこれからの課題は明確だ。


「安全圏から射撃する方法を模索すること」









「まずパイロット選びからやり直しだな」


 燕歌はそう言った。そうだなと、他二人も頷いた。


 パイロット。このHurtling Burst -online-のレースをより多様化させている要素の一つ。それがパイロット。

 忘れがちだが、これらにはパイロットスキルという特殊効果を持っており、自身の機体にさまざまな恩恵をもたらす。

 例えばこの【傭兵のウルフ】という鬼葉の使っているキャラを改めて見てみよう。



ーーーーー

【傭兵のウルフ】

説明:空の裏社会を暗躍する傭兵。詳しい経歴は不明だが卓越した飛行運転技術を持つ。最近仕事が無くなってきてレースに参加したらしい。


パイロットスキル

【任務は完遂する、仕事なんでな】

砲撃火力を5%上昇、砲撃速度を上昇。突撃時装甲防御20%上昇、機体破損率に応じて命中判定拡大を付与。

ーーーーー



「相手を攻撃することに関しての効果を持っている。どれもが火力上昇だな」

「今思うと、見た目からなにからすっごい鬼葉らしいね」


 他のを見てみよう。



ーーーーー

【キャット船長】

説明:かつて史上最年少の宇宙船船長として話題になった女性。かなりの手練れ。しかし見た目は成長しなかったようだ。


パイロットスキル

【堅実かつ最適解を】

装甲の防御性能を10%増加、5秒毎に小シールドを展開。機体破損率に応じて回避速度、修復効果が向上する。

ーーーーー

【ニワトリオン村長】

説明:辺境の惑星、バード村の長にして、古代技術の使い手。ニワトリを模した目元のマスクも、儀式の一環だという。


パイロットスキル

【儀式とは原初の超越機構】

装甲の修復効果を上昇。修復効果を持つ搭載機器の防御性能を25%増加。機体の引火を10%の確率で無効化する。

ーーーーー


 両者は機体の修復効果に関するパイロットスキルを持つ。ちなみにこの【ニワトリオン村長】はロックの使っていたキャラクター。見比べるとわかる通り、キャラによって細かに違い、どういう機体コンセプトにするかによっては選択を迫られる。


「なるほどなるほど……と、なると。『安全圏から狙撃し相手を落とす』のがコンセプトだから……防御性能、いや、潜伏性能(・・・・)ああ。これだ!」

「ドウヤラ敵ニ塩ヲ送ッテシマッタヨウデスネ」

「何を今更」


 こうしてはいられない、と。燕歌は、パイロットと自分の機体を交互に見ながらカスタムし始めた。凄い集中力だとヒナタは思った。


「ボクも考えよう」

「イイコトデスネ!!」


 ロックも、ヒナタもそうしてパイロット表を開き、効果を一つ一つ確認していく。今の自分に足りないものはなにか、本戦でどう戦うか……。

 そんな折、運営から通知が届いた。赤いアイコンが①を表示し、ピコンと音が鳴るのですぐにわかる。

 3人は調整を中断し、開いて確認した。


「どうやら、考察の判断材料が増えたようだね」

「うん」


 そこに表示されていたのは……Hurtling Burst -online- JAPAN CUP本戦のために用意された"3種の特設コース"の詳細だった。





◆◆◆◆◆◆



[【Hurtling Burst -online-】大会概要を説明します!]


[その4]


["3種の特設コース"を大紹介!!]


[1つめ!]



 ────それは赤茶色の大陸がずっと続く。遠く遠く。永延に続く。【Hurtling Burst -online-】のコースの中で最長にして最大。30秒ごとに切り替わる重力圏の中を走り切れ。


[【巨星の地平線(レッド・ホライズン)】]





[2つめ!]



 ────それは星間戦争の真っ只中、軍艦の放つ破壊光線と、砕け散る小惑星、特攻する航空艦隊が飛び交う、混沌のレース上。暴風域など生温いほどの、スペースカオスの中、ゴールを探せ(・・)


[【惑星間戦争122】]






[3つめ!]



 ────それは、サーキットである。純粋で、正当なサーキットである。原点回帰。降り注ぐ流星群を背に、銀河の夜道を駆け抜ける。高速、亜高速、超高速のその先へ。最も早くゴールに辿り着いたもの、それがレースの勝利者だ!


[ギャラクシーサーキットX86]


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